
「東京糸井重里事務所」時代から
何十年も「社長」をつとめた糸井重里が、
次の旗手に役割を渡すことにしました。
新しい社長は、ほぼ日黎明期から在籍した、
みんなが「あやさん」と呼ぶ小泉絢子です。
糸井は会長となりました。
どうしていま? これからどうなっていく?
ふたりに訊いてみました。
インタビュアーはほぼ日の菅野です。
- ──
- あやちゃんから見て糸井さんは
どういう存在ですか。
- 小泉
- また星で言いますとね(笑)、
自分が多少なりとも物事がわかるようになったり、
成長したりするたびに、
どんどんその星が遠くなります。
距離が遠いことが確認できてしまう。 - ほぼ日に入った若いとき、
糸井さんがこう言ってたなぁ、
と思い返すことがたくさんあります。
最初はぜんぶ、言われたとおりにやってました。
するととつぜん
「あ、糸井さんにはこの景色が見えてたんだ」
とわかる日がくる。
何度もそういう経験をすることになります。
- ──
- しますね、それはもう。
- 小泉
- これは、私や菅野さんだけの話ではなく、
もっと全体的に、この社会がです、
ついていってない感じもするんです。
でも、ゆくゆくきっとこうなっていく。
だからこういう会社がもっと増えたらいいと思う。
なぜなら、働くことがネガティブじゃなくなるから。
本人を目の前にして言うのもなんなんですが、
糸井さんはやっぱり、世の中を変える方というか。
- ──
- 私もそれは長いこと感じています。
- 小泉
- そういう人ってめったにいないのかもしれません。
だからなるべく多くを学びたい。
そして、作ってもらったこの土台を守って
100年、1000年先まで発展させていきたい。
- ──
- もしかしたらこれからまた
社会のかたち、働くことに対する考え方が
変わるのかもしれないし。
- 小泉
- その可能性、私はあると思います。
ちいさな会社ですけれども、
「ほぼ日があってよかったね」
「なんだかこうなったね」
みたいなことも、万一、あるんじゃないかな。
だって、過去を振り返ってもそれはあったから。
- ──
- ブログの前から日記をやり、
SNSの前からリアルタイム中継、
動画配信も黎明期から。
ECも長いことやってきました。
それはどれも地道な動きだったと思います。
あやちゃんはこれまで、
ほぼ日手帳や生活のたのしみ展の
黎明期を引っぱってきた人ですけど、
私、前から訊きたかったことがあるんです。
たとえば生活のたのしみ展って、第1回から
ああいう形になるとわかってたんでしょうか。
- 小泉
- はい。私ね、糸井さんの言葉に
自分が映像をつけるのが
癖になってるんです。
- ──
- おお。
- 小泉
- 糸井さんの目からビームが出てて、
スクリーンに浮かぶみたいなイメージです。
それは、糸井さんの発言のキーワードから
察しているだけなんですけど。
- ──
- でも、それができるのは、
あやちゃんの能力ですね。
私はできません。
- 小泉
- いや、そんなことない、やってるじゃないですか。
やってるやってる。
- 糸井
- 種類が違うんですよ。
あやちゃんと菅野の見え方、
理解のしかたがちがうだけ。
- ──
- 私は、生活のたのしみ展第1回のとき
「あ、こうなるんだ」と、
現場でほんとうに驚きました。
振り向くとあやちゃんがいて、
「そうそう、こうでしょ」という顔で立ってた。
さすがだな、と思いました。
- 糸井
- うん、そうね。
それはあやちゃんの大きな特徴かも。
- ──
- 立体で思い浮かべる能力ですね。
最近、手帳チームやマンガ部をはじめ、
チームが育つ速度がめざましいですが。
- 小泉
- めざましいです。
- ──
- 最後の質問なんですけれども、
人はどうやって育つのでしょうか。
教えてほしいです。
- 糸井
- ずばり、勝ち試合です。
- 小泉
- うん、そうですね。
- ──
- 勝ち試合かぁ‥‥。たしかに!!!
- 糸井
- 「勝った!」「 勝ったね!」と言い合えると、
人は育ちます。
- 小泉
- ほんと、勝ち試合がいいと私も思います。
もっと先に行こうという循環が生まれて、
雰囲気がよくなります。
- ──
- そうかぁ、そのためには
勝つための挑戦をしなくては。
がんばります。
- 小泉
- 私は商品事業部出身ですから、
やっぱり「売れる」って、
すごいことなんですよ。
- ──
- コンテンツだと読まれたり、
感想をもらったり。
私は、もう年齢的に上なので、
後輩には楽しく働いてほしいんです、ほんとに。
- 小泉
- そうそう。
仕事を楽しい、おもしろいと
思ってほしい。
- 糸井
- だね。
- ──
- ここ神田で、
おいしいごはんを食べながら。
- 小泉
- そうですね。
職場の環境ってすごく大事だと思ってます。
おいしいものを食べて、
いろんなものを見たり買ったりして、
アイデアをふくらませて勝ち試合をしてほしい。
- ──
- スターもあやちゃんもそろっているこの時期に、
たくさんのことに挑戦していきたいです。
- 糸井
- やー、たのしみだなぁ。
- 小泉
- ほぼ日は、世の中から見て
「変わってる」と思われることがあるかもしれません。
でも、いいところはちゃんと残して、
どんどん挑戦できる組織づくりを
めざしていきたいと思います。
- ──
- 会長と社長ですが、
私にとっては変わらない、
糸井さんとあやちゃんです。
これからまた、いろんなことを聞かせてください。
今日はたっぷり、ありがとうございました。
- 糸井
- ありがとうございました。
- 小泉
- ありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。
(おしまいです。ありがとうございました。
これからのほぼ日、改めてよろしくお願いします!)
2026-03-25-WED