糸井 | じゃあ、キギさんの紹介はこれくらいにして 具体的な話を、ちょっとしましょうか。 ‥‥ここまで、だいぶ長かったけど(笑)。 |
植原 | はい(笑)。 |
糸井 | まず、ぼくら「ほぼ日」とキギさんの関わりの いちばんはじめは 良重さんの「CACUMA」よりも先、 気仙沼の酒蔵「角星」の 日本酒のリニューアル‥‥なんですよね。 |
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渡邉 | はい、「NAMI」と「UMI」という名前で 7月に発売されるんですよね。 |
糸井 | そっちはそっちで 「ほぼ日」で経緯を連載すると思うんですけど あれって、 高崎(卓馬:CMプランナー)さん経由ですか。 |
植原 | はい、直に電話がかかってきました。 |
糸井 | 一緒にやってくれないか、と。 |
植原 | ええ。 |
糸井 | もともとは、 うちで「アンカーコーヒー」さんという 気仙沼のコーヒーショップとのコラボ商品を つくったんですけど、 そのコーヒーのパッケージを見た角星さんが 連絡をくださったんです。 |
渡邉 | そうでしたね。 |
糸井 | 高崎さんには、何をしてほしいと? |
渡邊 | 日本酒のパッケージのデザインを。 |
植原 | うん。 |
糸井 | パッケージって、言ってました? |
渡邊 | ‥‥ちがいましたっけ? |
糸井 | いや、たぶん、何をやろうっていうのも ぜんぜん決まってないところで、 みんな、引き受けてくれたと思うんです。 |
植原 | あ、たしかに。 |
渡邊 | そんな感じかも。 |
糸井 | 角星さんのほうも、 被災して、 何をしていいかわからなかったと思うんです。 で、アンカーコーヒーのパッケージを見て 「こういうこと、したいんだけど」 という相談を、うちの社員にしたんですよ。 |
植原 | ええ、ええ。 |
糸井 | で、うちはうちで、以前から付き合いのある 広告代理店勤務の、 「田中宏和運動」の田中宏和さんに相談して。 |
植原 | じゃあ、そこから高崎さんに? |
糸井 | 高崎さんも「いい迷惑」でさ、 僕とまだ1回しか会ったことなかったのに 「この人おもしろいな、いける!」 と思ったんで、やってもらえないかなって。 |
渡邉 | あはは、いいですね(笑)。 |
植原 | そこで、高崎さんから僕に直電が来た‥‥。 |
糸井 | たぶん、その時点では 何をするかも、予算額も知らないんです、誰も。 |
植原 | そうか、そうでした。 |
糸井 | でも、はじまっちゃったんですよね。 もう、1年くらい経つのかな? |
渡邊 | 気仙沼には、いつ行ったんだろう? |
植原 | 暑い日でした。 たしか、直島へ行ってるときに 電話がかかってきたので‥‥ 9月だったと思います。去年の9月初旬。 |
糸井 | 「被災地の日本酒を ボランティアでリニューアルする」 という仕事ですけど、 すぐに「やろう」って思えたんですか? |
植原 | ええ、もう、その高崎さんからの電話で 「よくわかんないけど、 やります」って、その場で。 |
渡邊 | まず、高崎さんに誘ってもらったということと、 もともとが「ほぼ日」さんっていうので、 「もうやります!」って、お返事しました(笑)。 |
糸井 | ああ、うれしいですね。 それで‥‥みんなで気仙沼に行ったんだ。 |
植原 | はい。気仙沼で、美味しいごはん食べながら 打ち合わせをしました。 |
糸井 | 何、食べました? |
渡邊 | お魚の‥‥。 |
植原 | 福よし? |
糸井 | VIPコースだ(笑)。 |
渡邊 | お魚、もう、本当に美味しくって。 |
糸井 | 仕事的には、どう分業したんですか? |
植原 | まず、高崎さんと宏和さんで 売りかたのイメージや マーケット調査的なことをしてくれて。 |
渡邊 | 海外にも売りたいねとか、いろいろ話して。 |
植原 | いろいろアイディアを出していくうちに 何となく 「顔がいいなあ」と思ったんです。 ビンを、酒屋の店先にポンと置いたとき 「何かを語ってる」というか、 「なんか、こっちを向いて笑ってる」みたいな、 そんなお酒だといいなあって。 |
糸井 | なるほど。 |
植原 | 高崎さんが「NAMI」と「UMI」という ネーミング案を考えて、 パッケージに 「ナミとウミという女の子の恋の物語」 を、書いてくれたんです。 |
糸井 | うん。 |
植原 | で、こちらサイドの担当で言いますと 僕がロゴを作って、 良重さんがイラストを描いて、 それを合わせながら、デザインしました。 |
糸井 | ああ、おもしろいね、そういうの。 デザインするときに 「お互いに、合わせながら」というやり方って あんまり、聞いたことないし。 |
渡邊 | わたしたち、よく合わせるよね。 |
植原 | 合わせますね。 |
糸井 | それは、ドラフト時代から? |
植原 | そうですね。 とあるポスターをつくったときなんかは キャッチボールみたいにして。 どっちかが、途中までデザインをして 手詰まり感が出てきたら 「ねえ、ちょっとやってみる?」って。 |
糸井 | つまり、 ドラフト時代から「キギ」だったんだ。 ‥‥おもしろいなあ。 |
<つづきます> |
2013-06-26-WED |