今朝、どんなふうに顔を洗いましたか?

「毎晩必ずメイクを落としてから寝る」
「お風呂に入って、ていねいに洗います」
夜は、こんな風に、一日の汚れを意識して
洗っているひとがほとんどだと思います。

手を洗うことについては、
この3年間でかなり習慣化しましたよね。
歯磨きだって、学校では定期的に検診があったし、
大人は歯科で指導をしてもらえます。

でも、朝の洗顔については、どうでしょうか。
正しい方法について誰かと話したり、
ネットや本から学んでいますか?
シンクーの洗顔料作りをお願いしてる会社
「ハーブラボ」の研究員Yさんと一緒に、
顔を洗うことについて、あらためて考えます。
聞き手は、シンクーのメンバーで、
洗顔料の開発にもたずさわり、
いろんな洗顔法を試してきた鈴木です。

取材・文/ほぼ日・シンクー
イラスト/MA1LL

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シンクー
今回洗顔のコンテンツを作るきっかけになったのが、
朝、どんな風に顔を洗うか、
ひとによってさまざまだなという発見だったんです。
Yさん
ええ。
シンクー
夜はメイクや汗、ホコリを落とすために、
きちんと洗い落とすことに意識が向くひとが
ほとんどだと思うんですが、
朝って、本当にいろんなスタイルがあるんです。
シンクーのメンバーにヒアリングしただけでも、
こんなにたくさんの回答がありました。
いくつかご紹介しますね。
 
1.どこにも出かけない日は、洗わない。
2.ぬるま湯で軽く洗い流す。
3.冷たい水で洗って、手のひらでほおをパパンっ!
と叩いて毛穴を引き締める。
4.べたつきが気になるから、熱めのお湯で洗い流す。
5.朝シャワーを浴びたついでに、
シャワーヘッドから湯を顔にかけて刺激しながら洗う。
6.蒸しタオルで顔全体を蒸らしたあと、やさしく拭き取る。
7.化粧水をコットンに含ませ、ふきとり洗顔をする。
8.泡の洗顔料を、テカリが気になる部分にのせて洗う。
9.泡の洗顔料を、全顔にのせて、マッサージしながら洗う。
10.朝もメイク落としを使って洗う。
テカリやべたつきがひどいので。

‥‥まだまだ、あったんですよ。
どれがだめで、どれが正しいとかって、ありますか?
Yさん
そもそも、寝ている間に、肌、とくに顔では、
なにが起きているのか、そして、
眠らなくてはならない理由をまずお話させてください。
シンクー
お願いします。
Yさん
質の良い睡眠をとると、成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンは、日中の疲れを回復したり、
肌のダメージを修復してくれるなど、
健康に欠かせない大切な働きをしているんです。
シンクー
わかります。熟睡した日の朝は、肌の調子が良くて、
どんな高価な美容液も敵わないと感じます。
Yさん
ええ。そうやって体を休めるいっぽうで、
肌には汚れが溜まっているんです。
たとえば、剥離した角質や、皮脂や汗、
皮膚常在菌の代謝産物などが挙げられます。
ほかにも、寝具や空気中の汚れ、空気中の菌類‥‥
シンクー
数時間の間に、いろんなものが降り積もるというか、
付着してしまっているんですね。
正直に告白してしまうと、出かける予定がない日は、
朝顔を洗わないこともあったんです、私。
ふだん”過食”で甘やかしていたりするものですから、
自己流の"肌断食”を実践しようとして、
何もしない日があってもいいと思ったりして。
Yさん
外に出かけて活動した日は、
顔が汚れていることを実感できると思うんですが、
寝ているだけでも、顔は汚れているんです。
だから、洗顔は夜と朝、必ず行っていただきたいんです。
洗顔が少なすぎると、酸化した皮脂によって、
肌のくすみが気になったり、毛穴を詰まらせ、
肌トラブルを起こしてしまう可能性がありますから。 
シンクー
たしかに、自己流の肌断食をしていた頃は、
なんだか肌がくすんでいた気がします。
肌にくっつけたままの汚れが、酸化して、
やりたい放題、悪さをしていたんですね。
Yさん
そうですね(笑)。

シンクー
朝の洗顔の話題になると、まず、
洗わない派(水やお湯で流すだけ)と、
洗う派(洗顔料を使う)に二分されます。
でも、これだけの汚れを取り去るには‥‥
Yさん
水やお湯で流すだけでは不十分で、
洗顔料を使って洗うことが大切です。
その品質を上げるべく、私たちは、日々、
研究や開発をしているわけです。
シンクー
汚れたら洗う。とてもシンプルなことなのに、
顔となると、自己流のケアを持ち出したり、
「洗わない」と宣言してみたり(笑)。
Yさん
先ほど挙げてくださったみなさんの洗顔法に、
熱いお湯で洗うというものがありましたね?
シンクー
はい。皮脂が溶け出してさっぱりして、
気持ちいいという感覚、わかります。
Yさん
いくら寝ている間に肌が汚れるといっても、
洗いすぎもいけないんです。
洗いすぎの一因になるのが、熱いお湯です。
必要な皮脂までが取り去られ、乾燥を招いてしまうんです。
体温くらいのぬるま湯で、よくすすぐことが大切なんです。
シンクー
体温というと、35度~37度くらい。
これって、指先の実感としてはかなりぬるいですね。
熱いのがだめなら、冷水はどうでしょうか?
毛穴がキュッと引き締まるような気がします。
Yさん
汚れが浮きにくくなってしまうので、それもNGです。
シンクー
なるほど。冷たくても、熱くてもだめ。
Yさん
シャワーで直接洗い流すのも、避けたほうが良いですね。
水圧によって肌がダメージを受ける可能性がありますし、
温度も、洗顔には高すぎる場合が多いんです。
シンクー
以前、肌が美しいかたにお会いしたとき、
帰宅したら洗面所ですぐにメイクを落として、
お風呂では髪と体を洗うだけだとおっしゃっていました。
お風呂やシャワーは38度以上はあるでしょうから、
洗顔にはちょっと熱すぎということだったんですね。
Yさん
とくに熱いお湯は、肌に必要な皮脂や、
天然保湿因子まで洗い流してしまいますから。
シンクー
天然保湿因子。肌に本来備わっている、
自前のうるおいですね。
Yさん
ええ。必要なものまで奪ってしまうと、
水分が蒸発しやすくなり、肌の乾燥が進行して、
バリア機能が弱ってしまうんです。

