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アンケートのことは
ほぼ、お話しできたんですけれど、
あの、飯島さん‥‥ |
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はい。 |
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「高校を卒業してから」
のお話を聞かせてください。
2年間、ボーイフレンドに
お弁当を作りつづけて、
その彼が「栄養士さんになったら」
って言ってくれたと。 |
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はい、はい(照)。 |
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わたしもそういう青春したかった。 |
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いい青春。 |
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もう取り返しつきませんね。 |
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つかないですね‥‥。 |
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飯島さんはそれで栄養士になるために
学校に行ったんですか? |
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2年、学校に行って、
資格を取ったんです。
進路は、たとえば病院食を作るだとか、
学校給食をつくるだとか、
そういった職業もあるんですが、
何か、自分をいかせる仕事は
ないものかなぁと考えていたときに、
『オレンジページ』という雑誌で
フードスタイリストという
職業があることを知ったんです。
あ、これはいい。
メニューを提案したり、いろいろするんだ!
と、先生につくことにしたんです。
それが就職でした。 |
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それで雑誌の仕事をしたんですか? |
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いいえ、その先生が
CMの仕事をなさるかただったので、
雑誌ではなくCM中心に行きました。 |
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先生には何年くらいついたんですか。 |
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7年くらいです。
そして独立しました。 |
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そこからCMのフードスタイリストとして
活躍がはじまるんですよね。
映画「かもめ食堂」の仕事は
どんなふうにして来たんですか。 |
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パスコのCMを独立してすぐくらいからやらせていただいて、
途中から小林聡美さんが出られるように
なったんですね。
そうしたら、小林さんのところの
社長さんが、声をかけてくださって。
ちょうど「かもめ食堂」という映画を
つくろうとしていたときで、
「やってみない?」って。 |
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映画の仕事ははじめてだったんですか。 |
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先生についていたときに
伊丹十三監督の映画に
アシスタントで参加していました。 |
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ええっ! 伊丹さんの映画! |
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どの映画に?? |
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私が入ってからは「大病人」とか
「ミンボーの女」とか「スーパーの女」とか、
あとは「静かな生活」とか。 |
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すごーい! |
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わたしも出たんですよ。 |
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えっ?! |
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中華料理店の店員のエキストラで出ました。 |
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伊丹十三さんていうのは、
僕の年代‥‥と言うと言いすぎかな、
少なくとも僕にとっては、
ある1つの料理の先生のような存在なんですよ。
アルデンテっていう言葉を
エッセイで、初めて教えてくれた人。
いろんな美味しいものを知っている、
かっこいい大人。 |
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とてもステキなかたでしたよ。 |
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すみません、脱線しちゃいましたね。
あの、「かもめ食堂」って、
ものすごく、ごはんが重要じゃないですか。
ごはんが主役級の役者のひとり、
というくらいに重要ですよね。 |
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重要ですね。 |
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ある意味、思い切った
キャスティングですよね。 |
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そうですよ!
だっていつも(パスコのCMで)
パンしか焼いてないんですよ、わたし。
もしかしてこの子は
パンしか焼けないかもしれないって
思われても、おかしくないんですよ。
‥‥パンはきれいに焼いてましたけどね。 |
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何だろ、映画って
超・チームワークじゃないですか。 |
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そうですね。 |
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しかも、ああいう内容の映画だから、
人柄とか、この子に一緒に来てもらえたら
とてもいいなということとかも
全部含めてスカウトというか、
声がかかったのかなあと想像するんですが。 |
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ほんとうに、ありがたいです。 |
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以前、取材のときに
教えてくださったんですが、
フィンランドの市場って肉は塊だから
生姜焼き用の薄切り肉を売ってないんですって。 |
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そうなんですよ。 |
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だから生姜焼き用の肉は
お肉を凍らせてルイベ状態にしたものを
薄ーく自分で切って作ったんですって。 |
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そうなんです。
包丁を強く持ちすぎて
手がへこんじゃったくらい(笑)。 |
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森下ヒルトゥネン圭子さんが
「飯島さんのごはんは、
フィンランドの人たちみんなに
評判がよかったんですよ」って。 |
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あ、ほんとに? うれしいです。
撮影で余ったご飯をちょっとおにぎりにして、
ゆかりとかまぶして置いておくと
日本人の人が食べるかなと思いきや、
真っ先にフィンランド人の人たちが、
食べてくれていました。 |
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あの映画には嘘がないというか、
もちろんフィクションなんだけど、
一遍の真実がごはんにありますよね。
あれはほんとに美味しいごはんで、
ほんとにフィンランドの人たちが
美味しいと思ってるっていうのが、
つくりごとじゃないっていうのは、
ものすごいことですよね。 |
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そうですよね。 |
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あのコーヒーの、
「コピ・ルアック」のおじさん、
(「かもめ食堂」の登場人物)
死んじゃったんですよね。 |
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マルック・ペルトラさん。
そうなんです、一昨年末。
ざんねんです。 |
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おいしいものを食べると
「食べさせてやりたいなあ」
っていう顔が浮かびますよね。
あの映画ってそういう気持ちを
すごく思い出させてくれるというか。
じつは飯島さんの料理が
そういう料理なんですよね。
やっぱりほら、
ボーイフレンドに‥‥ |
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またその話(笑)!
‥‥毎日コーヒー牛乳もらってました。 |
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超羨ましー! |
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でもそれが原点ですよー。 |
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やっぱり毎日、こう、
メッセージがあるわけですよ。作ると。 |
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あ! |
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うわー! |
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美味しかったとか。
今日はどうのこうのって。 |
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褒め言葉ですか? |
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ダメだしはなかったですね。
ごはんも一粒残らず食べてくれてました。 |
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モジモジしちゃう〜。 |
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やっぱりそういうのが、
じゃ、よし、明日も頑張るぞ、みたいな。 |
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そういえば、単行本にエッセイを
寄せてくださった重松清さんに
ロールキャベツを食べていただいたとき、
「おふくろの味を抜いた」
と言わしめましたね。 |
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すごい褒め言葉ですよね。 |
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そうですね、よかったです。 |
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またお袋から男を奪った女ですね。 |
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あ(笑)。 |
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息子どろぼう。 |
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いまのだんなさまは? |
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酢豚が好きみたいです。
お母さんがよく作ってくれていたみたいで。 |
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またしても、息子どろぼう! |
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いいんだよ、結婚してるから(笑)。 |
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実家のお母さんも、
わたしが新聞に載ったときに
生姜焼きのレシピを出したんですよ。
そうしたら「あの味、いいわね」
って電話くださって。
「今はもう、全部、あれでやってるわよ」とかって。 |
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あ、じゃあもう
お袋の味も上塗りしちゃったんだ。 |
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すごい嬉しかった。 |
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掴んでるなあ。 |
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掴むよねえ。 |
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掴みますよー。
ちなみにわたしも酢豚大好物なんですけど
飯島さんのはどんななんですか。 |
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いろんな酢豚。
夏ならトマト入れたり。
ナス味噌炒めってあるじゃないですか、
あんな感じで味噌をしょうゆと混ぜて、
トマト入れたりして、味噌味の酢豚とか。 |
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こんど教えてください! |
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「LIFE」で教わりましょう。 |
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はい、もちろんです。
これからもよろしくおねがいします。 |
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こちらこそよろしくおねがいします!
(おしまい) |