episode9. みなさんのおすすめ、一挙紹介。
ほぼ日
最後に、この記事を読んで、
海外ドラマをぜんぜん見てなかった人に、
「まずこれから見たら?」っていう、
それぞれのおすすめを、
ひとつずつ教えていただけますか?
杉本
うーん‥‥ひとつですか。
あぁ、それは悩みますね‥‥
うーん‥‥。
一同
(笑)
ジョージ
オカマらしく言えば、
『グリー』って、いいんじゃない?
歌だから入りやすいと思うのね。
原園
オカマらしく言えば(笑)。
杉山
たしかに『グリー』、いい気がします。
glee/グリー(2009-2015、全6シーズン)

オハイオ州のマッキンリー高校の
負け犬たちの巣窟「グリー部(合唱部)」。
新しく顧問になったウィル・シュースターは、
チアリーディング部の顧問の
スー・シルベスターから妨害を受けながらも、
個性あふれる生徒たちとともに
全米一のグリー部を目指して奮闘する。
1話につき4~6曲ほど演じられる
非常にレベルの高い楽曲(名曲のカバーが多い)と
パフォーマンスにも人気がある。
劇中の歌を収録したサウンドトラックは、
3作品連続で全米アルバム・チャートで1位になった。
ジョージ
ぜひ、乙女の心で見てほしいわ。
すごくいいのよ。
とうとう3月に終わっちゃったけど。
杉本
『グリー』は歌がいいですよね。
ほんとうに歌がとびぬけてうまい
俳優ばかりが集まってます。
そして、曲はいろんな名曲のカバーなんだけど、
そのアレンジのクオリティまで、すごく高いんです。
いまはカラオケでもいろんな曲の
「グリーバージョン」があるくらいですから。
ジョージ
特にはじめの頃のシーズンは、
みんなが知ってる歌がどんどん登場するの。
あと、ブリトニー・スピアーズとか、
『セックス・アンド・ザ・シティ』の
サラ・ジェシカ・パーカーが、
ゲスト出演したりとか!
杉山
そして、ストーリーもいいですよ。
主軸になっているメッセージは
「ドント・ストップ・ビリービング」
(信じることをやめないで)なんです。
ジョージ
そう! ストーリーもすごく素敵。
要は、みんなから仲間はずれになってる人たちが
一所懸命がんばって、
歌の力でみんなを見返そうとする話なの。
だけど、見返したと思ったらそうじゃなくて
‥‥みたいなね。
そんな、人生すごろくみたいな話だから。
ほぼ日
そういえば『グリー』は若者向けですけど、
けっこう「Hulu」を見てると、
案外子ども向けのものもありますよね。
『グリム』とか、『ウェアハウス』とか。
ジョージ
『ウェアハウス』、おもしろいよ。
ただ海外ドラマって、
完全に家族向けかというと、
そこは一概には言えない印象よね。
『ユーリカ(Eureka)』もそうだし。
GRIMM/グリム(2011-現在。シーズン4が最新)

サスペンスファンタジー・刑事ドラマ。
ポートランド市警察殺人課の刑事ニックは
人間にまぎれて存在する魔物
「ヴェッセン」を狩る
「グリム一族」の末裔である。
刑事として、相棒のハンクとともに
難事件を解決しながら
狼型ヴェッセンのモンローを裏の相棒に、
みずからの能力を駆使し、
魔物たちと対峙していく。
童話本来が持つダークでグロテスクな要素に
アクションとユーモアを加えた
大人向けとも言える内容。
ウェアハウス13 (2009-2014、全5シーズン)アメリカ合衆国シークレットサービスのピートとマイカは、とつぜん「国家の安全のため」という理由で異動命令を受け、ワシントンDCから僻地のサウスダコタへ飛ばされる。左遷と思っていたふたりを待っていたのは、荒れ果てた土地にそびえ立つ巨大な「第13倉庫(ウェアハウス13)」。そこは、超常現象を呼び起こすさまざまな人工遺物を政府が極秘で管理している場所だった。世界に散らばる「極秘収集物」をひそかに回収し、完全に倉庫に収納すること。それが、ふたりに与えられた任務であった。
ユーリカ~地図にない街~(2006-2012、全5シーズン)

