
ほぼ日にもしばしば登場してくださっている
スチャダラパーのBoseさんが、
いつの間にかキャンプの人になっている‥‥!
これは話を聞いてみなければ、ということで、
よく晴れた日の湖のほとりで会いました。
20年以上まえから親交のある
ほぼ日の永田が聞き手を務めたことで、
雑談モード全開の取材となりました。
動画もあわせてご覧ください。
Bose(ボーズ)
1969年、岡山県に生まれる。
1988年、渋谷にあるデザイン専門学校・
桑沢デザイン研究所で知り合ったANIと共に、
ヒップホップグループ、スチャダラパーを結成。
1990年、『スチャダラ大作戦』でデビュー。
つまり、今年、2025年は結成35周年。
5月には35周年記念ライブ
「スチャダラパースペクティブ ~ここから彼方へ~」を
大阪と東京で開催予定。
- ──
- Boseさんが鎌倉に移ったの、いつでしたっけ?
- Bose
- もう10年になるよ、子どもがいま11歳だから。
- ──
- それ、順番的にちゃんと経緯を追うと、
どういう流れなんですか。
結婚するまでは東京だったよね?
- Bose
- うん、東京。
で、子どもが生まれた瞬間に考えはじめた。
ずっとここでいいのか、みたいな。
- ──
- そこまではBoseさんの思考としては、
「東京から出よう」っていう意識は?
- Bose
- あんまり、なかったね。
あ、でもね、鎌倉は友だちが住んでたりしてたから、
何度か「住むとしたらどこかな」って
調べたりしたことはあったの。
でもまあ、なかなか踏み切れなくて。
ところが、結婚したら奥さんも同じ感じで
鎌倉に興味を持っていることがわかった。
- ──
- ああ、そこがそろうと展開早そう。
- Bose
- そうなんだよ。で、子どもが生まれて、
そのときは港区に住んでたんだけど、
ほんとに子どもを連れて行く場所がなくて。
車で出かけても駐車場は高いし、
公園はちゃんと遊べる感じじゃないし、
奥さんと「これヤバいね」みたいになって。
で、ある日、衝動的に鎌倉に行ってみたら、
瞬間、「めっちゃラクだ!」ってわかって。
遊ぶところめっちゃあるし。
じゃ、ほんとに探してみようか、って。
- ──
- でも、子どものためにはいい反面、
仕事のこととか、東京を出るマイナス要素も
いくつかあるわけじゃないですか。
- Bose
- そうなんだよね。
だから、まず3年試してみようと思って
定期借家で家を借りたんだよ。
- ──
- ああ、なるほど。
- Bose
- そしたら、もう、半年もたたないうちに、
「あれ?」みたいな。
「これでよくない?」みたいな。
- ──
- マイナスないぞ、みたいな。
- Bose
- 「あれ? うちらこれで、
これでぜんぜんよくない?」みたいな。
まあ、自分たちの仕事のかたちとしても
問題ないし、行こうと思えば車で行けるし。
- ──
- その頃って、リモートとかないよね?
- Bose
- ぜんぜんなかったころ。
でも、車で行くと、思ったより東京近いんだよ。
とくに最初に借りたところは、
朝比奈の近くだったから、
東京まで車で50分だったの。50分だよ?
50分なんてさ、どこからでもかかるでしょ。
- ──
- たしかに(笑)。
- Bose
- ぼくもさ、自分が住むまえは、
鎌倉に住んでた友だちにさんざん言ってたんだよ。
「でもやっぱ遠いでしょ」って。
そうすると住んでる人たちは
「いやいや、ぜんぜんふつうっすよ」
みたいなことをみんな言ってて、
で、自分が住んだら「ほんとだ!」って(笑)。
- ──
- そうなんですねぇ。
- Bose
- まあ、もちろん、
1回1時間くらいの打ち合わせをするために
東京行くのはダルいなっていうくらいの
マイナスはあるけど、
だいたい、そのついでに何かして帰るから、
結果的にそれほど無駄なことでもなくて。
- ──
- 音楽活動への影響はどうですか?
スチャダラパーは
3人が集まってつくるイメージだけど。
- Bose
- そこはね、ここ10年くらいで
かなりデジタル化が進んでいて、
どうしても3人で集まらなきゃいけない
ということではすでになくなっていたので。
前までは、実際に行って、
集まってやんないとできなかったんだけど。
- ──
- ああ、そうなんだ。
じゃあもう、いまはあの
目黒のマンションに集まることもなく?
- Bose
- あ、行くこともあるよ。
まだあの場所はあるので。
でも、あそこでやってたほとんどの作業は、
集まらなくてもできるようになってる。
SHINCOがトラックつくって
「できたよ」つって送ってきて、
それに「こうがいいんじゃない?」って返して、
「歌詞できたよ」って送って、みたいな感じ。
いまもう、ミュージシャン、全員そうだからね。
うちらは遅れてるぐらいで。
だから、昔は1冊のノートを開いて、
3人で顔をつき合わせてやってたけど。
それがいまはLINEのグループになってる感じ。
- ──
- ああ、なるほど。
- Bose
- だから、べつにそんな変わらないんだよ。
まあ、それぞれ別の場所でやってると、
「ANIがぜんぜんLINE返してこないぞ」
とかはあるけど(笑)。
- ──
- (笑)
- Bose
- でも、デメリットってほんとそれくらいかも。
いや、もちろん、会って直接やり取りすることが
大事なこともめっちゃあるから、
そういうときは集まるよ。
けど、なんかそれもむしろ、会う前が重要というか。
たとえばライブのリハーサルをバンドでやるじゃん。
で、前は、集まって「どうする?」っていう
ところからはじめてたんだけど、
やる前に1回、「どうする?」を
リモートでやっておくとめっちゃ効率いい!
- ──
- 効率かあ(笑)。
- Bose
- ほんとに前までは、みんな、
「行けばなんとかなる」だったんだけど、
やっぱ準備しといたほうが効率いいのよ。
- ──
- Boseさんから
効率の話が出ると思わなかった(笑)。
- Bose
- いやいや、でもほんと。
そのほうがもっといいアイデア出る。
- ──
- まあね、まあね、そのとおりです。
- Bose
- そうじゃないとさ、
集まったとき、誰も何も持ってきてない、
っていうことが起こり得るから。
- ──
- 誰も何も持ってきてないと、
いろいろやってみて、
ようやく場があったまったとこで終わり、
みたいな感じになるよね。
- Bose
- そうそう、だからそういうのを防ぐために、
1回、リモートで打ち合わせして、
事前にアイデア出しとく、みたいなことが
できるようになってきたね。
‥‥スチャダラパーですら。
- ──
- (笑)
(つづきます)
2025-03-28-FRI
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ロケ地協力:the 508