大橋 |
あとは、やっぱり、デジタルで雑誌が作れる、
ということが時代性だと思うんですけどね。 |
── |
コンピュータで。 |
大橋 |
そうですね、デジタルカメラで撮ったものを、
自分のコンピュータに入れることが
できますでしょう。
それがなかったら、多分、
できなかったかもしれないですね。 |
── |
「アルネ」のページの構成なども
すべてデジタルですか? |
大橋 |
いえ、実はですね、アナログなんです。
でも、普通は、雑誌や本を作るときって、
割付用紙みたいなものがありますでしょ。 |
── |
1枚の紙に、
名刺大くらいの四角が並んでいて、
雑誌全体の構成や流れを
書き込みながら考えるための用紙ですね。 |
大橋 |
ところが、私はその割付用紙っていうのが
分からないんですよ。
なぜかというと、小さいから。
想像できないんです。
あれに並べても、一向に、
「このページ、これでいいかな」
というのが分からないんですね。
それなので、実は、仕上がりと同じ大きさで、
そのページ数のものを作るんです。
それに、カメラからプリントアウトした
写真のなかから、良い写真を自分で選んで、
貼り付けていくんです。 |
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── |
あ‥‥。まったく同じ紙で、
同じページ数の次の「アルネ」の原形を
1冊ぶん、手作りするんですね。 |
大橋 |
ええ、そうですね。
で、それを何遍も見返して、
「これでOK」と思うと、
それをデザイナーのところに
持って行くんですけれども。 |
大貫 |
それ、よーく分かります!
私も、『金のまきば』を作ったときも、
原画をカラーコピーしてもらって、
決めた絵を全部、床に並べて置いたんです。
1ヵ月ぐらい、その前を歩いたり、
そばを歩いたりして眺めてるんですよ。
で、ある日、ぽっと浮かんだ言葉があって、
それをワープロに打ち込んで、
プリントアウトして切って、
絵の上に貼り付けて載っけたんです。
だから、大橋さんが、
非常にアナログ的に見本を作らないと
イメージできない、
というのは、私、とてもよく分かります。 |
大橋 |
そうなんです。デジタルとアナログと。 |
── |
そして紙の発想をそのまま簡単に
本の形にするための道具としては、
コンピュータがすごく有効なわけですね。 |
大橋 |
そうなんです。 |
── |
大橋さんは、メールとかも、
活用していらっしゃるんですか。 |
大橋 |
はい。やらないと、雑誌作りが、
先に進まないので。
息子がやっているので、
怒られながら、教えてもらって。
だいぶ、しごかれましたからね(笑)。 |
── |
そうやって習得なさったんですね。 |
大橋 |
今は、自分のやるべきことは殆どできます。
本を作るための自分の仕事のものはね。
それと、あとはデジタル入稿できるという
時代でしょ。だから、雑誌作りのコストが
多分、少しは安いかも‥‥ |
── |
写真にしても、デジタルだったら、
フィルムを買わなくていいですし、
現像に出さなくていいですものね。
専門的な話になりますが、
フィルムから四色分解する過程も、
写植文字を打つ必要もないですし。
そういうところのコストダウンは
すごくあると思いますよ。 |
大橋 |
そうなんですねぇ。 |
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(次の更新は火曜日です。
どうぞお楽しみに!) |