
- 母は、終戦時4歳。
大連から引き揚げるまでと、引き揚げてからの話を聞いて
わたしは育ちました。 - 栄養失調で亡くなった幼い叔母たちの話。
終戦間際に徴兵され牡丹江の収容所で亡くなった祖父の話。
隣りの若く綺麗な奥さんが、
自分の背丈より高い生垣を飛び越えて
ロシア兵から逃げてこられた話‥‥等々。 - そして、
戦後80年近く経ってはじめて話してくれた話がひとつ。
一人で留守番していた母に、
同じ官舎のおばさんが、
「お母さんがいつもお買い物に行くときに
開ける引き出しはどこ?」と聞いてお金を盗んで行った話。
祖母がすぐ帰ってきて取り返しに行けたから
お金は戻ってきたけど、
母はこの話を、ずっと誰にも話せなかったと言いました。
自分のせいで大変なことになったのが
恥ずかしくて悔しくて‥‥と。
戦争に負け、
いつ日本に帰れるかわからない状況だったでしょうが、
普通の人がこんなになってしまうのが戦争、
というか敗戦後の話です。 - (匿名さん)
2025-09-27-SAT