アメリカの田舎にある「ユーリカ」は、
アメリカの過去50年の主だった技術革新を作ってきた
「グローバル・ダイナミクス研究所」の
研究者とその家族が住民のほとんどを占める街。
研究所は政府により極秘とされており、
そのため、ユーリカ自体も
地図にのらない街となっている。
ある日、保安官のジャック・カーターは、
家出娘のゾーイを移送途中に、ユーリカに迷い込む。
数日間の滞在のあいだに、街の異常事態を
見事に解決したジャックは、
ユーリカ保安官事務所への転属が命じられ、
街での不思議な暮らしがはじまった。
原園
海外ドラマに関しては、
完全に子どもだけがターゲットの
作品は、あまりない気がします。
Huluにあるものの場合だと、
完全に子ども向けは『妖怪ウォッチ』などの
日本のアニメくらいかもしれません。
ほぼ日
あ、そうなんですか。
原園
海外ドラマは、顔つきは子ども向けだけど
全世代が楽しめるものがけっこう多いんです。
たとえば、最近
『それいけ! ゴールドバーグ家』という
シットコム(シチュエーションコメディ)が
出てきたんですけど、
それは大人が見ても、おもしろいんです。
それいけ! ゴールドバーグ家(2013-現在。シーズン2が最新)

懐かしい’80年代が舞台のホームコメディ。
おちゃめでにぎやか、個性的すぎるメンバーのそろった
ゴールドバーグ一家のたのしい日常を描いたシットコム。
実際に存在するゴールドバーグ家の末っ子アダムが
自身の子供時代を描いた実話をもとにしたもので、
家族愛がテーマの、観ながらときに涙のにじむ、
笑って泣けるコメディドラマ。
シットコムながら、観客の笑い声の入らない、
いまどきならではのタイプの作品。
杉本
NHKでやってた『フルハウス』的な?
原園
そうですね、近いと思います。
杉本
初めての人へのおすすめですけど、
ぼく自身は、自分が
『フルハウス』から入ったから
シチュエーションコメディの
「シットコム」というジャンルのものが
おすすめなんですけど‥‥。
個人的には、
海外ドラマの世界の入口といえば
『フルハウス』でしょ、みたいな感覚があります。
杉山
そうなんですか。
フルハウス(1987-1995、全8シーズン)

妻を事故で亡くしたダニーが、
義弟のジェシーと親友ジョーイに助けられながら
3人の娘の子育てに奮闘するシットコム。
家族の絆や友情がテーマになっているほか、
児童虐待、喫煙、飲酒、性、死などの問題を扱う
エピソードもある。
出演者同士の仲がとても良いことでも有名。
杉本
でも、ちょっと古すぎるかもしれないですし、
女の子だったら『ゴシップガール』とか
『私はラブ・リーガル』とか『ニューガール』とか。
ああいうのはちょっとおしゃれな女の子が
見てもおもしろいと思います。
ジョージ
うん、女の子だったら
『ゴシップガール』とか、きっと入りやすいよね。
ニューヨークのセレブな高校生たちのお話。
ゴシップガール(2007-2012、全6シーズン)

ニューヨーク・マンハッタンで最もリッチな地区
アッパーイーストサイドを舞台に、
ウワサ好きの若者たちの間で注目の的となる
名門の私立高校に通う“ヤング・セレブ”の
高校生たちの生活を描く。
大人顔負けの恋愛模様と、
洗練されたライフスタイルやファッションが
ティーンや女性層を中心に大ヒット。
アメリカ版のiTunesストアでは2008年、
最もダウンロードされたTVシリーズになった。
私はラブ・リーガル(2009-2014、全6シーズン)

