
- 自身は50歳ですが、黒人公民権運動に興味があり、
大学時代は米国史を専攻しました。
大学には、たまたま読売新聞で従軍記者をされた
小倉貞男先生がいらっしゃり、
幸運にもヴェトナム研修旅行に同行する機会を得ました。
当時のヴェトナム政府関係者の方に
お話を聞く機会を持つなど、貴重な旅でしたが、
印象的だったのは、ヴェトナム政府の方が
とても誇り高く対米戦争について話されていたこと、
外交に関しても
とても冷静に話されるように見えたことでした。
この旅を通して、卒論のテーマは
公民権運動とヴェトナム戦争になりましたが、
調べて詳しくなればなるほど、
若いころにわかりやすく抱いた希望のような俯瞰は、
どんどんと薄くなってしまったことを覚えています。
生井英考先生の連載で
当時のことを強く思い出しました。
卒論執筆の前にアメリカに行っておきたいと一人旅で渡米、
ニューヨークを訪れた際に、ウォール街近くにある、
ベトナム退役軍人プラザという場所へ行きました。
慰霊碑のようなガラスのモニュメントがあり、
2人ほどモニュメントの前に男性が座り込んでいたのが
印象に残っています。ウォール街では、ある女性に、
このモニュメントへの道順を尋ねたのですが、
とても親切丁寧に道を教えてくれました。
しかし、日本人で部外者の自分が、
どの立場で何を見るべきか、
この2カ国を行き来して
まったくわからなくなってしまったことを覚えています。 - (西川さん)
2025-10-08-WED

