浜野 | 僕は、大学を卒業して まだ2年ぐらいしか経ってないんですけど‥‥。 |
瀧 | ハマケン、そんな若いの? |
浜野 | ええ、ですからちょっと、 今日なんでここにいるのか、はははは。 (弱ったようす) |
瀧 | ちょうど就職しようとしている人と 同世代、ってことだね。 |
浜野 | ああ、それはあるかもしれないです。 ですから、ちょっと今日は、 恐縮してるんですけど。 |
── | さっきから体育座りで。 |
浜野 | はい。 あの‥‥つづけていいですか。 |
瀧 | どうぞ。 |
板尾 | どうぞ。 |
浜野 | 僕も「これがやりたい」という感じじゃなくて、 トロンボーンも、 超うまいってわけじゃないんですけど、 でも、高校の同級生がみんな 友達がいなかったんで、 それがなんか‥‥ええと、 |
天久 | ガラガラガラガラ(引き戸を開ける音) どうも、こんにちは! |
── | あ、天久さん‥‥! |
一同 | 早い!! |
── | それに、急いでおいでになったわりに 服装がたいへんキメキメで いらっしゃいますね。 |
天久 | はい‥‥そうそう! いつもこれで寝てます!! |
瀧 | 遅れてきたくせに なにポケットに手つっこんでんだ! |
天久 | あ、瀧さん、すいません(笑)。 どうもすいません、みなさん。 こないだはどうも、ほんと、 ごぶさたしてまして。 |
── | まあまあ、お座りになってください。 いま、職業に就かれたきっかけを みなさんにお教えいただいているところです。 |
浜野 | あの‥‥つづけていいですか。 |
瀧 | どうぞ。 |
板尾 | どうぞ。 |
天久 | どうぞ。 |
浜野 | 僕も、部活動みたいな楽しさでやってたら、 わりとトントン拍子じゃないけど、 おもしろい状況に、いま、 なっているというだけなんです。 |
── | 「だけ」なんですか。 |
瀧 | 当人も何が起きているのかわからない(笑)。 |
浜野 | そうなんです。 |
天久 | スカウトされた? |
浜野 | いや、僕らのときはあまり、 バーンとデビュー、みたいな感じは なかったです。 だんだん「うちでやってみない?」 みたいな感じで、ちょっとずつ進んで。 |
板尾 | ちょっとずつちょっとずつ 状況がよくなってきてる。 |
浜野 | そう。で、やっと信用できる人を 見つけた♪みたいな。 |
── | なるほど。よかったですね。 |
浜野 | ほんとに、ほんとに、 よかったです。 |
── | ‥‥となると、みなさん、どちらかといえば 特別に夢みていたことを 実現するために活動したわけではなく、 部活の延長のようにここまで来た、 ということなんですね。 一方、天久さんは、いかがでしょうか。 |
瀧 | いや、まず自己紹介からしましょう。 読者の方々に何者かを言わないと。 |
板尾 | 正式な職業を言わな! |
天久 | 職業、無職ですよ(キッパリ)。 |
板尾 | やっぱりそうや。 |
瀧 | やっぱりそうか。 |
── | ホテルで「お名前お願いします」と 紙を出されたときに 書く肩書きって何ですか。 |
天久 | 最近は雑誌なんかで 肩書き書かなきゃいけないときは、 「自称漫画家」にしてるんですけど。 |
板尾 | 確定申告は 何でやってるんですか。 |
天久 | 確定申告のときは、 「イラストレーター」(キッパリ)。 |
瀧 | じゃ、イラストレーターじゃん! だから、そこを聞いてんじゃん! |
天久 | いや、それが、 毎年変わるんですよ。 |
板尾 | ああ、それ、わかる。 |
瀧 | 「画家」とは書いたことないのね(笑)? |
天久 | ないですね(笑)。 何でもいいとは思うんですが。 |
── | では、天久さん、 改めて自己紹介をお願いします。 |
天久 | 自称漫画家の天久聖一です。 「ほぼ日」では「味写入門。」を ノーギャラでやっております(笑)。 |
── | すみません。 |
瀧 | 働かされてます(笑)。 |
── | 日曜の看板、大人気コンテンツです。 現在のご職業に就かれたきっかけは? |
天久 | えーと、最初は持ち込みですよ、出版社に。 でも、その前に僕は神戸で、 拘置所の看守をやってたんですよ。 |
── | はあ。 |
瀧 | これは何回聞いてもおもしろいね。 |
天久 | 1年ぐらい過ぎた頃に、 どうしても一生、僕は看守はできないな、 という挫折が訪れました。 |
浜野 | 挫折‥‥! |
天久 | そうです。定年までは、 ちょっとがんばれないなと思いました。 最初は、がんばろうと思ったんですけど、 やはり、挫折感があって。 |
板尾 | 看守の挫折ってどんなんやろ。 |
瀧 | ねぇ? |
板尾 | 脱走が多かったとか。 |
瀧 | なめられたとかね。 |
天久 | まあ、なめられてはいました。 高卒で「こまわり君」みたいな帽子かぶって 看守です、って言ってんですからね。 それもあって挫折感も味わい、 次の仕事を見つけたかったんですが 塀の中からは何も思い浮かばず。 |
板尾 | 塀の中から(笑)。 |
天久 | とにかくできるものを考えました。 僕はちょっと漫画が好きだったので、 あまりそれまで描いたことはなかったんですが、 ギャグ漫画だったら描けるかな、という、 すごくなめた気持ちがありまして、 拘置所で見張りをしながら コツコツ描いた漫画を持ち、 有給休暇を取って‥‥ |
浜野 | 看守の有給休暇‥‥。 |
天久 | 休みを使って東京に持込みに行ったんですよ。 (明日につづきます!) |