第2回 江戸庶民が歌舞伎を観たときの衝撃と同じかも!
やえ
舞台って、本当に舞台にいる全員が、
主役も脇役もちゃんと動いて、
ちゃんと芝居をしていることが、
こうして映像になったときに
とてもよくわかりますよね。
主人公がアップになっている後ろで
映っている人たちまでもが、
すごくイキイキしているんですよね。
どんなにアップになっても大丈夫、
気を抜いてないの。
それが観られてうれしかった。
逆に言うとね、
ストレスが1個だけあったのは、
芝居とかを見ていると、
舞台全体というよりもその人だけを見たいという、
そういうミーハー心があるんだけど、
贔屓の人だけを見ていられるわけじゃないのね、
って(笑)。
シェフ
「そのとき染さまはどうなってるのよ」
ってこと?
やえ
そうそうそう(笑)!
そこがちょっと舞台との違いなのかな。
これまで舞台は舞台だけしか
見たことがなかったし、
映画は映画でしか見たことがないから、
舞台を見るときと映画を見るときの自分の違いって
認識したことがなかったんです。
でもこれ見たときに、
「あ、私は舞台をこうやって見ていて、
 映画をこう見てるんだ」ってすごいわかって、
それがすごく面白かった。



ナカバヤシ
私、ほとんど演劇的なものは
あまり見たことなくて、友達に誘われれば、
よくわかんないけど行くっていうのを
1回とか2回とかそんなぐらいなんです。
で、今回「朧」をゲキ×シネで観て
一番ビックリしたのは、
市川染五郎さんのこういうの(見得を切る)
あるじゃないですか(笑)。
シェフ
花道でね。
ナカバヤシ
そうそうそうそう。
見得ってこんなに勢いがあるんだっていうことを、
生じゃないんだけれどもリアリティをもって
感じたのはこれが初めてだった。
シェフ
おう。
ナカバヤシ
で、そういうのを、演劇を知ってる人がいて
話してくれることももちろんあるんだけれども、
いきなりやっぱり歌舞伎に連れていくとかって、
ちょっとハードルが高いじゃないですか。
やえ
高い高い。
ナカバヤシ
そのときに、
「こういう面白いのがあるんだよ。
 まずこれ見てみる?」っていうのには、
自分がそういうのに興味持つほうかどうかを
測るうえでも、すごくいいなと思って。
それこそお芝居観たことがあまりない人は、
1回ちょっと見てみるぐらいの気持ちで観たら
すごく楽しめると思う。
シェフ
お芝居を見慣れてる側から言うと、
映画なのに、花道が映ったり、
お客さんが映ったり、
照明が映ったりするのは平気だった?
やえ
あ、全然平気! ていうか逆に、
すごいそれこそテレビの劇場中継だと、
淡々としてるじゃないですか。
熱気とか緊張感がないですよね。
でもこれはすごい熱気と緊張感で、
映像で熱気と緊張感と一体感が
保たれてることがすごくて。
だから客席にいる感じがしてよかった。



モギ
この「ゲキ×シネ 朧の森に棲む鬼」は
確か15台のカメラを使ってるんですよね。
シェフ
そう! デジタルシネマカメラ15台なんですよ。
これ、とんでもないことなんですよ。
で、上映もデジタルなんです。
こういうの日本にあまりないんですってね。
編集も8か月ぐらいかかってるんだって。
やえ
けど、けど、撮影や編集の大変さを
感じさせないですよね。
それがすごいなと思って。
スガノ
多分、賛否両論あると思うんです。
お芝居は定点で観るべし、
という美学って多分あると思うんで。
でもね、私はもう全然、今回の演出、
ものすごいカット割りだとか、
やっぱりすごくいい。自然に入ってくるし。
シェフ
定点カメラがいけないってことじゃないんだよね。
昔、オンシアター自由劇場が
吉田日出子さん主演の「上海バンスキング」を
串田和美さん監督で
映画にしたことがあるんだけど。
スガノ
深作欣二監督で松坂慶子主演のじゃなくて?
シェフ
ちがうんだよ、吉田日出子さんのがあってね、
これが、あえて、定点カメラだったんだよ。
それは舞台を映像で撮ったんじゃなくて、
定点の映画をつくったってこと。
舞台を見るように映画を見る。
それはそれでね、とってもよくって、
名作だと僕は思っているんだ。
で、「朧の森に棲む鬼」は真逆なんだけど、
でも、どちらもいいんだ。
そもそも、物語がものすごく面白い、
というのが重要なのかもしれないよ。
モギ
劇団☆新感線のお芝居は、そうなの、
とっても面白いの。
お芝居って、あとで考えさせられたりとか、
ちょっと暗めだったりしたりとか、
いろいろあるけれど、
劇団☆新感線は明るいお芝居というかね、
たとえ暗い話であっても、
見終わったあとに、「あー、面白かった!」
っていう感想が残るっていうかね、
重いものを引きずらないで済むのね。
「朧」もコメディではないし、
ストーリーはけっして明るくはないわけじゃない。
シェフ
暗い話だよね(笑)。
やえ
怖いよね、最後ね。
ナカバヤシ
人いっぱい死ぬしね(笑)。
モギ
そうそうそうそう。でも、感想は
「面白かった〜!」なのね。
その、何て言うの、
活劇感みたいなのがあって。
ちゃんちゃんばらばら、な。
やえ
ああ、あった、あった。
モギ
多分、なんだけど、
今、古典の歌舞伎になっちゃってるものって
あまり自分にアピールしないなと思うんだけど、
もし私が江戸時代に生きていたら、
違ったと思うのね。
「朧」を観た感じが、江戸庶民にとっての
歌舞伎だったのかもしれないなあと思って。
「いのうえ歌舞伎」って呼ばれているしね。
シェフ
そう、歌舞伎なんだよね。
モギ
現代歌舞伎。
殺陣(たて)のときに
すごい音がするとかっていうのとかも
多分そういうことなんだろうなと。
ナカバヤシ
殺陣、すごいうまかったですね!
シェフ
あれね、舞台でも、殺陣と効果音が
合ってるの。すごいんだよ。
「ヒュイン!」「カチン!」
「キンコンカン!」「バサッ!」
ぜんぶ、完璧に合ってる。
なんこ
でも、音効の人、2人しかいないみたいよ!
クレジットをよむと。
ナカバヤシ
どうやってるんだろう!
なんこ
わからない!
シェフ
わかんないんだよ〜。
ナカバヤシ
言えるのは、役者もスタッフも
「みんながものすごい努力をしている」
ってことですよね。
シェフ
うん。それに、役者さんが、
もちろん染五郎さんは別格だけれど、
若手の役者さんたちまでもがみんな
殺陣がうまいっていうのはすごいことですよね。



(つづきます!)
   
 
2007-09-18-TUE

前へ 最新のページ 次へ

今回の感激団メンバー
シェフ モギ やえ
スガノ ナカバヤシ べっかむ3
なんこ    





感激団による
「朧の森に棲む鬼」のあらすじ
 
くわしくは、こちら

今回の感激団メンバー
日程:2007年9月28日(金)
時間:19時開場
   19時30分開演
上映時間:177分
     途中15分間休憩あり
終演予定時間:22時45分
会場:富士ソフト
   アキバシアター
くわしくは、こちら

ゲキ×シネ「朧の森に棲む鬼」公式サイト
ゲキ×シネ 公式サイト
劇団☆新感線official site