もってけドロボー! 斉藤由多加の「頭のなか」。 |
大玉近況その2 ゲームというのは形も重さもなくて、 画面に表示されるビットパターンと 音だけで表現をします。 自分が年齢を重ねる毎に思うのですが、 そういうデジタル感というのは、 アナログ世界が持つ引力に比べて 実に非力というか貧弱に思えるのです。 ですから新作を出すとなると、 その世界観が持つ質感とか、重さとか、 あるいは匂いのようなものがどうやったら伝えられるか、 いつも頭を悩ましあれこれ工夫をこらします。 それが私の作品の異質感と思われているようですが、 むしろ私には、ゲームがどれも 「ゲームっぽい」という小さな着地点に 収まりすぎている気がしてならない。 そこにどれだけ違和感を持たせるか、 が愉しみとなりつつあります。 そして今年の5月18日から始まるE3では、 いよいよ「大玉」という新作の正式発表をするのですが、 今回は「釣り鐘」をつくって展示することにしました。 ↑任我無心 天在降臨 道義通命の12文字が彫られた「任天の鐘」 *画像をクリックすると鐘の音が響きます。 *文字をクリックすると説明の音声が流れます。 (環境によってはファイルがダウンロードされます。) 「大玉」というゲームは、この「釣り鐘」が主役でして、 わかりやすくいうと、ふんどし姿の兵が、 この「任天の鐘」を城の本丸まで えっさえっさと運んでゆくゲームです。 昨年のE3の時期にこのコーナーで 「大玉」を紹介した際に、 「アメフト」と「ピンボール」の融合といった 表現をしていたのですが、 このアメフトのボールにもうひとつ、 別の意味を加えたかった、 それが鐘というメタファーになったわけです。 大玉でこの釣り鐘をヒットすると 『ゴーン』となかなかいい音がして いろいろなことがおきるという仕掛けです。 ↑釣り鐘制作風景 富山県高岡市というのは 日本のみならず世界中から注文が来る事で知られる 「鐘」の街です。 ここの老舗、老子製作所で製作してもらったのが、 写真の「任天の鐘」で重さは600Kg超。 空輸は困難だったのでいま船で太平洋を渡っています。 ゲームというのは画像では伝えられない事が多すぎる。 今回は、「任天道」という言葉で その世界観をつくっております。 *クリックすると鐘の音が響きます。 (環境によってはファイルがダウンロードされます。) ゲームのデモとこの釣り鐘の他には、 「任天道」と彫られた板看板などもあわせて展示します。 日本の皆さんにご紹介できる機会があるかは まだわかりませんが、 もしE3に来られる方がいらっしゃったら、 是非探してみてください。 (今年は併催のパネルディスカッションにも参加します。 ご来場の方はこちらのセッションも探してみてください) |
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2005-05-13-FRI
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