糸井 | えー、キッチンのタモリさん、タモリさん。 |
タモリ | はい。 |
糸井 | ざっとこんなことですが、聞いてました? |
タモリ | ええ、ええ、聞いてました。 |
糸井 | 前回は、会場の700人だけが楽しめたという、 |
タモリ | そうですね。 |
糸井 | あ、そういえば、たしかタモリさんは |
山下 | え、そうなんですか? |
糸井 | それと絡み合わせていくって方法も あるような気がするんで‥‥。 タモリさん、タモリさん、聞こえてますかー? |
タモリ | はい、はい、はい。 |
糸井 | あの、タモリさん、 |
タモリ | あ、あのね、ほんとに細々と。 |
糸井 | ‥‥ほら。 |
タモリ | ジャズのレーベルをやってます。 「ONEレーベル」って名前で、 もういくつかCDもできあがってんですよ。 |
山下 | どんなの作ってるんですか? |
タモリ | えー、ジャズトリオのやつとかです。 早稲田のジャズ研OBで作ったんですよ。 |
山下 | はあ‥‥それはおもしろそう。 |
糸井 | なんで「ONEレーベル」かっていうと‥‥。 |
タモリ | そのジャズ研のメンバーで、 伊藤八十八っていうのがいるんですが。 |
山下 | 八十八さんね、 ソニーの名物プロデューサーですよね。 |
タモリ | ええ、僕の同級生なんですけども。 |
山下 | ああ、そうなんだ。 |
タモリ | 名前、「八十八」って書きますんで、 そいつのレーベルが「Eighty-Eight's」なんです。 |
山下 | はい、はい。 |
タモリ | で、ぼくの後輩に五野洋っていうのがいて。 |
山下 | 五野さん、ええ |
タモリ | これが「55 Records」ってやってるんです。 |
山下 | なるほど(笑)。 |
タモリ | で、ぼくが「森田一義」で「一」だから ま、「ONEレーベル」と。 |
山下 | とんとんとん、ときたわけだ。 |
タモリ | ほんのちょっとした 一枚のCDからスタートしたんですけど。 |
糸井 | そんな、非常に草の根的なジャズ運動を‥‥。 |
タモリ | ジャズ運動(笑)。 |
糸井 | 次の「はじめてのJAZZ」と うまく絡み合わせてもおもしろいなと。 |
山下 | そうですね。 |
糸井 | ‥‥と言ってる間に、鶏肉の煮込みぐあいが そろそろみたいですので、 この続きはまた、後日ということで。 |
タモリ | ええ、こちら、ほぼ完成してます。 |
会場 | おおー(拍手)。 |
< 続きます > |
早稲田大学モダンジャズ研究会のこと。 「ダンモ研」とも呼ばれる。 タモリさん、文中に出てきた ソニーの伊藤八十八プロデューサーのほかにも、 日本ジャズ界のリーダー的存在である ベーシストの鈴木良雄さんなどを輩出している。 当初、トランぺッターだったタモリさんが、 「マイルスのラッパは泣いているが おまえのラッパは笑っている」と言われ バンドの「司会」になった、 というジャズ研時代のエピソードは特に有名。 ちなみに、「ダンモ(=モダン)」という 言いかたからもわかるように、 当時のミュージシャンの間では 「ピアノ」を「ヤノピ」、 「ラッパ」を「パツラ」などと 言葉を「逆さまに言う」習慣があった。 そこから、入部するやいなや命名されたのが ごぞんじ「タモリ」という名前。 なお、前出の『教養講座・日本ジャズ界の変遷』に、 「ラッパ」などの場合には、 撥音「ッ」を正確に発音し「パツラ」となる、など 「逆さまにいう」習慣の原則について、 タモリ教授がひとしきり説明するくだりがある。 |
2007-09-29-SAT