モデル志望で、頭の中はファッションでいっぱいの
ブロンド美人のデビーは交通事故に遭い、
魂が天国の入り口にやってくる。
死にたくない彼女の魂は、何の因果か
亡くなったばかりの容姿はさえないが
頭脳明晰で心優しい女性弁護士、
ジェーンの肉体に入ってしまう。
デビーは慣れない身体にとまどいながらも、
残っていたジェーンの知性と記憶を武器に、
法廷で大活躍。
いつしか外見とは裏腹に
キュートな魅力が輝きはじめる。
ニューガール─ダサかわ女子と三銃士 【ロゴ:New Girl】
(2011-現在。シーズン5が最新)

同棲していた彼氏の浮気現場を目撃したことで、
引っ越すことにした学校教師のジェス。
ジェスの勘違いで、新しく暮らすことになったのは、
3人の独身男性たちの部屋。
振られたばかりで最初は傷心のジェスだったが、
個性的なルームメイトたちとの生活に
次第にじぶんの新しい居場所を見つけていく。
天真爛漫でおちゃめ、歌が大好きなジェスの
魅力的で愛らしいキャラクターや、
かわいらしいファッションにも人気がある。
杉本
そして骨太に行きたかったら、
これまで出た『ハウス・オブ・カード』や、
『ブレイキング・バッド』やら。
それこそ『ザ・ブック』も楽しい。
ああ、『ホームランド』もいいですしねぇ‥‥。
なんかね、いっぱいあるなぁ。
杉山
ぜんぜん決められてないですね(笑)。
ジョージ
だからまず、動画サービスを使って、
片っ端から見るのはありだと思う。
ランキングで順位の高いものから見ても
きっといいんじゃない?
杉本
あ、みんなに人気のものを
とりあえず見てみるの、いいですね。
すると『ウォーキング・デッド』から
入る人もいるでしょうし。
杉山
「試し見」いいですよね。
たくさん試し見、すごくいいと思います。
1話見れば、合う合わないがわかるので。
杉本
そうですよね。
1話を40分くらいで見ることができるし、
CMもないし。
ジョージ
あとね、たまたま見たドラマが合わなくても
ぜんぜーん気にしないほうがいいの。
たくさんあるから、
好きなものは必ずあるハズだから。
もし40分が長すぎるなら、
とりあえず最初の10分だけでも
見てみればいいから(笑)。
ほぼ日
原園さん、杉山さんのおすすめは、
なんですか?
原園
‥‥ぼくはすでにこれまで
さんざん喋っちゃいましたけど、
やっぱり『ブレイキング・バッド』ですね。
全62話の、横綱級の物語ですけど、
あれでおもしろさを知っちゃったら、
もうなんでもいける気がします。
杉山
実はわたしも、被っちゃいますけど
『ブレイキング・バッド』なんです。
わたし自身、初めて最初から最後まで見て
海外ドラマのおもしろさを
教えてもらった作品なんです。
‥‥あ、
『セックス・アンド・ザ・シティ』も
その前に全話見たかな(笑)。
一同
(笑)
セックス・アンド・ザ・シティ(1998-2003、全6シーズン)

