── | みなさんが日ごろ、気をつけてることや こうあろうと心がけていることは、ありますか? |
天久 | 「時間厳守」ですね。 |
── | 聞きましたか、みなさん。 |
板尾 | 聞いた。 |
天久 | ‥‥すみません。 うーん、そうですね(笑)、 やっぱり「怒らないこと」かな。 個人で組織を相手にしていると、 怒ってしまうようなことが多いんです。 でも、「怒る」ということは、 そことのつながりを 自分から断っちゃうということだから、よくない。 仕事の品質にも影響しそうなので、 なるべく怒らないようにしています。 |
── | 怒らない、と‥‥ |
天久 | キレない。キレてなーい。 |
板尾 | (笑)気をつけてること‥‥ まあ、言うたら、病気にならないとか、 ちゃんと食べるとか。 |
── | さきほど浜野さんも、 「寝不足にならない」とおっしゃっていました。 |
瀧 | 仕事が名指しで来るということは、 基本的には、代わりがいないということです。 ですから、もう 「行くのが仕事」みたいなとこもあると思います。 熱が40度あったとしても、 とりあえずたどり着けば、どうにかなる。 いちばん大切なのは「ちゃんと現れる」ことです。 |
板尾 | もっとも基本的な心がけやね。 現場に行けなくなって 「じゃ、次回にしましょう」 って言われりゃいいですけど、 「じゃ、別の人でやりましょう」 って言われると、 誰でもええんかいって話ですよ。 |
天久 | 役割として任される前に、 まずは生きものとして呼ばれてる。 健康であることは、ほんとうに大事だと思います。 ま、そんなに気をつけてはいないんですけどね。 |
── | 自由業で不自由なことは? |
板尾 | それはやっぱり、カードを作れないことですよね。 |
天久 | (笑)もちろん。 |
板尾 | 自由業はETCも通れないですよ。 |
浜野 | PASMOは大丈夫。チャージだから。 |
天久 | うん。PASMOだけは持っています。 超便利ですよ! |
浜野 | あとはね、自由業は、不動産の審査がたいへんです。 |
天久 | そうそう。 引越しは厳しいです。 |
浜野 | 僕は、そのへん、わりに一生懸命やりました。 「ケーブルテレビに出演してます」って チラシ持ってって。 |
瀧 | 「僕はテレビに出てるほどの、 社会が認めた男です」って。 |
浜野 | そうです。「自称ミュージシャン」じゃない、 ということをアピールしました。 |
── | ほんとうに自由な人とは ちがいますもんね。 |
瀧 | そう。自由業って、自由そうでいいなあ、と 思われがちですけれども、 結局みんな、ちゃんと責任感はあるんです。 ですから、もしも 自由業でやっていきたい人がいるんだったら 自分で何とか役割を持って、やったらいい。 そして野たれ死んだらいい。 |
浜野 | 野たれ死ぬんですね。 |
瀧 | 最後は、責任感に押しつぶされて(笑)。 |
── | 押しつぶされるほど 責任感は湧いてくるようなものですか? |
瀧 | いいえ(笑)。そんなこともありませんが、 でも、そんなようなことなんです、ほんとに。 ところで、「ほぼ日」に届いている質問を 見せてもらってもいいですか? |
── | どうぞ。 |
瀧 | すごい、いっぱい来てるじゃないですか。 |
── | お知らせは、2〜3日しか 出していなかったのですが、 たくさんご質問を寄せていただきました。 読者のみなさん、ありがとうございました。 |
天久 | いろいろ悩んでおられるんですね。 |
いわゆる事務職として働いているのですが、 つまらなくてつまらなくてたまりません。 (f) |
|
板尾 | それは事務職という、 そういう仕事の性質だからでしょう。 「音楽の仕事やってますが、 うるさくてうるさくてしかたありません」 いうてるのと一緒や。 |
瀧 | 俺らだってそうですよ。 「みんなが僕を見るんです」 「視線に耐えられません」 |
浜野 | つらくなったら、 ほんとうにつらいでしょうね。 何千人に見られて。 |
板尾 | みんなにこっち見られてなあ、 ライトを浴びせられて、 笑われたりとかすんねんで。 |
天久 | なんか地獄みたいですね。 |
瀧 | 笑われたり、キャーって言われたり。 怖いよね。 |
板尾 | 怖いよ。カメラ向けられたりとか。 |
天久 | それをフィルムに記録して、 くり返し笑われて。 |
瀧 | 永遠に残され。 |
板尾 | 飽きるまで見られ。 |
天久 | バツゲームじゃないですか(笑)。 |
瀧 | たまんないっす。 |
── | 仕事はそれぞれの性質を持っていて、 つらいと思えばつらい。 |
板尾 | そうですよ。 |
── | いろんな職業を体験してみるのも いいのかもしれませんね。 |
浜野 | 僕は、大学を卒業する前に 阿部サダヲさん、宮崎吐夢さんと 飲む機会がありまして、 「どうやったらおもしろくなれるか」 というような話をしたときに、 「とりあえず就職しろ」と 言われたことがあります。 でも、いまだ就職したことがないんですが(笑)。 |
天久 | 実は僕も、新卒だったら 就職したほうがいいと思いますよ、ほんとうに。 いまの時点での社会の中で 就職口を得ることによって、 自分のポジションがわかるわけです。 これまでの、学歴やら性格やらからはじき出された、 社会での結果が見えるんです。 それが不満だったらやめて、 そこからはじめればいいし。 |
板尾 | そうすると、わかりやすいな。 |
瀧 | 板尾さんも、いちど 入社しそうになったわけですからね。 |
── | みなさん、そろそろおしまいの時間がきました。 この「ザ・グレート・フリー」は、 はじまるまでいったいどんなお話になるのか まったくわからなかったのですが、 貴重なお話をほんとうにありがとうございました。 「偉大な無職」のみなさん4人で 写真を撮りたいと思います。 |
瀧 | (立ち上がりながら) ねえ、これ、ためになったのかな? |
板尾 | いや、ホンマに。 俺らのアドバイスって ためになるのかな?。 逆にややこしいだけちゃう? |
瀧 | 惑わすだけかな、と思ったり。 どうだっただろうね? これで「ザ・グレート・フリー」座談会は おしまいです。 みなさま、もしよろしければ、 感想のメールなど、 postman@1101.comまでお送りください。 『「ほぼ日」の就職論。』は、まだつづきます。 次の企画をどうぞたのしみにお待ちくださいね。 |