「あややさんのような写真は ぼくには撮れないな。 こういう人っているんです」 |
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「近づかれるほうは、怖いですけどねえ」 | |
「はい、とっても怖いです!」 | |
「じぶんの写真を 見てくださっているというので 途中参加いたしました。 恐縮であります!」 |
「無遠慮? 遠慮? 撮る撮られるの距離」からの 続きだと思ってお読みくださいませ。 むやみに近づく「無遠慮カメラマン」あややの写真と、 なかなか近づけない「遠慮カメラマン」モギの写真を くらべながら、お話ししてきました。 ▲撮影:あやや ▲撮影:モギ |
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あややのは一眼レフ、 モギのはGRというカメラのちがいとともに、 あやちゃんは「近づく才能」があると。 そういう人はうらやましいねっていう お話しでしたね。 |
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で、ぼくら、モギの写真は 「遠慮か、びびりがあって、 近づけてないんじゃないか」 と仮説を立てていたんですが そうではなくて、 広い範囲をくまなく写す GRというカメラの特性であると。 たしかによーく見てみると、 モギの写真は「ビビってる」わけでは ないような気がしてきました。 ▲撮影:モギ |
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ビビッてはいないです。 | |
糸井さんが、すごく心を許している感じがする。 | |
よく、モギに「俺を撮れ!」って 言ったりしてますよ。 これもいいですね。 ▲撮影:モギ |
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これは避難訓練をしてたときに、 うしろから「茂木、俺だ!」っていうから 振り向いたら糸井さんだったんですね。 |
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(笑) | |
これ、モギちゃんが糸井さんに 尊敬とか遠い距離を思っている以上に、 糸井さんからはモギちゃんへの距離が近いんだよね。 被写体の側からの距離が写ってるんじゃないかな。 って、僕が分析してどうする。 |
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いや、その通り。 だから彼女の写真は「遠く」ないんです。 広角だから、いろんなものが写ってるけど、 遠くはないと思う。 |
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主題が写っていれば遠くはないんですね。 | |
ちょっとこれはね、 深い話になっちゃうかもしれないんですけど、 距離の問題でいうなら、 あややさんの写真とモギさんの写真、 一見あややさんのほうが近いです。 モギさんのほうが一見遠いです。 けれど、むしろさかさまなんです。 |
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ええ〜! | |
じつはモギさんの写真のほうが、近いです。 なんて言えばいいんだろうな、 そこが写真の面白いところで、 あややさんのは、 普段の素直なこの人たちの 表情みたいなものが写っている。 だからそれはそれでいい写真です。 |
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いい写真。 | |
だけど、モギさんのは、 そこには「もの」としては写っていない、 糸井さんの茂木さんに対する感じとか、 茂木さんが糸井さんに対する感じみたいなものが 写っている気がしますよね。 |
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確かにあややのは、 そういう「やりとり」というか 気持ちの交換がないままの、 ゲリラ撮影なんですよね。 |
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そうなんですね。 表面が写っているんです。 |
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ある意味、暴力的(笑)。 | |
そうですね。 | |
あやちゃんの写真は、 撮る人の面白さなんですね。 撮られる人はもうなすがままで、 でも茂木さんのほうには、 関係が写っているんですね。 |
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だからあややさんの写真は 「うまいな〜」って思うし、 実際にすごくいい写真です。 きっと本人も、 おもしろくなってきているはずですから、 もっといっぱい撮ればいいのに。 それにしても、もぎさんの写真いいですよ。 |
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(入ってきて聞いていた) あら。どうしましょう。 恐縮でございます! |
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弊社にはあややタイプの写真を 撮る人はいなかったんで、 びっくりしたんですよ。 |
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(笑) | |
あ、わかる。それも。 | |
なんか異質な写真を見た感じ。 | |
それはわかります。 | |
「うっそ、あやちゃんが カメラ持つと、こうなっちゃうんだ」って。 取材に行ってカメラもたせると たいへんなことになっちゃうんだけど(笑)、 これはこれで生かしたらいいなあと。 |
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そうそう。 | |
あややさんっていうのは、 ふだんから人と話すときの距離感が、 一歩近いですね。 |
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なるほど。 | |
僕なんか、いつもおなかを 触られているもん。セクハラだ。 |
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(笑)そういえば、思いだしたんですけど、 糸井さんは私に写されるときに、ちゃんと 「モギが撮りやすいように」って、 ちょっと表情を変えてくださったりもするんですよ。 |
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ああ、なるほど。 そういうムードもわかりますね。 ▲撮影:モギ |
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こういう顔って、 一番糸井さんっぽい糸井さんだねえ。 僕らが知っている、ふだんの糸井さんが 全部出ているね、これ。 僕が撮ってもこうなんないんだよ、だから。 |
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僕が好きなのはそういうことなんです。 それが写真だと、僕は思っているので。 そういうことが写っている写真は やはりいい写真ですね。 どちらもいい写真なんですが、 もしもこれらの写真が、 雑誌にでも使われたとしたら、 それが使われる場所によっても、 かなり違う印象になるのでしょうね。 |
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なるほど。 | |
なるほど。 | |
どうもありがとうございました。 次回はまた別のテーマでまいりましょう。 |
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(次回につづきます!) |