コラムニストのキャリー・ブラッドショーを中心に
ニューヨークに住む30代独身女性4人の
恋愛模様や友情を描いた名作。
その人気は社会現象となり、
放送終了後も世界中で幾度となく再放送されている。
女性を中心に根強いファンを持ち、
テレビシリーズ終了後も、2008年と2010年に
それぞれ映画『セックス・アンド・ザ・シティ』が、
『セックス・アンド・ザ・シティ2』が公開された。
杉山
まぁ、『セックス・アンド・ザ・シティ』も
おもしろいんですけれども、
あれは1エピソードだけ見てもおもしろい話。
だけど『ブレイキング・バッド』は、
ほんとうに物語の完成度がすごくて、
原園さんが最初おっしゃってたように、
長編小説のようにたのしめるものなんです。
この楽しみ方は海外ドラマならではなので、
わたしもこれに一票かな、と。
ジョージ
ボク、いちど『ブレイキング・バッド』を
一話分を飛ばして見たときがあったけど、
ものすごくショックだったよ。
「だめだ! もう忘れよう!」って。
そのくらい連続性がある話なんだよ。
杉本
それはつらいですね。
原園
忘れるしかない。
ほぼ日
みんな共通してわかる感じなんですね(笑)。
‥‥じゃあ、全体的な意見としては
まずおすすめするのによさそうなのは、
やっぱり『ブレイキング・バッド』ですか?
一同
(うなずく)
ジョージ
『セックス・アンド・ザ・シティ』とかって
いつかニューヨークに行ったら
役に立つかな、とか思って見るじゃない?
だけど『ブレイキング・バッド』って、
もう、絶対役に立たないの!
これ役に立つ人がいたら、おかしいから。
原園
ドラッグのあとは横向きで寝たほうがいいとか、
リシンという毒がすごいとか、
そういう変な知識しか身につかない。
杉本
たしかに(笑)。
ジョージ
そう!
なのに、こんなにハマれるっていうのは、
‥‥たぶん本物よ。
一同
(笑)
ほぼ日
今日はみなさん、
ほんとうにありがとうございました。
とてもおもしろかったです。
一同
ありがとうございました。
(みなさんのお話はこれでおしまいです。
お読みくださって、ありがとうございました!)
うれしいことに、連載開始とともに、
たくさんのかたによるおすすめ海外ドラマ情報が
ぞくぞくとメールで届いています。
そこで、突然ながらみなさんからのメールを
一部ご紹介させていただくことにしました。
担当は「ほぼ日」の海外ドラマファンの
モギ&田中です。
コンテンツをお読みいただきまして、
ありがとうございました!
ありがとうございました!
「一言でもいろんなドラマの紹介が読みたい」
というメールをいただいたので、
さいごに、たくさんの方からいただいた
メールをすこしずつご紹介します。
いただいたメール、わたしたちもたくさん
参考にさせてもらっています。
「次になに見ようかな」と迷えるのって、
海外ドラマの嬉しいところですね。
みなさん、ありがとうございました!
私のオススメは英国ミステリーです。
『シャーロック』や『名探偵ポワロ』など
有名作品は多々ありますが、
私のお気に入りは
『オックスフォードミステリー ルイス警部』です。
イギリスの国民的人気ドラマ
『主任警部モース』のスピンオフで、
部下だったルイスが主人公です。
ミステリーとしてはもちろん、
オックスフォード観光も楽しめるし、
ルイスと部下・ハサウェイのコンビも楽しい。
正統派の上質なミステリーで、
さすが英国って感じです。
(くまくま)
今面白いとなると『ハンニバル』でしょうか。
北欧の至宝のマッツ・ミケルセンの
本当に人肉を食してそうな演技が素晴らしいです。
(bun)
わたしも海外ドラマ、大好きです。
『24』にハマったときは
24時間連続視聴にチャレンジし、
案の定、熱を出しました。
(きりたに)
おすすめは『シャーロック』です。
シーズン1では現代にもってくると
ホームズこうなるかー、面白いなあ、
くらいの興味でした。
が! そこからのシーズン2、
特にラストエピソード3話で
がっつりはまってしまいました!
有名な滝落ち、わかっちゃいるけど
もう、もう‥‥やきもきしまくり。
そして、待ちに待っての
シーズン3だったわけですが
見事に応えてくれました。
そして、ここは声を大にして言いたいっ!
面白いので、是非いろんな人に観て欲しい!
(多美枝)                       
最近好きだったドラマ‥‥『Chuck』ですよ。
友人が(容姿も含めて)チャックにそっくりで、
ドラマを見続けるうちに恋してしまいました。
ま、ドラマを見終わったら恋も終わったけど。
(おかみつ)
嫁さんがはまっているのが『グレイズアナトミー』。
