晴天の平日、正午を少し過ぎたころ。 僕は相模湖上流にある藤野という駅に到着。 FAXで送られてきた地図に 「ココ→」と記された一軒家を訪ねます。 途中、湖を見晴らす大きな橋を渡って‥‥。 出迎えてくださった竹嶋浩二さん(47)は 僕を広いリビングへ案内すると、 窓辺に並べられたきらめく車体を 目を細めながら指さすのでした。
イラストを描いたり立体作品をつくったり、 それが竹嶋浩二さんのお仕事です。 僕が竹嶋さんの作品に初めて出会ったのは、 引田ターセンさんのギャラリーでした。 そこで竹嶋作品に触れてから僕は、 「あれをつくったり描いたりした人は ぜったいカワイイもの好きに違いない」 ずっと、そう思い続けていたのです。
平日の昼下がり、 湖畔の静かな住宅地に 男ふたりの声が響きます。
重たい自転車を連れて、僕たちは けっこう険しい山道をくだります。 途中、自転車を引いて進めない場所が わりとたくさんあったりして、 そこはふたりで「よいしょ」とかついで。 ぜえぜえ言いつつ、なんとか川原に到着。
古くておしゃれな自転車のお話を しばらく僕はうかがいました。 やがて、川原風で体が冷えた僕らは 来た道を戻ることに。 なんと! 帰りの下り坂は 山下が前を運転させてもらいました!
無事、竹嶋さんのお宅につくと、 散歩に出かけてらした奥様と、 1才の息子さんが戻ってらっしゃいました。 (↑文句なしでカワイイ!) それから僕は竹嶋さんのアトリエで 作品の数々をみせてもらうのです。 話がはずんで、気がつけば午後の7時。 すっかり長居をしてしまいました。 おいとましてから藤野駅までの道、 大きな橋から見る湖はもう真っ暗。 遠くに竹嶋さんの家が見えます。 アトリエの窓が、 だいだい色に光っていました。
2004-03-03-WED