こんにちは。
「ほぼ日の大開拓採用」に応募し、
今年1月に入社した新人乗組員の「サノ」です。
1年前、大開拓採用の応募ページを見たとき、
「呼ばれてる‥‥かもしれない」と
じぶんは思いました。
それは、「スキルや経験」がどうこうという話以上に、
「ほぼ日がこれから向かっていきたい未来」や、
「ほぼ日が大切にしていきたいと思っていること」に、
じぶんの「こういうふうに生きていきたい」が
重なったからだったと思います。
このコンテンツが、
「ほぼ日のいわゆる管理部門」ではたらくということと、
この募集に興味を持ってくださっているみなさんそれぞれの
「こういうふうに生きていきたい」とを
じっくり照らし合わせることができる時間にできたら、
と想像しながら、
管理部門を担当する取締役CFOの「もとお」、
代表取締役社長CEO兼CCO「糸井重里」、
それぞれに話を聞いてきました。
ぜひ、応募の参考にしていただけたら幸いです。

ほぼ日の大開拓採用

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ほぼ日を生き物にする「血流」

サノ
ここからはもとおさんに代わって、
糸井さん、よろしくお願いします。
糸井
お願いします。
いや、もとおさんの話、おもしろかったですね。
こういうの、みんなやるといいね。ねえ。

サノ
今回の採用は、
昨年の「大開拓採用」を受けての採用ということですけど、
改めて、「大開拓採用後のほぼ日」って、
糸井さんからはどう見えているんでしょうか?
糸井
「可能性」が増えたんじゃないですか。
ぼくは別に、心配性とまでは言わないんだけど、
やっぱりほぼ日にも寒い風は吹くというか、
つまり、「なに同じことやってんの?」みたいな、
他人が言いそうなことは、当然自分も考えるわけです。
ほっとけば、「安定していたい」んですよ。人って。
ビジネスって、何か新しいことをやるとき
「ああしてこうすれば、こうなるよ」みたいに
わかったふりをした言葉遣いでやるしかないんだけど、
本当はみんな、
やってみるまで当たりも外れもわかんないんだよ。
でもだからといって同じことだけしていると、
やっぱり、「村の老舗」みたいになっちゃいますよね。

サノ
それ以上、広がっていかないというか。
糸井
広がっていかないし、老いていくし、
やがては「もうあんなのいらない」って
言われるかもしれない。
だとしたら、
「向こうに見えている縁の場所、
もしかしたら畑になるかもしれない」
というような「可能性のある場所」が
すぐそこに見えかけてるのにそのままにしてるというのは、
これはもう「さぼってる」んじゃないか、と思ったんですよ。
これまでに進んできた道を振り返っても、
やっぱり「新しいことを探した」というのが
きっかけになって今があるわけだから、
ここから先もやっぱり、守っていくだけじゃなくて、
「新しい場所、行ってみようよ」と。
そういうコンセプトで始めたのが、昨年の「大開拓採用」で。
で、そこから実際に
「ガンガンやってる」と言えるところまで行くのは
本当に大変なことだけど、
少なくともそこに、一歩、二歩は踏み出してますよね。
例えばいまサノくんが取材してるのって、
サノくんがいなければ誰だったんだろうって言ったら、
それは、「前からいた誰かさん」で、
その誰かさんの手の内は、もうお互いに知ってるわけです。
でもサノくんは入ったばかりだから、
お互いまだそんなに、手の内を知らないじゃないですか。
サノ
はい。
糸井
そうなると、僕も今までと違った頭を使わなきゃなんない。
そういうことが、いま、
会社のあっちこっちで起きてるんじゃないですかね。
大開拓採用で入った人が、こう、
みんなに「反射」させてるわけですよね。
それはだいぶ動いてきてるし、
ぼくなんかでも、日が経つにつれて忙しさが増えてますね。
それがあんまりいいこととは限らないんだけど、
大開拓採用したから、いま、忙しいね。
サノ
あの、ぼくも入った側として、
「反射している」感じはすごくわかる気がして。
「新しい人」と向き合うことで、
「もともといた人」も新しい筋肉を使いながら
話してくださっているなと思っていたんですけど、
糸井さんもやっぱり、
そのあたりの変化は感じてらしたんですね。
糸井
そこは、当然変わりますよね。
たとえば色水だってさ、
2割新しい色入れたら、色変わっちゃうわけだからさ、
もともと赤だったものに青入れたら、紫になるわけで。
そういう変化はやっぱりみんな感じてるし、
「赤だったはずなのになぁ」
と思ってる人もいるかもしれない。
だけど、変わっちゃうことをよろこべないといけない。
もしよろこべるようになったら、
よろこべてること自体が大変化ですよね。

