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タモリ |
縄文の墓の跡は
残っているんですか。
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中沢 |
骨は溶けちゃってるんです。
壺に入れて埋めてますから、
壺は残っているんですよね。
簡単な埋葬なんです。
三内丸山遺跡というのは、
三十センチぐらい掘って
埋めるだけだから、
体が出ている状態で……
そういうやりかたなんですけど。
バリ島なんかも、そうだったよ。
バリ島の原住民は
湖のほとりに墓が十三個あって
その上におくだけなの。
風化していきますよね。
十四人目の死者が出ると、
十三人目の死体を湖に捨てちゃう。
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タモリ |
定員が決まってる。
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中沢 |
定員十三人と決まってるんです。
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糸井 |
臨時の場所なんだね。
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中沢 |
そうそう、湖にいくまでの。
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タモリ |
簡単な埋葬の時代と
古墳を作る埋葬の時代は、
死の認識が変わりますよね。
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中沢 |
根本的に変わるんじゃないですか。
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タモリ |
変わりますよね。
死の認識がはっきりするということは、
おおきな意味でいえば、
資本主義のもとがあるかもしれませんね。
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中沢 |
そのとおりですね。
死の認識がなければ
資本主義は動かないですからね。
縄文時代は
村があって、
村は円環じゃないですか。
その真ん中に、埋葬していたから
死体は身近ですよね、夜になると
いっしょにおどるわけで。
それがやはり墓が離れると……
資本主義になってきます。
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タモリ |
縄文のころと、
大規模な古墳が
出てきた時代とは
明らかに
意識がちがうってことですね。
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中沢 |
そうですね。
弥生のころ、
中国からきた連中は、
イヤだイヤだと言いつつも
国家を知っていますからね。
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糸井 |
うん、逃げてきたわけだから。
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中沢 |
縄文の人たちは
その観念がゼロですから。
アメリカインディアンも
ゼロでしたけど……。
アメリカインディアンの
ジェロニモが戦争に勝った時、
ジェロニモを王にすればいい、
という案が出るわけですよね。
ジェロニモもその気になったんです。
だけど翌朝、
インディアンの部族が
連合を解いて帰っちゃうんです。
そんなもんを作るのはイヤだと。
で、インディアンが負けちゃう。
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タモリ |
アメリカ的な話ですね……。
そう考えると、
縄文から弥生に移る時って、
おもしろいですよね。
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中沢 |
ええ。
資本主義が
生まれるか生まれないかの。
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糸井 |
中沢くんの考えによると、
また、縄文に
近づいていくんだよね、
おおきく孤を描くように。
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中沢 |
うん。
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糸井 |
案外、すぐかもしれない。
それがおもしろいと思う。
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中沢 |
そのきっかけを作ったのが
"9.11" だとしたらおもしろい。
あれは自壊の方向ですよね。
主義はいろいろあるけれども、
ヨーロッパでは
一神教がベースになっちゃってる。
だけどイスラム教のほうは、
「一神教の中の経済的負け組」
ですから、そのあいだで
激突が発生しちゃうのは
しょうがないんですよね。
(明日に、つづきます) |