こんどの「JAZZ」、どうする?

第14回 Isn't She Lovely。

山下

‥‥それで、ジャズはどうしましょう?

糸井

あ、ジャズ(笑)。

タモリ

基本的には、やっぱりアフリカからいって‥‥。

山下

いきますか。

 
糸井

エンディング、決めませんか?

タモリ

エンディング。

糸井

ジャズの歴史をたどっていくという
構成はだいたい決まりましたけど、
最後に会場のみんなが
「あー、今日はよかったー!」って感じで
終わるような曲って、ないですかね?

山下

うーん。

糸井

たぶん、会場のお客さんは
最後にやった曲を頭のなかで鳴らしながら、
帰ると思うんですよ。

山下

ああー、そういうやつね。

糸井

うん、「スマイリー小原」な感じで終わると、
たぶん「スマイリー小原」な感じのまま
「帰り、何か食ってくー?」ってなると思うんです。
だから、最後の曲が何なのかって、
けっこう大事ですよ。

山下

うーん、それは
ステージのメンバーにもよるんだよね。

タモリ

今回は、どういうふうにするの?

山下

‥‥前回はカルテットだったよね。

糸井

そうですね。

山下

少なくとも北アメリカという土地で
ジャズという音楽が生まれました、ということと、
その一方で、カリブ海では
打楽器音楽が発達しましたっていうことは
覚えて帰ってもらいたいなぁ。

糸井

じゃあ、原初としての「アフリカ」では
「リズム」というものの
おもしろさとか、感動とかを伝えられるような。

山下

そうですね。
それができたら、いいですよね。

で、タモリ教授が最初に出てくるのなら、
まず、例のあのスタイルで(笑)、
それぞれのことを説明してもらう、と。
で、あとから、あのとき教授が言ってたのは
こういうことですって、
バーンと生演奏で聴かせちゃうとかね。

糸井

前回の「はじめてのJAZZ」の最後にやった
タモリさんの「ソバヤ」なんかも、
あれ、結局はリズムの音楽ですよね?

山下

あれはアフリカです、完全に。

糸井

一体になっちゃうっていうか、
同じリズムで揃っちゃうっていうことの
気持ちよさを、味わってもらいたいですよね。

山下

結局、あの「一体になれる瞬間」を、
われわれジャズマンは求めてるわけですよ。

糸井

また「ソバヤ」をやってもいいけど‥‥。

‥‥あ、山下さん、
いつかのコンサートが終わったあと、
坂田明さんなんかと一緒に
あの、スティービー・ワンダーの‥‥。

山下

ああ、あれ、やりましたね!
♪ラーラーラーララーラー‥‥。

糸井

あの曲を、笑い出すくらい
えんえんと
やってたってことがあるじゃないですか。

山下

あ、あるある。
酒場「ホワイト」でみんなと騒いでいて。
終わんないんだよ、あの曲。いくらやっても。

糸井

‥‥「Isn't She Lovely」?

山下

‥‥「Isn't She Lovely」。

タモリ

スティービー・ワンダーの?

 
< 続きます >

今日のジャズ語。

ソバヤ
タモリ・山下洋輔・坂田明・他、作詞作曲。
タモリさんのファーストアルバム
『TAMORI』に収録されている
連作「武蔵と小次郎」のなかの「part4」。
正式な曲名は
「"武蔵と小次郎" part4〜
 アフリカ民族音楽"ソバヤ"」という。
アフリカンなリズムに合わせ、
何を言っているのかわからない
アフリカ風ハナモゲラ調の
タモリさんのボーカルのバックに
「ソバヤ、ソバーヤ」とコーラスが入る
「アフリカ民謡」(自称)。
ちなみに、「ハナモゲラ語」とは
サックス奏者の中村誠一さんや坂田明さんらが創始し、
「新たな言語体系」として
タモリさんがひろく一般にみとめさせた
「インチキ風な外国語」のこと。
「ソバヤ」は前回の「はじめてのJAZZ」だけでなく、
山下洋輔さんが初代会長をつとめた
「全日本冷し中華愛好会(全冷中)」による
「第1回冷し中華祭り」(1977年4月1日)などでも
演奏された記録が残っており、
知る人ぞ知る「1970年代の名曲」とされている。
なお、2007年の12月には
タモリさんが過去にリリースしたアルバム5枚のうち、
『TAMORI』『TAMORI2』
『Radical Histery Tour』の3枚が待望の復刻予定!

あなたの質問に、壇上の3人が答えます!

前回の「はじめてのJAZZ」では、
みなさんから募集した「ジャズに関する質問」に、
山下さん、タモリさん、糸井重里が答えるという
コーナーをもうけました。

山下洋輔カルテットの実演もとびだすなど、
たいへん盛り上がった企画だったので、
今回もまた、やりたいと思います!

「ジャズ」についての質問・疑問があったら、
どんなことでもOKですので、
ペンネームをお書き添えのうえ、
メールにて、どしどしお送りください!

質問をおくる
たとえば、前回の「はじめてのJAZZ」には
こんな質問が寄せられました。
ジャズって勉強が必要ですか?
ついきいてしまうCDを教えてください。
ぶっちゃけ、
スウィングするというのが、
いまだにわかりません。
どういった感じなのですか?
なんか、今さらすいません。
ジャズをどうきけばいいのでしょうか?
イメージではソファーなどで座って
足を組み、グラス片手に目をつむり、
音をわかってるふうに
ちいさくリズムを取るというか。
手拍子や合いの手、掛け声などは禁止。
服装は、ドレッシーなんでしょうか?

なお、みなさんからいただいた質問は、
イベントのときだけでなく、
後日、このページでもご紹介したいと思っています。

ジャズについて、3人に聞きたいことがあったら
どうぞお気軽に、お送りくださいね!


2007-10-10-WED

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