研修医が医者に成長していく過程を、
尊厳死、諸依存性、同性愛など、
多様なトピックスを織り混ぜながら、
悲喜こもごも描いています。
見事な伏線に、好いた晴れたが重なり、
めくるめく展開があります。
嫁さんもいろいろ見ては、
「やはりグレイズが安定している」と言って、
ずっと継続的に見ています。
(嫁さんがドラマ好き)
私のお勧めは、何といっても
ミステリーコメディの『名探偵モンク』です。
探偵のモンクは
色々なこだわりから抜け出せないけれど、
他人は気づかない察知能力で
犯人を割り出していくストーリーが
とてもおもしろいです。
なんでも、三谷幸喜さんも大好きだそうですよ。
(yoshida)
アメリカ東海岸在住で、
Huluには大変お世話になっています。
『Mad Men』をお勧めさせてください。
戦後急成長するアメリカの広告業界で働く男達と、
彼らを取り巻く、
急激に女性の社会的地位が変わりゆく
アメリカに生きた女達のお話です。
今シーズン(第7シーズン)で幕を閉じたんですが、
ここ7年間アメリカ中で
もの凄い人気のあったドラマです。
登場人物も脚本ももちろん素晴らしいのですが、
時代背景的に衣装や家具なんかが
最高に素敵なんです!
このドラマが始まってから、
アメリカではちょっとした
50sブームが巻き起こったほど。
男性はどこに行くのも帽子をかぶり、
女性は手袋をしてハイヒールを履いてた時代。
ストーリー以外にも
見所盛りだくさんなドラマです。
(とみこ)
『Good Wife』、ハマりました。
法廷ドラマですが、主人公の家庭の問題だったり、
夫の知事選の舞台裏だったり、子供や姑との問題など、
今のアメリカが見えてくるような面白さがあります。
そして何より、本物の民主党員が
そのままの役名で出演していたり、
すごくリアルな内容で、
大人が楽しめる作品だと思います。
(おばる)
今私がはまっているのは『CASTLE』です。
作家のキャッスルが、美人警部のベケットと
殺人事件をサクサクと解決していくところが
気持ちいい!
ユーモアあり、家族愛、恋愛ありで
ストーリー展開が飽きません。
また、ベケット役の女優さんがとても美人なので、
彼女の立ち回りを観察するのも面白いです。
(Maki)
刑事もので『リゾーリ&アイルズ』が面白いです。
女性刑事と女性検視官のコンビが
事件解決に挑むストーリー。
男勝りの刑事と、
頭は良いのだけれどどこか抜けてる女医さんの
正反対な性格の二人のやり取りがサイコーに笑えます。
(チャーリー)
ホームドラマの『シェイムレス』が大好き!
時に犯罪行為にまで及んでたくましく生きる
ギャラガー家の子供達。
ネグレクトにあって悲惨な環境なんだけど、
強さとブラックユーモア、
そしてなにより兄弟達の愛にあふれた物語に
惹き込まれます!
(ima)
この企画、わくわくしちゃいます。
私は『CSIマイアミ』で
海外ドラマが好きになりました。
もともと元祖CSIが面白かったのですが、
マイアミの派手な感じ。
ホレイショの渋さにクラクラ。笑
というわけで、派手なだけにお金もかかって
一番早く打ち切られたとはいえ
10シーズン以上続いたのはすごいことなのだと、
今回読んでわかりました。
『NCSI』より私は『CSI』派です。
あと、『BONES』も好きです!
(うさこ)
『デクスター 警察官は殺人鬼』を
オススメしたいです。
血痕鑑識官として働く青年が、
実は殺人衝動をおさえられないシリアルキラーで
義父の教えに従いその衝動を
凶悪犯にのみ向け次々と殺害してゆく、というお話。
異端として産まれてしまった者が
社会とどう折り合って生きるのか、
というテーマの深遠さと
悪をガンガン殺してゆくダークヒーロー的な展開が
いい感じにミックスされ、何とも深くて爽快な
エンターテイメントになっております。
(きみえ)
『glee』を見終わって(今更ですけど)、
次に何みようかな~と思っていたときにこの連載!
ありがとうございます!
海外ドラマは
『セックス・アンド・ザ・シティ』から入り、
『gosship girl』にどはまりしてました。
最後は伸ばし過ぎたのか、
無理やり広げてまとめた感があるけど、
それでもずっとセリーナとブレアと
オシャレな生活を見ていたかった!
また面白いドラマに出会いたいです~。
(Misaki)
歳を重ねてきてふと考えると、
人として大切な事は、みんな、
『大草原の小さな家』から学んだように思います。
あのドラマをみていなかったら、
私はろくな人間にならなかったかもしれません。
(mikkam)
浅生鴨さん(元NHK_PR1号)の
とつぜん海外ドラマコラム
「クチバシはさんで、すみません。」

