第3回 自分の目が15台のカメラになって。
シェフ
僕、劇団☆新感線って、不勉強ながら、
小劇団だという印象がすごくあったんです。
そこから出たスターが、羽野晶紀さんだとか
渡辺いっけいさんだとか筧利夫さんだとか。
いまは古田新太さんがその筆頭だけど、
そういうことは知ってたのに、
舞台がこんなにものすごいだなんて!
もっと手作り感満載のものかと思っていた。
でも違ったんだよー。
殺陣ひとつにしても、
効果音と完璧に合うでしょう。
ナカバヤシ
別の人たちが会話してるところの
横で、染五郎さんが殺陣をやる、
二重になったシーンがあって、
すごいお得! って(笑)。
シェフ
そうそう。あまり詳しく言えないけど
ある人の夢の中に、
染五郎さん演じる「ライ」が
戦うシーンが出てくる、っていう、
ちょっと複雑な構成があるんですよね。
これね、映画的なんだけど、
舞台でもそういう表現があったんです。
その殺陣のシーンが、ちっちゃい音だけど、
ちゃんと効果音つきなんだよね。
あれも見事だったね。
モギ
ふつう舞台だと、
そういう回想シーンが出てくると
場面って転換しちゃうでしょう。
シェフ
そうかも。だから、そもそも
映画的な舞台でもあったのかもしれない。
モギ
というので、だからこっちの
「ゲキ×シネ」にしたときに
よく合うっていうことも
あるのかもしれないですね。


なんこ
ラストシーンの場面転換もすごくて。
舞台を観ていたとき、見逃していたものが
よく見えましたね。
モギ
それがちゃんとわかって
うれしかった(笑)。
シェフ
自分の目が15台のカメラになって
自在に駆け巡っている感じってことだよね。
目が自由。飛び回ってる。
スガノ
見たいものが見れる(笑)。
シェフ
すっごい近くまで行って‥‥。
やえ
行く行く。
モギ
汗も見える。
やえ
すっごく印象的だった、汗が。
シェフ
染五郎さんの演技をアップで観て、
「写楽だ!」って思ったんだ。
江戸時代の浮世絵、役者絵って、
デフォルメじゃなくて、
本当の描写だったんだとわかりました。
一同
ああ!
シェフ
歌舞伎役者というのはこういうものだっていうのを
脈々とつないでいるんだ、
っていうのを染五郎さんの演技のアップで
知った感じ!
なんこ
そうね、確かに。
やえ
ディティール好きなので、
メイクと衣装のこのすごさで、
しかもアップで見られるから、もうねえ、
人がこうフッと回った瞬間に
布がフワーッと流れるところとか、
マントがたなびくところとか‥‥
なんこ
カッコいいですね。
やえ
もう、もう、ウーッ! って
思いながら見てました。


ナカバヤシ
私は舞台ビギナーなもので、
お化粧っていうのは
一瞬のあいだに変えてくるわけですか。
それともあれは映画になった時点で
編集した結果なのかしら。
シェフ
あ、舞台でも、早替えをしてたよ。
この映画、舞台の時間軸、そのままなんで、
そういう編集はしてないはずなんだ。
早替えは歌舞伎の伝統で、
もう勘三郎さんなんかも
それはそれは見事なんだけど、
コクーン歌舞伎の「東海道四谷怪談」でね、
1回水にジャボンと浸かって、
すぐ、と思うくらいの時間で出てきたら、
もう乾いてて違う人になってたりするんですよ。
なんこ
えぇー!
モギ
どうなってるのかわからないですね。
シェフ
わかんないんだよ。
なんこ
すごーい。
ナカバヤシ
私、映像から見たから、
編集かと思ってました!
それは一切ないんですよね。
ノーカットってことなんですか。
シェフ
ほぼ、舞台のまんまだと聞いたよ。
ある日の公演を、昼の回と夜の回を
それぞれ15台のデジタルシネマカメラを使って
通しで撮影しておくんだって。
で、舞台って生き物だから、
完璧に同じふうにはならないでしょう。
劇団☆新感線は背景につねに音楽が流れてるので、
台詞のタイミングと音楽のタイミング、
ということだけでも、かわってくるし。
どうしようもない間違い、みたいなこと以外は、
ある日のある舞台、そのまんま、だそうです。
それに、「ここの演技は昼のほうがよかった」
みたいな拾いかたをすると、
全体がちぐはぐになっちゃうそうなんです。
そこが、いわゆる映画と、
決定的に違うところだと思う。
映画は何度も撮り直しがあるし
何日もかけて撮るわけだから、


