ほぼ日にもしばしば登場してくださっている
スチャダラパーのBoseさんが、
いつの間にかキャンプの人になっている‥‥!
これは話を聞いてみなければ、ということで、
よく晴れた日の湖のほとりで会いました。
20年以上まえから親交のある
ほぼ日の永田が聞き手を務めたことで、
雑談モード全開の取材となりました。
動画もあわせてご覧ください。

>Bose(ボーズ)さんプロフィール

Bose(ボーズ)

1969年、岡山県に生まれる。
1988年、渋谷にあるデザイン専門学校・
桑沢デザイン研究所で知り合ったANIと共に、
ヒップホップグループ、スチャダラパーを結成。
1990年、『スチャダラ大作戦』でデビュー。
つまり、今年、2025年は結成35周年。
5月には35周年記念ライブ
スチャダラパースペクティブ ~ここから彼方へ~」を
大阪と東京で開催予定。

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第6回 変わんないよね

──
キャンプに話を戻すと、
鎌倉に移ってからキャンプをはじめた感じ?
Bose
うん、同時ぐらいかな。
鎌倉に住んでた友だちが、
アウトドアのスキルがある人たちばっかで。
そもそも、フェスとかの野外イベントで
ごはんつくって出したりしていたような人たちが
鎌倉でごはん屋さんはじめたりしてるから、
みんな、そのへんが得意なのよ。
──
ああ、なるほど。
もう、フェスもキャンプも暮らしも
一体になってるというか。
Bose
そうそうそう、だから誕生パーティーとかも、
キャンプ場みんなで借りて、
キャンプパーティーになったりして。
──
それってまだキャンプがブームになる前?
Bose
うん、キャンプブームは完全にそのあとだね。
キャンプフェスとかも、TAICOCLUBとか、
そういうのが目立ってたくらいで。
※TAICOCLUBは2006年からなので、話よりだいぶ前からありました。


はじめて子どもと行ったのも、
TAICOCLUBにぼくらが出るときにキャンプして、
そのまま遊んで、ライブして寝る、
みたいな感じだった。
そのころは、自分たちでイベントを
はじめてみるのもいいかなって思ったんだけど。
──
ああ、キャンプフェスを主催する側に。
Bose
そうそう。だけど、なかなかね。
そもそもANIもSHINCOもキャンプやってないし。
でも、自分たちが呼ばれたら、
なるべくそういうイベントは出てる。
はじめて開催されたちっちゃいやつとかでも。
そういうのって、だいたいおもしろくなるから。
──
たしかにいろんなフェスに出てる印象ある。
Bose
うん、おもしろいし、勉強にもなるし。
若いお客さんが何万人も集まってると、
こんなに若い子、いるんだ?」って驚くよ。
ほら、若い人たちが主催するイベントに、
ぼくら間違って呼ばれて混ざるときがあるから。
──
間違ってるわけじゃないでしょ(笑)。
いまもしっかりリスペクトされてるわけで。
Bose
まあ、でも、リスペクトってさ、
ある種、間違ってるのよ。
だからSTUTSくんとやったりすると、
うれしいけど、間違ってるというか、
そのギャップをおもしろがってるというか。

──
何年か前にBoseさんと話したときに、
スチャダラパーは何年経っても
貫禄が出なくて大御所扱いされなくて」
みたいなこと言ってたけど、
さすがにここ数年は先駆者として
重く扱われるようになってきたんじゃない?
Bose
まあ、ねぇ。
大御所っていうか、ぼくはまえから
松崎しげる枠」と言ってんだけど。
──
ははははは!
Bose
松崎しげるさん、どこにでも来てくれて、
機嫌よくいい歌をうたう、
みたいなところあるじゃない。
──
あるある(笑)。
Bose
あれに近いものに見えてんじゃないのかな、
っていうのはある。
──
ブギー・バック』が『愛のメモリー』。
Bose
そうそうそう(笑)、
どこに呼ばれてもあの役で。
松崎しげるさんとか、水木一郎さんとか、
そういう立ち位置なんじゃないかと。
──
そっか(笑)。
あと、イベントに出るだけじゃなくて、
若い人たちといっしょに曲つくったり、
音楽的なコラボも増えてるね。
Bose
そういうのも誘われればやるようにしてる。
だからね、最近、よく思うのは、
ぼくらがデビューしてすぐのとき、
コラボしてもらった谷啓さんの立場に、
ぼくらが近づいてきたんだなっていう。
──
あー!
Bose
谷啓さんなんだよ、ぼくら。
あの「ガチョーン」の側に、いまいるの。
だってさ、たぶん、いまの子たちが
ブギー・バック』聴く感覚って、
当時、ぼくらが『スーダラ節』を
聴いてた距離感と近いと思うよ。
──
ああ、そうかー!
Bose
だと思うよ。ぼくらが90年代に
60年代後半ぐらいのやつを聴いてたとすると。
──
いま『ブギー・バック』30周年だから。
Bose
30年! じゃあ一緒だ、やっぱり。
あのころぼくら、谷啓さんたちに
60年代にあんなことやってたんですね」って
言ってたけど、それっていまの子が
90年にそんなことやってたんすか?」って
言うのとまったく同じだからね。
──
すごい、ほんとだ(笑)。
Bose
そうなんだよ。
そう思うと、すごく誇らしくもあるというか。
──
そうだねえ。
でも、当時、クレイジーキャッツが
活動はしていなかったことを考えると、
スチャダラパーはぜんぜん現役だね。
Bose
まあ、そうだね。だから、なんていうか、
やってることは、より変わらない、というか。
──
より変わらない」(笑)。
Bose
それを自覚するよね。
とくにうちら、メンバーが変わってないから、
3人が集まっちゃうと
言ってることはずっと同じなんですよ。
ANIが「観た?」とか言って、
まあ、それが、Netflixになってたりはするものの、
ヤバいよ」って言って、「なにそれ」みたいな。
ほんと、そういうのは変わんないよね。
──
たしかに、こうしてインタビューしてても、
それこそ、ぼくがゲーム雑誌にいたころとか、
ほぼ日でずっと前に取材してたころと
まったく変わらないもの。
Bose
うん、変わんないよね。
──
まあ、なんていうか、まさかそれを、
こうして焚き火を囲んでやるとは
思わなかったっていうところはあるけど(笑)。
Bose
ああー、そうだね(笑)。
焚き火には縁がなかったかもしれない、
当時のぼくらは。
でも、たんに、スーファミが
焚き火になっただけなんじゃない?
目の前にあるものが。

──
そうかもしれない(笑)。
じゃあ、最後だけまだキャンプに戻るけど、
このあとのキャンプライフは?
家族でっていうより、夫婦とか、ソロ?
Bose
いや、そうなんですよ。
ぼくと奥さんはいまだにキャンプ好きだから、
行こう、行こう」って言ってんだけど。
でもまだ行ったことはないね、二人では。
──
娘さんも、また自分の意思として、
キャンプファンになるかもしれないし。
Bose
そうだね、それもあるかもしれない。
あと、おじさんどうしで行くってのは、
ますます増えそうな気もするし。
──
家族の成れの果てのソロキャンプ(笑)。
Bose
そうそう、おじさんはよりミニマムに。
おじさんミニマム、ミドルミニマム、
中年ミニマム。
──
中年ミニマム」(笑)。
Bose
中年ミニマリスト」。
──
また、そのへん、変わってきたら、
話、聞かせてください。
や、おもしろかったです!
ありがとうございます!
Bose
ありがとうー。
──
気づくとまた、こんな時間になっている。
Bose
うん、片づけたりしよう。

ありがとうございました)

2025-03-29-SAT

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