大橋歩さんと大貫妙子さんの対談より。

第4回 アナログの頭で、デジタルをつかう。
大橋 あとは、やっぱり、デジタルで雑誌が作れる、
ということが時代性だと思うんですけどね。
── コンピュータで。
大橋 そうですね、デジタルカメラで撮ったものを、
自分のコンピュータに入れることが
できますでしょう。
それがなかったら、多分、
できなかったかもしれないですね。
── 「アルネ」のページの構成なども
すべてデジタルですか?
大橋 いえ、実はですね、アナログなんです。
でも、普通は、雑誌や本を作るときって、
割付用紙みたいなものがありますでしょ。
── 1枚の紙に、
名刺大くらいの四角が並んでいて、
雑誌全体の構成や流れを
書き込みながら考えるための用紙ですね。
大橋 ところが、私はその割付用紙っていうのが
分からないんですよ。
なぜかというと、小さいから。
想像できないんです。
あれに並べても、一向に、
「このページ、これでいいかな」
というのが分からないんですね。
それなので、実は、仕上がりと同じ大きさで、
そのページ数のものを作るんです。
それに、カメラからプリントアウトした
写真のなかから、良い写真を自分で選んで、
貼り付けていくんです。
── あ‥‥。まったく同じ紙で、
同じページ数の次の「アルネ」の原形を
1冊ぶん、手作りするんですね。
大橋 ええ、そうですね。
で、それを何遍も見返して、
「これでOK」と思うと、
それをデザイナーのところに
持って行くんですけれども。
大貫 それ、よーく分かります!
私も、『金のまきば』を作ったときも、
原画をカラーコピーしてもらって、
決めた絵を全部、床に並べて置いたんです。
1ヵ月ぐらい、その前を歩いたり、
そばを歩いたりして眺めてるんですよ。
で、ある日、ぽっと浮かんだ言葉があって、
それをワープロに打ち込んで、
プリントアウトして切って、
絵の上に貼り付けて載っけたんです。
だから、大橋さんが、
非常にアナログ的に見本を作らないと
イメージできない、
というのは、私、とてもよく分かります。
大橋 そうなんです。デジタルとアナログと。
── そして紙の発想をそのまま簡単に
本の形にするための道具としては、
コンピュータがすごく有効なわけですね。
大橋 そうなんです。
── 大橋さんは、メールとかも、
活用していらっしゃるんですか。
大橋 はい。やらないと、雑誌作りが、
先に進まないので。
息子がやっているので、
怒られながら、教えてもらって。
だいぶ、しごかれましたからね(笑)。
── そうやって習得なさったんですね。
大橋 今は、自分のやるべきことは殆どできます。
本を作るための自分の仕事のものはね。
それと、あとはデジタル入稿できるという
時代でしょ。だから、雑誌作りのコストが
多分、少しは安いかも‥‥
── 写真にしても、デジタルだったら、
フィルムを買わなくていいですし、
現像に出さなくていいですものね。
専門的な話になりますが、
フィルムから四色分解する過程も、
写植文字を打つ必要もないですし。
そういうところのコストダウンは
すごくあると思いますよ。
大橋 そうなんですねぇ。
  (次の更新は火曜日です。
 どうぞお楽しみに!)


 
illustration by 大橋歩   


●「アルネ」はこんな雑誌です。

「アルネ」は大橋歩さんが
企画から編集、写真撮影、取材まで、
ひとりでつくっている雑誌です。
2003年の秋と冬に出た、
第5号と第6号は、こんな内容でした

アルネ 5
特集:
「堀井和子さんの
 いつものパンのつくり方」
2003年9月15日発行
税込525円
くわしくはこちらから。

アルネ 6
特集:
「川上絹子さんの
 泊まりごこち良い
 ビジネスホテル」
2003年12月15日発売
税込525円
くわしくはこちらから。

おもとめは、全国の販売店
あるいは大橋さんのHPの
お申し込みページからどうぞ!
(このコラムでは、アルネのバックナンバーを
 順番に、ご紹介していきますね!)

大橋歩さんのHPはこちらです。


●「One Fine Day」はこんなアルバムです。

「One Fine Day」は大貫妙子さんの
3年ぶり、25枚目のアルバムです。

One Fine Day
2005.2.16発売
TOCT-25602
税込3,200円
1:船出
2:The Blank Paper
3:One Fine Day With You
4:Hiver<イヴェール>
5:Hello, Goodbye
6:Time To Go
7:De´ja` vu<デジャヴ
8:春の手紙 [2005 version]
9:Voyage<ヴォヤージュ>
10:A Kiss From The Sun

くわしくはこちらから。
おもとめは、全国のCDショップまたは
ネットショップなどでどうぞ!

大貫妙子さんのHPはこちらです。


●大貫さんが新ユニット
 「K'DO」を結成!
 この秋、Blue Note ツアーをしますよ!


写真は、左から、
森俊之さん(キーボード)、
沼澤尚さん(ドラム)、
大貫妙子さん(ボーカル)、
フェビアン・レザ・パネさん(ピアノ)、
沖山優司さん(ベース)。
この5人の音楽家があつまって
「K'DO」(カドォ)という
ユニットを結成しました。
この秋の、Blue Note、Motion Blueでの
セッションのためのスペシャルユニットです!
「K'DO」は「贈り物」を意味する
フランス語からヒントを得た造語だそうです。
さてこの5人で、どんな曲を‥‥?
フレンチからブラジリアンまで、
洗練されたポップスと、
インストゥルメンタルを予定しているそうですよ。
公演は‥‥
【モーション・ブルー・ヨコハマ】
  日時:9/14水,15木
  1st show: 6:30 pm 2nd show: 9:30 pm
  料金:¥ 5,775
  問い合わせ:045-226-1919
  http://www.motionblue.co.jp/
【名古屋ブルーノート】
  日時:9/27火, 28水
  1st show: 6:30 pm 2nd show: 9:30 pm
  料金:¥ 7,500
  問い合わせ:052-961-6311
  http://www.nagoya-bluenote.com/
【大阪ブルーノート】
  日時:10/ 4火, 5水
  1st show: 6:30 pm 2nd show: 9:30 pm
  料金:¥ 7,500
  問い合わせ:06-6342-7722
  http://osaka-bluenote.co.jp/


2005-07-22-FRI


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