大橋歩さんと大貫妙子さんの対談より。

第5回 大貫さんのレコーディングはたのしい!
── 雑誌作りが
紙からコンピュータになったように
音楽の世界も、いまやほとんどが
デジタル録音になっているんですよね。
大貫 今回のアルバム「One Fine Day」は、
デジタルではいまいちばん音がいいと
言われている、96Kの「Pro Tools」
(ハード・ディスク・レコーディング)で、
録っているんです。
でもいろいろ問題はあるんです。
たとえば、96Kのそれだけのものが、
CDになるときには
情報が半分になっちゃうんですよね。
── そんなに減っちゃうんですか!
大貫 減っちゃいますね。だから、
情報が半分になることをある程度考えて
ミックスしなければいけないんですね。
アナログで、テープを回して録っているのが
私は好きだったんですけれども‥‥、
日本は、こういうふうに流れると
全部そういうふうになっちゃって、
アナログ・レコーディングに
必要な機械が無いスタジオがほとんどで、
あっても、メンテナンスされてないから、
使いたくても、使えないんですよね。
── ほぉ‥‥
大貫 もう、それがねぇ‥‥だから、
合わせなきゃならないんですよね。
もぉっ!‥‥ムッとなりつつ、言う!
‥‥私としては。
たとえばアメリカだと、
両方を残しておくんですよね。
それでも、多くが、いまや、
ハードディスクレコーディングですけど、
だからといって、
極端に日本みたいに、
ドーッ、とすべてがデジタル化される、
というのはないんですよ。
── じゃ、大貫さんがほんとうに理想とする
レコーディングをしようとすると、
‥‥お金をかければ、できる?
大貫 もちろん、もちろん。
でも、「理想のレコーディング」って、
べつに録音のことだけではないので。
つねに対応して理想の形を作る、
ということだと思うんですよね。
── うん、うん。なるほど。
沼澤尚さんにお聞きするところによると、
「大貫さんのレコーディングの現場って、
 ものすごく楽しいんだよ!」って。
大貫 ほんとに、ものすごく楽しいですよ。
── どんなことになっているんですか。
大貫 今回の「One Fine Day」は
一発録りなんです。
全員がスタジオに集まって、
「せーの!」で録ったんですね。
今、そういうことができる広いスタジオは
日本に4つぐらいしかないんですけど。
今回、ツインドラムの曲もあるので、
ツインドラムでツインキーボードで
ギターが入って、
全員が集まってリハーサルをして、
アレンジの細かいところを決めて、
レコーディングしたんです。
── ほんとに広いスタジオが要るんですね。
大貫 それでもまだまだ広くないですけどね。
さらに、今回、弦も同時に録っているので、
オーケストラがスタジオの真ん中にいて、
その周りのブースに全部、楽器が入って、
全員の姿が見える。私も歌うし。
そんなレコーディングが
楽しくないわけないんですよ。
  (金曜日につづきます!)


 
illustration by 大橋歩   


●「アルネ」はこんな雑誌です。

「アルネ」は大橋歩さんが
企画から編集、写真撮影、取材まで、
ひとりでつくっている雑誌です。
2004年の春と夏に出た、
第7号と第8号は、
こんな内容でした

アルネ 7
特集:
「『古道具坂田』のご主人は
 お考えがやわらかいのでした」
2004年3月15日発行
税込525円
くわしくはこちらから。

アルネ 8
特集:
「佐藤雅彦さんの
 僕が好きでしょうがないもの」
「大貫妙子さんと青山を散歩」
などなど。
2004年6月15日発行
税込525円
くわしくはこちらから。

おもとめは、全国の販売店
あるいは大橋さんのHPの
お申し込みページからどうぞ!
(このコラムでは、アルネのバックナンバーを
 順番に、ご紹介していきますね!)

大橋歩さんのHPはこちらです。


●「One Fine Day」はこんなアルバムです。

「One Fine Day」は大貫妙子さんの
3年ぶり、25枚目のアルバムです。

One Fine Day
2005.2.16発売
TOCT-25602
税込3,200円
1:船出
2:The Blank Paper
3:One Fine Day With You
4:Hiver<イヴェール>
5:Hello, Goodbye
6:Time To Go
7:De´ja` vu<デジャヴ
8:春の手紙 [2005 version]
9:Voyage<ヴォヤージュ>
10:A Kiss From The Sun

くわしくはこちらから。
おもとめは、全国のCDショップまたは
ネットショップなどでどうぞ!

大貫妙子さんのHPはこちらです。


●大貫さんが新ユニット
 「K'DO」を結成!
 この秋、Blue Note ツアーをしますよ!


写真は、左から、
森俊之さん(キーボード)、
沼澤尚さん(ドラム)、
大貫妙子さん(ボーカル)、
フェビアン・レザ・パネさん(ピアノ)、
沖山優司さん(ベース)。
この5人の音楽家があつまって
「K'DO」(カドォ)という
ユニットを結成しました。
この秋の、Blue Note、Motion Blueでの
セッションのためのスペシャルユニットです!
「K'DO」は「贈り物」を意味する
フランス語からヒントを得た造語だそうです。
さてこの5人で、どんな曲を‥‥?
フレンチからブラジリアンまで、
洗練されたポップスと、
インストゥルメンタルを予定しているそうですよ。
公演は‥‥
【モーション・ブルー・ヨコハマ】
  日時:9/14水,15木
  1st show: 6:30 pm 2nd show: 9:30 pm
  料金:¥ 5,775
  問い合わせ:045-226-1919
  http://www.motionblue.co.jp/
【名古屋ブルーノート】
  日時:9/27火, 28水
  1st show: 6:30 pm 2nd show: 9:30 pm
  料金:¥ 7,500
  問い合わせ:052-961-6311
  http://www.nagoya-bluenote.com/
【大阪ブルーノート】
  日時:10/ 4火, 5水
  1st show: 6:30 pm 2nd show: 9:30 pm
  料金:¥ 7,500
  問い合わせ:06-6342-7722
  http://osaka-bluenote.co.jp/


2005-07-26-TUE


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