「東京糸井重里事務所」時代から
何十年も「社長」をつとめた糸井重里が、
次の旗手に役割を渡すことにしました。
新しい社長は、ほぼ日黎明期から在籍した、
みんなが「あやさん」と呼ぶ小泉絢子です。
糸井は会長となりました。
どうしていま? これからどうなっていく?
ふたりに訊いてみました。
インタビュアーはほぼ日の菅野です。

前へ目次ページへ次へ

第7回 ほぼ日があってよかった

──
あやちゃんから見て糸井さんは
どういう存在ですか。
小泉
また星で言いますとね(笑)、
自分が多少なりとも物事がわかるようになったり、
成長したりするたびに、
どんどんその星が遠くなります。
距離が遠いことが確認できてしまう。
ほぼ日に入った若いとき、
糸井さんがこう言ってたなぁ、
と思い返すことがたくさんあります。
最初はぜんぶ、言われたとおりにやってました。
するととつぜん
「あ、糸井さんにはこの景色が見えてたんだ」
とわかる日がくる。
何度もそういう経験をすることになります。
──
しますね、それはもう。
小泉
これは、私や菅野さんだけの話ではなく、
もっと全体的に、この社会がです、
ついていってない感じもするんです。
でも、ゆくゆくきっとこうなっていく。
だからこういう会社がもっと増えたらいいと思う。
なぜなら、働くことがネガティブじゃなくなるから。
本人を目の前にして言うのもなんなんですが、
糸井さんはやっぱり、世の中を変える方というか。
──
私もそれは長いこと感じています。
小泉
そういう人ってめったにいないのかもしれません。
だからなるべく多くを学びたい。
そして、作ってもらったこの土台を守って
100年、1000年先まで発展させていきたい。
──
もしかしたらこれからまた
社会のかたち、働くことに対する考え方が
変わるのかもしれないし。
小泉
その可能性、私はあると思います。
ちいさな会社ですけれども、
「ほぼ日があってよかったね」
「なんだかこうなったね」
みたいなことも、万一、あるんじゃないかな。
だって、過去を振り返ってもそれはあったから。

──
ブログの前から日記をやり、
SNSの前からリアルタイム中継、
動画配信も黎明期から。
ECも長いことやってきました。
それはどれも地道な動きだったと思います。
あやちゃんはこれまで、
ほぼ日手帳や生活のたのしみ展の
黎明期を引っぱってきた人ですけど、
私、前から訊きたかったことがあるんです。
たとえば生活のたのしみ展って、第1回から
ああいう形になるとわかってたんでしょうか。
小泉
はい。私ね、糸井さんの言葉に
自分が映像をつけるのが
癖になってるんです。
──
おお。
小泉
糸井さんの目からビームが出てて、
スクリーンに浮かぶみたいなイメージです。
それは、糸井さんの発言のキーワードから
察しているだけなんですけど。
──
でも、それができるのは、
あやちゃんの能力ですね。
私はできません。
小泉
いや、そんなことない、やってるじゃないですか。
やってるやってる。
糸井
種類が違うんですよ。
あやちゃんと菅野の見え方、
理解のしかたがちがうだけ。
──
私は、生活のたのしみ展第1回のとき
「あ、こうなるんだ」と、
現場でほんとうに驚きました。
振り向くとあやちゃんがいて、
「そうそう、こうでしょ」という顔で立ってた。
さすがだな、と思いました。
糸井
うん、そうね。
それはあやちゃんの大きな特徴かも。
──
立体で思い浮かべる能力ですね。
最近、手帳チームやマンガ部をはじめ、
チームが育つ速度がめざましいですが。
小泉
めざましいです。

──
最後の質問なんですけれども、
人はどうやって育つのでしょうか。
教えてほしいです。
糸井
ずばり、勝ち試合です。
小泉
うん、そうですね。
──
勝ち試合かぁ‥‥。たしかに!!!
糸井
「勝った!」「 勝ったね!」と言い合えると、
人は育ちます。
小泉
ほんと、勝ち試合がいいと私も思います。
もっと先に行こうという循環が生まれて、
雰囲気がよくなります。
──
そうかぁ、そのためには
勝つための挑戦をしなくては。
がんばります。
小泉
私は商品事業部出身ですから、
やっぱり「売れる」って、
すごいことなんですよ。
──
コンテンツだと読まれたり、
感想をもらったり。
私は、もう年齢的に上なので、
後輩には楽しく働いてほしいんです、ほんとに。
小泉
そうそう。
仕事を楽しい、おもしろいと
思ってほしい。
糸井
だね。
──
ここ神田で、
おいしいごはんを食べながら。
小泉
そうですね。
職場の環境ってすごく大事だと思ってます。
おいしいものを食べて、
いろんなものを見たり買ったりして、
アイデアをふくらませて勝ち試合をしてほしい。
──
スターもあやちゃんもそろっているこの時期に、
たくさんのことに挑戦していきたいです。
糸井
やー、たのしみだなぁ。
小泉
ほぼ日は、世の中から見て
「変わってる」と思われることがあるかもしれません。
でも、いいところはちゃんと残して、
どんどん挑戦できる組織づくりを
めざしていきたいと思います。
──
会長と社長ですが、
私にとっては変わらない、
糸井さんとあやちゃんです。
これからまた、いろんなことを聞かせてください。
今日はたっぷり、ありがとうございました。
糸井
ありがとうございました。
小泉
ありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。

(おしまいです。ありがとうございました。
これからのほぼ日、改めてよろしくお願いします!)

2026-03-25-WED

前へ目次ページへ次へ