ほぼ日ハラマキ PRESENTS しょうがの お勉強。
高知・しょうがシロップの旅 編
その17 「ここの野菜はうまい」から始まった物語。

写真を見つつ、高知取材の報告会が続いています。
イトイ 美郷さんという女性が、
高知で農業を営むまでには
なんらかのドラマがあったと。
あやや はい。
まずはこちらをご覧ください。


イトイ 畑ですね。
向こうには連なる山々が。
あなたのきれいさもふくめて、すばらしいです。
あやや ありがとうございます。
山下 ここが桐島さんの畑、
つまり「桐島畑」というわけですね。
あやや 美郷さんは、
この高台からの景色をみて、
わあっと涙があふれてきて、
ここで暮らしていきたいと思ったのだそうです。

イトイ ほぉ、そんなに。
あやや 美郷さんは埼玉の大学で
心理学を学んでいたんですが、
ある日、日比野克彦さんの作品を目にして
「すごい、この人のところではたらきたい」と。
イトイ うん、それで日比野くんのところへ。
あやや はい。ですがやっぱり、
それだけで食べていくのはたいへんで‥‥。
イラストのお仕事をしたり、
飲食店を出したりもされていたそうです。
イトイ 食べ物屋さんを。
あやや 東京でフリーのイラストレーターをしながら
日比野さんのお手伝いをして
さらにお店を維持するのって、
そうとうきついことですよね。
美郷さんは下北沢の
風呂なしアパートに10年住んでいたそうです。
イトイ ‥‥日比野ぉ!(笑)
コイケ いや(笑)、イトイさん、
日比野さんはいまも美郷さんと
仲良くしてらっしゃるんです。
何度かこの畑にも来られたそうですよ。
イトイ そうか、ちゃんと応援してるんだ。
あやや 話を戻します。
東京で飲食店をされていた美郷さんは
知人の紹介で高知の無農薬野菜と出会います。
その野菜を手にして、
食べてみて、驚きました。
「なんて力強い野菜だろう。
 これをつくっている人に会いたい」
イトイ おお‥‥。
あやや 美郷さんは四万十に向かい、
野菜の仲介人の人に案内してもらって、
畑にたどりつきます。

イトイ そこで、畑に感動して涙する。
あやや はい。
東京で苦労を重ねていた美郷さんは、
自分のちっぽけさと、
大地に根づいて生活している人たちの風景に
うちのめされてしまったそうです。

そしてそのとき、
正一さんと1度目の出会いもあり、
そこから、お野菜の宅配がはじまりました。
高知から送られてくる箱の中にはいつも、
野の花が入っていたそうです。
イトイ あぁ、いいね。
あやや 2度目に正一さんに会ったのは、
二泊三日の「農業体験」でした。
美郷さんは、
そこでもう気持ちをかためたと言います。
イトイ え‥‥。
あやや 「農業体験」を終えて、
高知へ車で送ってもらう道中、
美郷さんは朝から缶ビールを飲んで
自分にいきおいをつけておいて、
意を決して、覚悟を決めて、
プロポーズをしようとします!
イトイ ええ!
あやや 正一さんの横に座る美郷さん。
「結婚を前提に、
 おつき合いをしてもらえませんか?」
ということばを言おうとした、そのとき‥‥。
のどもとまで、
そのことばが出かかったときに‥‥。
イトイ ‥‥‥‥。
あやや 正一さんのほうから‥‥
「いっしょに農業をやってくれませんか」
イトイ ええええーー!!
あやや すべては3カ月の話なんですよ。
ふたりは2回しか会ってないんです。

イトイ うーん‥‥
あらゆる意味で、すごいね!!
コイケ すごいですよねぇ。
あやや たった3カ月だけど、
惚れますよ、わかります。
イトイ わかりますか。
あやや わたしたちも畑の野菜を
食べさせてもらったんですけど、
これがほんとに‥‥ね?
コイケ おいしかった。
そのまま食べちゃえるんです。

イトイ 生き生きしてるねぇ(笑)。
山下 ここの景色、おいしい野菜、
それを一所懸命につくる男性‥‥。
ひっくるめて、すばらしいんですよね。
男からみても、
「惚れる」というのはわかりました。
あやや これもひとつのすてきな生き方だなぁ、と。
イトイ なるほどねー。
すべては「ここの野菜はうまい」
から始まったことなんだ。
‥‥すごいね、ほんと。

山下 そういうお話をうかがっているうちに、
ぼちぼちしょうがが煮えた時間に。
みんなで作業場へと戻りました。

イトイ しょうがは煮えたかな?
コイケ 中はもう、香りがすごくて。
あやや ここにいるだけで、のどがスースー。
山下 しょうがは、こんな具合になっていました。


山下 正一さんが、味をチェックします。

コイケ 砂糖が入っていないので、
ここではまだ辛いしょうがの汁です。
山下 しょうがのスライスをとりだします。


コイケ いっそう強く、しょうがの香りが。

イトイ このスライスはどうなるんですか?
コイケ 乾燥させるもの、冷凍させるもの、
そのまま加工にまわすものにわかれます。
入浴剤やお菓子などに加工するのだそうです。
イトイ そうですよね、もったいないですからね。
山下 一度、漉してから。

山下 ふたたび釜に戻し、
ここで砂糖を加えます。

コイケ 桐島さんでは「粗糖」を使っていました。
イトイ 精製しきっていない砂糖ですね。
風味とコクはあるけれど、黒糖ほど強くはない。
山下 はい。
粗糖を加えたら、糖度計で計ります。

山下 1本ずつ、手作業でビンに入れて。

山下 しっかりと熱湯で消毒し。

山下 ラベルを貼って。

あやや かわいいミニミニレシピもつけて。

山下 完成でーす。

コイケ 美郷さんが描いたこういうマークも、
かわいいんですよねー。

イトイ こういうのはやっぱり、
日比野くんのところにいた人ですよね。
山下 できたてのシロップをお湯でわって、
いただきましたー。



あやや こうちゃん、かわいい〜。
山下 というわけで、高知での2日目は、
まるまる「桐島畑」さんにお邪魔いたしました。
みなさん、ありがとうございましたー。

コイケ バイバイのときに、こうへいくんが、
どんぐりをくれたんですよ〜。

あやや こうちゃん! またね!
おばちゃんたち、また会いにいくからね!


(取材3日目に、つづきまーす)

2010-11-12-FRI

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200ml入り630円(税込)、400ml入り1150円(税込)

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※2010年11月現在、こちらのブログで
 商品の販売は行っておりません。


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