── |
あ、赤とんぼだ。
このゲーム季節感があっていいですよねー。 |
大貫 |
そうなの。
いまの時期はアキアカネがいっぱいいる。
売るとむちゃくちゃ安いの。80ベルだっけ? |
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日笠 |
そうだっけ? |
── |
そういう「80ベルだっけ?」みたいな話って、
日常会話で出ちゃいません? |
大貫 |
そう!
私たちね、ご飯食べに行ったりすると、
『どうぶつの森』の話ばっかりしてるのよ。
それでね、このまえスタジオで、
エンジニアの人と、
『どうぶつの森』の話をしてたの。
そしたら、高野寛(ミュージシャン)君が
途中からスタジオに入ってきて・・・
つまり、話を最初から聞いてなかったわけ。
で、そのときちょうど私が話してたのが、
「あのさ、隕石もらったんだけど、
いま、私の部屋で宙に浮いてるんだよね」
っていうところで(笑)。 |
── |
意味不明だ(笑) |
日笠 |
そうそう(笑)。
それでね、夜、録音が終わったとき、
うちに、すっごく不思議そうな声で、
高野君から電話かかってきて
「あの、大貫さんちに、浮かぶ隕石が
あるようなんですけど」って(笑)。 |
── |
あはははははは! |
日笠 |
で、私、
「あら、うちにもあるよ、その隕石」って。 |
── |
(笑) |
日笠 |
あとね、ター坊(大貫さん)んちで
これを泊まり込みでやったときに、
紀ノ国屋スーパーに行って
ふたりで食料を買い込んでたの。
そうすると、会話が全部『どうぶつの森』に
影響されてて。たとえばお刺し身コーナーで、
鯛があったりすると、
「あ、鯛だ、3,000ベル」とか(笑)。
「あ、紀ノ国屋では、スズキが高いね」とか。 |
── |
はははははは。 |
日笠 |
ふたりで道歩いてても、
いろんなものが目について。
植木があると、
「あ、パキラ! 1200ベル!」とか。
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大貫 |
そうなのよ。最初やり始めたとき、
ぜんぶがアイテムに見えちゃうのよね。 |
日笠 |
そうそう!
エレベーターに乗ってて、ビーッて開くと、
「あ、すすけた絨毯!」とかね(笑)。 |
大貫 |
最初のころだけだけどね(笑)。
最近はさすがにないですけど。 |
── |
なるほど。あの、さっき、
さらっとおっしゃってましたけど、
泊まり込みで『どうぶつの森』を? |
大貫 |
そう。泊まっちゃったのは1回だけだけれど、
マーコさんも、泊まり込むつもりはなかったのよ。 |
日笠 |
終わらないだけなんだよね。 |
── |
「終わらないだけ」? |
大貫 |
そう。とりあえず、夜ご飯一緒に食べて、
「やろう」って家に来たのね。
たぬきちの店をデパートにしてもらわなくちゃ
ならないから(笑)
そしたら、2時ぐらいになっちゃって。
たぬきち |
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日笠 |
そのときの会話はね、もう、ほんとうに、
たぶん小学校3年生レベル(笑)。 |
大貫 |
そうそう(笑)。 |
日笠 |
「キャーかわいい!」とか、
「ワー!」とか言ってるんだけど、
ただ、シャンパン飲んで、
チーズつまんでるところが
小学生と違うっていう(笑)。
|
── |
シャンパンとチーズ(笑)。
おふたりがそこまで楽しめるのって、
なぜなんでしょうね?
ほかのゲームで、
そんなふうになったことってありますか? |
大貫 |
ないですね。
これに近いのってあったっけ? |
日笠 |
ううん。あの、このゲームって、
イヤなことがぜんぜん起らないっていうか。 |
大貫 |
そうそう。 |
── |
あああ、なるほど。 |
日笠 |
ストレスないし平和だし。
あとは、なんていうのかな?
その、癒し系とはいわないけど、
心がすっごい楽になって優しい気持ちになれる。
子どもの心に戻れるというか、
なんかすごいほのぼのする。
ほかのロールプレイングゲームみたいに、
人の家にどんどん入って、
勝手に宝箱開けたりしないしね(笑)。
バトルもないし、爆発シーンとかもないし。
ちょっとしたイジワルみたいなことはあるけど、
あとくされないしね。
|
大貫 |
うん、ぜんぜん。
やっぱり、よくできてるんですよね。
私は彼女と違って(笑)
そんなに深く思い入れてるわけではないけれど、
そこが作られた世界で、
ゲームだとわかってるからこそ
おもしろいっていう感じなんですけど。 |
── |
なるほど。
たしかに、よくできた世界だから、
安心してそのなかで遊べるっていうのは
ありますよね。 |
日笠 |
あと、細かいところでいうと、
すっごく趣味がいいですよね。
音楽の趣味だとか、デザインとか。
嫌いなものがぜんぜんないの。
言葉もね、すごくこう、セリフもいいし。 |
大貫 |
うん。 |
日笠 |
かわいい、みんな。
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大貫 |
あと、このゲームって、
べつに毎日やらなくてもいいっていう
作りじゃないですか。
でも、なんかちょっと気になっちゃうっていう。
時とともに、季節も変わっていくし、
森の色も変わっていくし‥‥。 |
日笠 |
時間が流れているのはすごくいいですよね。
私たちはふたりとも
リアルタイムでやってるから、
どっちのゲームのなかにも
同じ時間が流れてるんですよね。
だから、ゲームのなかで
催し物があったりしてもすぐに共有できる。
遊んでて、驚いたことがあったりすると、
すぐに携帯でター坊にメールを打って
おんなじノリでやり取りしたり。
そういう意味でも、
やっぱりひとりでやるよりも、
何人かでやったほうが楽しいんだと思う。 |
── |
そうですよね。このゲームのおかげで、
会うことになったりとか、
会ってないのにいっしょに遊べたりとか、
そういうことがすごい楽しいゲームだな、
っていうふうに思います。 |
大貫 |
うん。
|
── |
もともとおつきあいのある
おふたりのような関係で楽しめたら、
最高なんでしょうね。なんでも、
30年来の友人とお聞きしましたが。 |
日笠 |
うん。なんでそんなに長く
つき合えるかっていうと、
「オトコの趣味が違うから」なんですけど(笑)。 |
大貫 |
(笑) |
── |
(笑)
|
大貫 |
でも、ハチェットはいいと思うけど。 |
日笠 |
あ、よかった(笑)。あの、私たちって、
二十歳まえくらいからのつき合いなんです。
だから、幼友だちのようでいて、お互いの
子ども時代のことは知らないんですよ。
それが、このゲームを通して、
いま、その、私とター坊の、
会えてなかった時代を
経験しているような‥‥。 |
大貫 |
なに言ってんの(笑)。 |
── |
いや、最後までどうぞ! |
日笠 |
小学校、中学校時代の彼女に
‥‥いま会ってる感じがする。 |
── |
パチパチパチパチ(拍手)!! |
大貫 |
えぇ? そーかなー。 |
── |
ちょっと泣きそうになりました!
今日はどうもありがとうございました! |
日笠 |
ありがとうございました(笑)。 |
大貫 |
べつに、そんなかなあ(笑)? |
── |
(笑)
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