連載がはじまってすぐのタイミングで
『元NHK_PR1号で作家の
 浅生鴨(あそうかも)さんは
 けっこうな海外ドラマ好きらしい』
というウワサを聞きました。
「何か書いてもらえませんか?」と
無茶ぶりのお願いをしてみたところ、
たっぷり7000字の原稿が!
北欧やイギリスものを中心に
ぼくらの知らなかったドラマ情報満載。
全4回でお届けします。
第4回 海外ドラマのマニアにとって、もうたいへん危険な状況なのです。

映画スターがバンバン出演しているのも
最近の海外テレビシリーズの特徴かもしれません。
『ブラック・リスト』の主演は
ジェームス・スペイダーだし、
『レバレッジ』はティモシー・ハットンです。
カンヌやアカデミーに絡む俳優が
テレビドラマに出ているわけで、
今のテレビシリーズの予算規模というか、
もう映画とテレビの境目は無くなっているのだな
ということがよくわかります。
そしてやっぱり、こういう俳優って
超絶にうまいんですよね、お芝居が。

あ、たぶんいろんな人が勧めるはずの
『ハウス・オブ・カード』もかなり好きです。
こちらは映画とテレビの境目どころか、
最初からネット配信用に作られたドラマですから、
もっと先に行ってるわけですね。

これはですね、
主人公役のケビン・スペイシーもいいんだけれども、
何と言っても妻役のロビン・ライトが
とんでもない演技を見せているんですよ。
もう誰がどう見ても完全にマクベス夫人です。
怖いです。
シェイクスピアを意識しているのだろうなという
セリフもたくさん出てくるし、
これってアメリカのドラマなのに
どうもイギリスっぽいなと思っていたら、
もともとイギリスのドラマを
リメイクしたものなんですね。

念のために元のイギリス版も見たんですけれども、
先に超シリアスなアメリカ版を
見てしまっているせいか、
どうも俳優の動き方もセリフも、
どことなくコメディタッチになっていて、
思わず噴き出してしまいました。
カメラに視線を送る、
いわゆる「アルフィー演出」は、
イギリス版にも入っていたので、
これはケビン版のオリジナルじゃなさそう。
でも、ケビンの目力すごいです。

ちょっと軽めのものもご紹介しておきましょう。
『SUITS/スーツ』は、ひょんなことから
弁護士事務所で働くことになる若者
(演じているのはパトリック・J・アダムス)
を主人公にして、
物語がスタートしているんですが、
話が進んでいくうちに
彼のパートナーとなる弁護士
(ガブリエル・マクト)が、
だんだんと主役になってくる感じで、
キャラクターの存在感が逆転していきます。
とは言いつつも、パトリック・J・アダムスは
この作品で高評価を得ているので、
決して後ろに引っ込んでいるわけじゃ
ないんですけどね。
何よりも登場人物が着ている
超高級スーツがかっこよくて、
会話がスタイリッシュで、
僕もこんなスーツを着てさっそうと
仕事に行きたいと思っていました。
これを見ている間だけは。

