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リリー |
お久しぶりです。 |
糸井 |
虚脱状態?(笑) |
リリー |
頭が回らなくなってきました(笑)。
※この日、リリーさんは明るいビルにある
あのケビン山崎率いるトータルワークアウトで
初トレーニングの後、この「相談」は行なわれたのでした。
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糸井 |
血が筋肉のところに行ってるから、
頭回んないよ。それ普通だから。
息は切れなかった? |
リリー |
息は切れないですけど、
終わって立った瞬間に、
ペロンペロンになりました。 |
糸井 |
酔っぱらったみたいでしょ? |
リリー |
はい。 |
糸井 |
でもほんとに3週間で体つきが変わっちゃうよ、 |
リリー |
週に3回を3週間?
そういえば、何年か前にミチコさんと
深夜のトークショーやってた時に。
糸井さんが一時脱ぎたがってた時が
あるじゃないですか(笑)。
あんな感じですか?
※2001年、シネスイッチ銀座で行った
このイベントのこと。
「脱ぎたかった発言」はここにある。
当時、糸井さんは清水さんにさかんに
「ふとももの肉をもっとつけろ」
「勝負はふとももなんだから」と言ってた。 |
糸井 |
あれはまだ、いい加減にトレーニングしてて
3週間経ったか経たないかくらいの時かなあ。
毎日ちょっとずつ
「ほおっ」って思いながら
しょっちゅうお風呂に入る前に
しばらく鏡を見てたんだよ。
あの時の清水ミチコは名セリフだったよね。
「あんたがそんなに筋肉つけたからって、
誰も喜ばない。」 |
リリー |
最初は、
「うわあ、かわいい子
いっぱいいるんだなあ、このジム」
なんて思ってましたけど、
後半はもう見ることすらできなくなりました(笑)。
俺が女のケツに目がいかないなんて。
途中、スクワットをしながら
横目で見てたりしてたんだけど、
あんまりそんなの見てたら怪我するなと思って。
真剣にやんなきゃと思うから。 |
糸井 |
何だろう。
あれやってるときは女の子が女じゃないよね。
女のままでやってたら、
もうちょっといやらしいですよね。 |
リリー |
最初、トレーニングをしてる人が
トレーナーから
羽交い締めのように支えられているのを見て、
「いやらしいなあ、ここは」って思ったんだけど、
もうこんなのやってる人がいても
何とも思わなくなりますね。 |
糸井 |
そういえば、
僕がちょっと見てた時代の西洋ポルノは
必ずトレーニングのシーンが入ってくるんだよ。
トレーニングしてても
トレーナーが色目で見てみたいな。
やっぱり、ちょっと
汗かいたりするようなところは
前哨戦なんだろうね。
どうしますか? もうすこしゆったりしますか? |
リリー |
それじゃお話しさせてください。
これができ上がった本です。
(『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
(これより『東京タワー』と略す)をさし出す。) |
糸井 |
(本を開き、題字を見て)
この字を描くオヤジはまずいなあ。
まだケレンしてるもんね。 |
BJ |
それまだ読みやすい方なんですよ。
リリーさんのお父さんに題字を
竹筆とかでも書いてるバージョンとか
何パターンか書いて送っていただいて。
※BJさんはリリーさんのマネージャー。
ここを読んでおくと
リリーさんとBJさんがどういう関係なのかがわかる。 |
リリー |
読みやすいのが一番それだったんですよね。 |
糸井 |
俺の周りにいる九州人達のせいで
最近こういう本読んでてもさ、
これは九州の一般的な家庭じゃないか
っていうふうに思うようになってしまったんですよ。
九州だけですよね、こんなふうな世界。
「何、九州って」っていう。 |
リリー |
(笑)。 |
糸井 |
このオトンが嘘ついたり、ホラ吹いたり、
いろんなゲリラ戦を自分で演じてるわけですよね。
BJはどこなんですか? |
BJ |
僕は生まれが北海道ですけど、
育ちはすぐ、横浜のはずれですね。 |
糸井 |
BJからみて
こういうのって軽蔑してるんですか? |
BJ |
そんなことはないんですが
僕はこの町の景色とか想像がつかなくて。
『en-taxi』10号の特集で
横浜生まれのクレージーケンバンドの
小野瀬さん(ギター)にも
ご同行していただいたんですけど。
その時にちょっと驚きましたね。
町の雰囲気に。
あとは、やっぱりお父さん(オトン)ですね。
(『en-taxi』10号を出す)
(↑クリックすると拡大します)
※『東京タワー』は
『en-taxi』での連載小説だった。
まずは2002年の『文藝』春号で長編エッセイとして
そのさわりが紹介された。 |
リリー |
ははははは。 |
糸井 |
ははははは。
写真はいいよね。
写真は絶対おもしろいよね。オトン〜。 |
リリー |
行きつけの、
ちょっと隠れ家的にしとるんやっていう
カラオケバーに連れていってもらったんですけど。 |
糸井 |
隠れ家じゃないじゃない(笑)。 |
リリー |
しかもすごい広い、ワンフロアーなんですよ。
カウンターがあって
すごいワンフロアーの部屋に
カラオケがポツンと置いてあるっていう。
それで、カラオケのマイブックがあるわけですよ。 |
糸井 |
オトンが歌う用のですか? |
リリー |
そう。自分が歌う用ので手書きで
「いっそセレナーデ」とか書いてある。
意外と若い曲を置いてある。 |
糸井 |
甘いくちづけ〜とか書いてあるんだ(笑)。 |
リリー |
XOみたいなブランデーのガラスの瓶を、
注文して作ってるんですよね。
それで名字が「中川」だから
「中」っていう漢字が印刷してある。
それにブランデー入れて飲んでる(笑)。
(明後日につづきます。
次回から一気に中身に突入!) |