サノ
ある意味、今回の採用で応募してくださる方々も、
その変化の渦のなかに
飛び込んでくることになるわけですよね。
いまのほぼ日において、
「管理部門」というのはどういう存在なのか、
糸井さんの目線で教えていただけますか。
糸井
あの、この募集で最終的に
どういう表現をするかはわかんないけど、
少なくともただの「管理部門」って言葉は、
もう使うのをやめようと思ってるんですよ。
やっぱりうちは、「管理」をしているわけじゃないから。
さっき、もとおさんも言ってたけど、
失敗も含めてやってるわけだから、
「管理の外側にあるもの」っていうのも
ほぼ日にとっては大事なんですよ。
で、じゃあうちの「いわゆる管理部門」が
どんな役割を担ってるのか、
どう伝えるのがいいのかなと思ったんだけど、
ようは、「血流をつくる人」ってことなんじゃないかな。

サノ
「血流をつくる人」。
糸井
つまり、肉体を動かして生き物にしているのは、
「血液」なんだよっていう話で。
血が流れてないと、肉体や臓器があっても、
身体は動かないんで。
うちの会社における「管理部門」というのは、
そういう、「ほぼ日という身体を巡って、つないで、
健康的に動かしていく存在」だと思うんですよね。
サノ
それぞれの器官や筋肉をがんばって構築しても、
それを繋げて循環させてくれるもの、
つまり「血流」がないと、一つのものとして動かなくなる。
ほぼ日の管理部門は、そういう存在であると。
糸井
そうそうそう。
いまって、大開拓採用をしたことで、
いろんな筋肉をトレーニングをした人も入ってきてるし、
「そっち側、俺、見たことなかったよ」
みたいなところを見てくれる人も入ってきたし、
考え方も、脳の動き方も変わってるんだけど、
どれだけできることが増えても、
「血液」が巡らなければ身体は動かないわけで。
あと大切なのは、あくまでも本人も、
「内側で動いているひとり」だってことだよね。
うちの管理部門をどんな言葉で表現しようと考えてるときに、
一度、「樹木医」というたとえも出したんですよ。
「樹木医」というのは要するに、
樹木の生態を調査するところからはじまって、
成長を計画したり、進行を管理したり、
最終的には後継樹という植え替えのことまで考える人で、
「チームの身体を健康的に成長させていく」という意味で、
「ああ、これはいいね」となったんです。
でも、ひとつ「樹木医」が違ったのは、
ほぼ日の管理部門の場合は「本人も動いてる」ってところで。
外側から「観察してる」っていう役割の人じゃなくて、
本人も、身体の中の「血の一滴」なわけだから。

サノ
「一緒に動いてる」ということですよね。
一緒に動く、「血、そのもの」。
糸井
血、そのものだよね。
そこは、そうじゃないとつまんないよね。
「外からなにやら言ってくる人」じゃなくて、
やっぱり、ちゃんと、
「チームの一員としての拍手」が欲しいじゃないですか。
「ありがとう」とかね。
で、「血液が動いていること」への「拍手」や「ありがとう」
がちゃんとあることってすごく大事なんですけど、
うちはそこは、大丈夫なんじゃないですかね。
「他の人が何をやってくれてるのか」を
知る工夫みたいなことは
昔からいろいろとやってきていて、
あの人はあそこであれをやってるなっていうのが、
ある程度見えてるじゃないですか。
少なくとも、下に見たり、上に見たり、対立したり、
ということは、ほぼ日はまったくないですよね。

(つづきます)

2024-07-01-MON

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