出てくるキャラクターも全員個性的で、
個人的にはルイスが好きです。
彼の出てくるシーンは完全にコメディです。

コメディと言えば『ハイっ、こちらIT課!』
忘れてはいけませんね。
この人たち、完全にバカです。
あとはサイモン・ペッグの一連のシリーズですね。
昔流行った『フレンズ』のような
シチュエーション・コメディが好きだった人には
『ビッグバン・セオリー』が、
案外楽しめるかも知れません。

いやもう、海外ドラマの話を始めると、
いつまでたっても終わらないから、
あえて北欧とイギリスものに限定しようと
思ったのですが、
それだけでもものすごい量になってしまうんですよね。
まだまだ書きたいものがたくさんあるところを
泣く泣く削って、
それなのにやっぱりアメリカのドラマのことも
たくさん書いてしまいました。
でも、超能力ものとか宇宙人ものとか、
さすがにそこまで入れられません。
申しわけない。

とにかく海外ドラマのマニアは今、
おおごとになっているんです。
これまでなかなか見る機会のなかったものが
インターネット配信で
いつでも見られるようになってしまって、
これはもうたいへん危険な状況なのです。

いったい僕たちはどれだけ見ればいいのか、
寝る時間がなくなってしまうんじゃないか、
原稿なんか書いている暇はないじゃないかと。
しかも、この秋からは、
さらに新しい配信サービスが
やってくる
そうじゃないですか。
僕は頭を抱えているところなのです。


(『いま、海外ドラマがすごくおもしろいので。』は
 こちらでおしまいです。
 お読みいただき、ありがとうございました)

◎『ブラック・リスト』
(2013年~)

FBI最重要指名手配犯がFBI本部にみずから投降、「世界中の犯罪者の情報を集めた“ブラックリスト”を提供する」という。大胆な設定からはじまるサスペンスアクション。

◎『レバレッジ』
(2008~2012年)

勤めていた保険会社から治療費の支払いを拒否され一人息子を亡くしたネイサンが、自分と同じく悪徳権力者から酷い仕打ちを受けた人々を救うため、詐欺師たちと会社を立ち上げ報復する痛快アクションドラマ。

◎『ハウス・オブ・カード』
(2013年~)

下院議員のフランクがホワイトハウス入りを目指し、手段を選ばず権力の階段を上っていく様子を描いた政治ドラマ(座談会のepisode4参照)

◎マクベス夫人

シェイクスピアの戯曲『マクベス』に登場するマクベスの妻。野心と実行力を兼ね備え、夫・マクベスを国王の座につけるべく夫を叱咤して悪行を重ねさせる人物。












◎「アルフィー演出」

1996年の映画「アルフィー(Alfie)」で主人公のアルフィーが観客にカメラ目線で恋愛論の薀蓄を語り聞かせるような演出のこと。

◎『SUITS/スーツ』
ニューヨークの大手法律事務所を舞台に、若き敏腕弁護士と天才的な頭脳を持つ青年がタッグを組み、様々な訴訟へと果敢に挑んでいく物語。

























◎『ハイっ、こちらIT課!』
(2006年~)

大企業レイノム社の地下にあるお荷物部署「IT課」で、自由気ままにすごしてきたオタク社員2人と、赴任してきた女性マネージャーを中心にくりひろげられるコメディドラマ。

◎サイモン・ペッグの一連のシリーズ
『ラン・ファットボーイ・ラン─走れメタボ』『バーク・アンド・ヘア』『ワールズ・エンド─酔っぱらいが世界を救う!』『宇宙人ポール』『ホットファズ』など。

◎『ビッグバン・セオリー』
同じ部屋に住む頭脳明晰な物理学者コンビとその友達の仲良しオタク男子4人組と、個性的な女の子3人組が繰り広げる大ヒットラブ・コメディ。

















◎さらに新しい配信サービスがやってくる

アメリカ発、世界最大のストリーミング映像配信会社「Netflix(ネットフリックス)」が、2015年秋日本市場に参入予定。

2015-06-19-FRI