はじめての中沢新一。
アースダイバーから、芸術人類学へ。

とんでもなく大きい視野のイベントができました!
友人たちが関係者席に座りたがってタイヘンです。
タモリさんと、糸井重里の依頼で、
中央大学教授の中沢新一さんが、登場するんです。

30年間の研究を、徹底的に濃縮し、
糸井重里に邪魔されながら、
タモリさんに突っこまれながら、
旧石器時代から現在につながる人間たちを、
そして未来に向けての人間たちの希望を……
たぶん、目の前に、想像させてくれるはずです。

「対称性、という道具を持って世界を見るうちに、
 自分の思考の中でなにか決定的なことが起きた」

縄文地図を手に東京を歩く『アースダイバー』や
全5巻の大傑作『カイエ・ソバージュ』の内容を、
いい会場、きれいな座席、長丁場で、語りつくす!

イベントがどんなにおもしろくなるか、
想像できそうな、打ちあわせの会話を、
「ほぼ日」では、連載してゆきますね。

糸井 中国から日本に
渡ってきた人たちというのは、
大陸では
メインではない人なんですか?
中沢 中国で紀元前後に
国ができるじゃないですか。
そうすると
負け組になるやつがいて、
イヤになって
日本にきているわけです。

朝鮮半島からも
イヤできているわけだから……
日本列島にきた連中って、
気質的に、負け組なんですよ。
糸井 (笑)いいねぇ。
中沢 だから
大国主義がきらいなんだろうね。
糸井 ずいぶん前に
インドネシア側からきた人たちも
そんなにまでしてきたってことは、
きっと負け組だよね?
中沢 (笑)うん、負け組。
なんか、あったんだろうね。
タモリ ずいぶん前に、
中米のコスタリカに仕事でいったんです。
で、イナカのほうで、
古くから伝わる民謡を歌ってくれまして。
で、通訳が歌詞を書いてくれたんだけど。

「コスタリカ
 コスタリカ
 ここは
 すばらしいところ
 すばらしいところ
 スペインなんかより
 ずっといい
 ずっといい♪」

……負け組なんだよね(笑)。
糸井 (笑)「スペインなんかより♪」
中沢 (笑)
糸井 ある観点からすると、
生物の進化の歴史は、
負け犬の歴史、だもん。
中沢 そうそう。
糸井 メインのところにいたやつらは、
なんかの理由で滅ぶものだから。
中沢 もう陸にあがってみなきゃ
どうしようもないとかで……
中国人が
あんなに日本人をきらうのは、
もしかしたら日本のほうが
負け犬のぶん、
進化的に
トクしてたからかもしれない(笑)。
糸井 負け犬がトクなんだね。
中沢 だからこの列島にきた連中の
メンタリティというのは、
なんか共通点があるんですよ。
縄文戦争って起きなかったし。

弥生の連中がくるまでは、
戦争は数回だけみたいですね。
タモリ あぁ、そう?
中沢 熱田、名古屋のほうで
数回あったぐらいで、
あと九州でもあったあらそいは
どうも弥生勢力どうしの戦いで、
矢がささったとか、
首がきられたとか、
そういうのは出てるんですけど、
列島の東のほうは、
ほとんどないですよ。
糸井 男女で、つがうんですよね。
中沢 そうそう。
戦争をしないで、つがうの。
糸井 民族的に
ちがう雰囲気の人を見たら、
「しちゃえ」と思うんですかね。
中沢 いや、
縄文ってイケメンで、
女の子もカワイイんです。
そのへんもあると思うな。
タモリ (笑)
中沢 (かわいい仕草で)
弥生のほうは
ちょっとブスだけど、
稲穂持って
こんな感じだったと思うんです。
……コロッと
参っちゃいますからね。
糸井 (笑)
タモリ 南の島で、
「夜這いがきますので、
 注意してください」
という注意事項を
きかされたことがある。
中沢 あ、ブータンとおんなじだね。
外国人とみると
つがう文化はやはりある。
七月に「夜這い祭」というのが
あるらしくて
「ぜひこい」と言われたり……。
糸井 さっぱりしたところみたいな
感じがするけどなぁ。
中沢 さっぱり、ねぇ……。


(明日に、つづきます)

2005-09-27-TUE

(C)Hobo Nikkan Itoi Shinbun