僕、劇団☆新感線って、不勉強ながら、 小劇団だという印象がすごくあったんです。 そこから出たスターが、羽野晶紀さんだとか 渡辺いっけいさんだとか筧利夫さんだとか。 いまは古田新太さんがその筆頭だけど、 そういうことは知ってたのに、 舞台がこんなにものすごいだなんて! もっと手作り感満載のものかと思っていた。 でも違ったんだよー。 殺陣ひとつにしても、 効果音と完璧に合うでしょう。 |
|
別の人たちが会話してるところの 横で、染五郎さんが殺陣をやる、 二重になったシーンがあって、 すごいお得! って(笑)。 |
|
そうそう。あまり詳しく言えないけど ある人の夢の中に、 染五郎さん演じる「ライ」が 戦うシーンが出てくる、っていう、 ちょっと複雑な構成があるんですよね。 これね、映画的なんだけど、 舞台でもそういう表現があったんです。 その殺陣のシーンが、ちっちゃい音だけど、 ちゃんと効果音つきなんだよね。 あれも見事だったね。 |
|
ふつう舞台だと、 そういう回想シーンが出てくると 場面って転換しちゃうでしょう。 |
|
そうかも。だから、そもそも 映画的な舞台でもあったのかもしれない。 |
|
というので、だからこっちの 「ゲキ×シネ」にしたときに よく合うっていうことも あるのかもしれないですね。 |
|
ラストシーンの場面転換もすごくて。 舞台を観ていたとき、見逃していたものが よく見えましたね。 |
|
それがちゃんとわかって うれしかった(笑)。 |
|
自分の目が15台のカメラになって 自在に駆け巡っている感じってことだよね。 目が自由。飛び回ってる。 |
|
見たいものが見れる(笑)。 |
|
すっごい近くまで行って‥‥。 |
|
行く行く。 |
|
汗も見える。 |
|
すっごく印象的だった、汗が。 |
|
染五郎さんの演技をアップで観て、 「写楽だ!」って思ったんだ。 江戸時代の浮世絵、役者絵って、 デフォルメじゃなくて、 本当の描写だったんだとわかりました。 |
|
一同 | ああ! |
歌舞伎役者というのはこういうものだっていうのを 脈々とつないでいるんだ、 っていうのを染五郎さんの演技のアップで 知った感じ! |
|
そうね、確かに。 |
|
ディティール好きなので、 メイクと衣装のこのすごさで、 しかもアップで見られるから、もうねえ、 人がこうフッと回った瞬間に 布がフワーッと流れるところとか、 マントがたなびくところとか‥‥ |
|
カッコいいですね。 |
|
もう、もう、ウーッ! って 思いながら見てました。 |
|
私は舞台ビギナーなもので、 お化粧っていうのは 一瞬のあいだに変えてくるわけですか。 それともあれは映画になった時点で 編集した結果なのかしら。 |
|
あ、舞台でも、早替えをしてたよ。 この映画、舞台の時間軸、そのままなんで、 そういう編集はしてないはずなんだ。 早替えは歌舞伎の伝統で、 もう勘三郎さんなんかも それはそれは見事なんだけど、 コクーン歌舞伎の「東海道四谷怪談」でね、 1回水にジャボンと浸かって、 すぐ、と思うくらいの時間で出てきたら、 もう乾いてて違う人になってたりするんですよ。 |
|
えぇー! |
|
どうなってるのかわからないですね。 |
|
わかんないんだよ。 |
|
すごーい。 |
|
私、映像から見たから、 編集かと思ってました! それは一切ないんですよね。 ノーカットってことなんですか。 |
|
ほぼ、舞台のまんまだと聞いたよ。 ある日の公演を、昼の回と夜の回を それぞれ15台のデジタルシネマカメラを使って 通しで撮影しておくんだって。 で、舞台って生き物だから、 完璧に同じふうにはならないでしょう。 劇団☆新感線は背景につねに音楽が流れてるので、 台詞のタイミングと音楽のタイミング、 ということだけでも、かわってくるし。 どうしようもない間違い、みたいなこと以外は、 ある日のある舞台、そのまんま、だそうです。 それに、「ここの演技は昼のほうがよかった」 みたいな拾いかたをすると、 全体がちぐはぐになっちゃうそうなんです。 そこが、いわゆる映画と、 決定的に違うところだと思う。 映画は何度も撮り直しがあるし 何日もかけて撮るわけだから、 |
|
あと、ほんのすこしだけど 映画はCGをうまく使ってた。 矢の数が増えてるとか、 蜃気楼のように 影が浮き上がっているところを強調したりとか。 あれは舞台でできないところを 補ったんだと思うな。 |
|
一同 | わかんなかった!! |
だから、これだけ上映時間があるんですね。 177分、つまり3時間弱! |
|
途中で休憩がありますしね(笑)。 |
|
そうだよね。あれも舞台と同じ? |
|
そうそう、舞台と全く同じ! |
|
追体験だね、本当に劇場の。 |
|
でもね、もしかして、 映像化した舞台だよねっていうふうに 思って行っても、 劇場中継みたいなものでしょうと あまり期待せずに行っても、 大丈夫だと思う。 だって私は話が本当に面白いと思ったもの。 |
|
そうだね。そもそも、そこだよねー。 |
|
よくできてる。 |
|
とにかくもう動かないで 釘付けになってしまうのは、 話の展開の面白さっていうのも 1つ、あるなぁと思う。 |
|
だから、この手法でやれば どんな舞台も「ゲキ×シネ」になるかっていうと、 多分そうじゃないよね。 劇団☆新感線だからできたのかもね。 あと、僕、阿部サダヲさんに驚いたんですよ。 これほどの大きな役者さんだとは 失礼ながら思っていなかったんです。 ものすごかったです。 |
|
身が軽くて、殺陣もすばらしくうまくて。 |
|
ピョンピョンしてた。 山猿的なキャラクターを見事に! |
|
ドラマにもよく阿部さんって出てるけど、 舞台見てると 本当にすごい人だなって思いますよね。 |
|
すごいね。 テレビドラマではわからなかったです。 それにしても体力があるんだなあ。 これ、東京と大阪で、 それぞれ1ヶ月公演をしていて、 1日2公演の日もあったんだよね。 |
|
すごい‥‥。 |
|
わあ、すごい。 |
|
じゃ、今回は感激団としては 「超お薦め!」ですね。 |
|
お薦めです。 |
|
いや、もう今、 人に薦めまくってます。 |
|
ええと、観賞券は、 前売り2000円、当日2500円。 |
|
映画にしては高いと思われるかもしれません。 でも、観て思いました、納得です。 |
|
それに、映画は全国19館で公開でしょう。 舞台は東京と大阪で チケットも入手しにくかったから、 意義があると思う! |
|
演劇興味ない人とかでも絶対面白いと思う! |
|
実際に見てもらえたら、 感激団がこんなに感激してることに 納得いただけるかと! また面白いものを見つけたら 紹介したいと思います。 ありがとうございました〜。 |
|
一同 | ありがとうございました! |
(またなにか 面白いものを見つけたらご紹介します! そのときまたお会いしましょう!) |
|
2007-09-19-WED |