モギ
あと、ほんのすこしだけど
映画はCGをうまく使ってた。
矢の数が増えてるとか、
蜃気楼のように
影が浮き上がっているところを強調したりとか。
あれは舞台でできないところを
補ったんだと思うな。
一同
わかんなかった!!
なんこ
だから、これだけ上映時間があるんですね。
177分、つまり3時間弱!
ナカバヤシ
途中で休憩がありますしね(笑)。
べっかむ3
そうだよね。あれも舞台と同じ?
シェフ
そうそう、舞台と全く同じ!
べっかむ3
追体験だね、本当に劇場の。
モギ
でもね、もしかして、
映像化した舞台だよねっていうふうに
思って行っても、
劇場中継みたいなものでしょうと
あまり期待せずに行っても、
大丈夫だと思う。
だって私は話が本当に面白いと思ったもの。
シェフ
そうだね。そもそも、そこだよねー。
なんこ
よくできてる。
モギ
とにかくもう動かないで
釘付けになってしまうのは、
話の展開の面白さっていうのも
1つ、あるなぁと思う。
シェフ
だから、この手法でやれば
どんな舞台も「ゲキ×シネ」になるかっていうと、
多分そうじゃないよね。
劇団☆新感線だからできたのかもね。
あと、僕、阿部サダヲさんに驚いたんですよ。
これほどの大きな役者さんだとは
失礼ながら思っていなかったんです。
ものすごかったです。


スガノ
身が軽くて、殺陣もすばらしくうまくて。
なんこ
ピョンピョンしてた。
山猿的なキャラクターを見事に!
モギ
ドラマにもよく阿部さんって出てるけど、
舞台見てると
本当にすごい人だなって思いますよね。
シェフ
すごいね。
テレビドラマではわからなかったです。
それにしても体力があるんだなあ。
これ、東京と大阪で、
それぞれ1ヶ月公演をしていて、
1日2公演の日もあったんだよね。
やえ
すごい‥‥。
なんこ
わあ、すごい。
シェフ
じゃ、今回は感激団としては
「超お薦め!」ですね。
なんこ
お薦めです。
やえ
いや、もう今、
人に薦めまくってます。
モギ
ええと、観賞券は、
前売り2000円、当日2500円。
シェフ
映画にしては高いと思われるかもしれません。
でも、観て思いました、納得です。
モギ
それに、映画は全国19館で公開でしょう。
舞台は東京と大阪で
チケットも入手しにくかったから、
意義があると思う!
なんこ
演劇興味ない人とかでも絶対面白いと思う!
シェフ
実際に見てもらえたら、
感激団がこんなに感激してることに
納得いただけるかと!
また面白いものを見つけたら
紹介したいと思います。
ありがとうございました〜。
一同
ありがとうございました!
 
(またなにか
 面白いものを見つけたらご紹介します!
 そのときまたお会いしましょう!)

   
 
2007-09-19-WED

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今回の感激団メンバー
シェフ モギ やえ
スガノ ナカバヤシ べっかむ3
なんこ    





感激団による
「朧の森に棲む鬼」のあらすじ
 
くわしくは、こちら

今回の感激団メンバー
日程:2007年9月28日(金)
時間:19時開場
   19時30分開演
上映時間:177分
     途中15分間休憩あり
終演予定時間:22時45分
会場:富士ソフト
   アキバシアター
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ゲキ×シネ「朧の森に棲む鬼」公式サイト
ゲキ×シネ 公式サイト
劇団☆新感線official site