シンクー
洗うことで、かえって肌を痛めたり、
弱めてしまうのって、すごくこわいです。
神経質になるわけではないのですが、
売り場には「洗わない」洗顔料もありますよね?
コットンにローションや乳液を含ませて、
拭き取ってくださいね、と謳っているような。
拭き取りとうるおい補給のふたつが時短で叶いそうで、
心ひかれることがあります。
Yさん
拭き取り洗顔でたいていの汚れは落とすことができますが、
どうしても、摩擦による刺激が気になりますね。
拭き取りタイプの洗顔を行いたい場合は、
摩擦を避けるため化粧水や乳液をたっぷり使用し、
なでる程度にするのがいいと思います。
シンクー
拭き取ったあとにコットンが茶色くなるのが
達成感があっておもしろくて、気がつけば、
コットンが毛羽立つまで拭いたことがあります。
Yさん
汚れは落としつつ、肌へのダメージも考慮すると、
何を使って洗うか? ということはとても大事なんです。
シンクー
先ほども、洗顔料を使ってくださいとおっしゃいました。
石鹸、ジェル、ミルク‥‥たくさんの種類があります。
なにを選べばいいでしょうか?
Yさん
それぞれ一長一短や、好みがあるでしょうかが、
肌への負担を考えると、しっかりと泡立てた
洗顔料で洗うのがおすすめです。
シンクー
しっかり、がポイントですね。
Yさん
洗顔料がきちんと泡立っていると、
肌に指が直接触れてしまうのを防ぐことができます。
よく泡立てずに皮膚をこすってしまうと、
肌表面の角質が必要以上に剥がれてしまいます。
そうすると、必要な油分までが取り去られ、
バリア機能が弱まってしまうんです。
うるおいを保つ力が低下して、今度は、
皮脂を活発に出して肌を守ろうとしてしまうんです。
シンクー
洗いすぎが、ベタつきを生んでしまう。
肌ってとても高度な器官なんですね。
泡はつければいいというものではなく、
肌を守るクッションであると考えると、
上質できめ細かい泡をたっぷり作りたいなあと思います。
Yさん
ええ。きめ細かな泡は、心地よいだけではなく、
皮脂などの油を積極的に吸い込むことも分かっています。
シンクー
泡が自力で毛穴の汚れをチュッと吸い込むような?
Yさん
そういうイメージでいいと思います。
皮膚をなるべくこすらないよう、きめ細かい泡を、
肌と指の間で優しく転がすように洗うのが、
泡洗顔の基本的なスタイルです。
乾燥が気になるかたは、皮脂の多いTゾーンに泡を乗せ、
そのほかの部分は数秒なじませるだけで大丈夫です。
シンクー
クルクルしないで、泡を数秒間置くだけ。
Yさん
ええ、それでじゅうぶん汚れを吸着してくれます。
あとは、先ほどもお伝えした通り、
ぬるま湯でしっかりと流しましょう。
せっかく汚れを落としても、洗い残しがあったら、
詰まりやニキビの原因になってしまいますから。
とくに、額の生え際やフェイスラインなどは、
流し忘れがちなので、ぬめりを感じなくなるまで
何度も洗うようにしてください。
シンクー
当然、洗面器に溜めた水ではなく、
水道口から流れる水で流さなくてはなりませんね。
Yさん
そうですね。きれいな水で洗ってください。
シンクー
泡が目に入るのが嫌で、ぎゅっと閉じて洗いがちですが、
洗い残しがないか鏡でちゃんと見ないと。
Yさん
そうそう。基本的なことが、とても大事です。
シンクー
泡の話に戻るんですが、
なにかデメリットはありますか?
Yさん
きめ細かなふんわりした泡を作るのに、
手間がかかるということでしょうか。
シンクー
たしかに。手前味噌になってしまうのですが、
私たちが作った洗顔料「ハローウォッシュ」は、
ワンプッシュできめ細かな泡が出てくることを
大切にして開発を重ねたんです。
朝って、時間がないこともありますよね。
そういうときに、本当に便利なんです。
Yさん
楽に続けられるというのは、大切だと思います。
私たちもいろんなスキンケア商品を作っていますが、
洗顔方法を誤ってしまうと、肌トラブルを招いたり、
悩みを悪化させてしまうことがあるんですよね。
それに、洗顔後どれだけスキンケアを頑張っても、
効果が薄くなってしまう可能性があります。
ていねいな、正しい洗顔が、美肌への近道です。

(つづきます)

2023-06-16-FRI

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