「みんな、写真を楽しんでくれてて、 なんだかうれしいです」 |
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「だいたいみんなの質問が終わったところで ちょいとお邪魔いたしますよ」 |
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「あっ、スピードカメラマン」 | |
「素早い一発どりの」 | |
「茂木さんではないですか」 | |
「今回で“はじカメ”編はおしまいですー」 |
わたしからも質問がひとつ。 いいですか? |
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どうぞ、どうぞ。 | |
みんなは撮られるときに 待たされるのって嫌なのかな? わたしは、速く撮るって言われてて、 なぜかというと、わたしが撮られるときは 速く撮ってくんないと嫌だからなんですよ。 |
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嫌なんだ(笑)。 | |
はやく撮ってよ! って思いません? |
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んー? | |
そんなには‥‥。 | |
遅い人でも、 「あ、ゆっくり撮るんだな」って 思って待ちますよー。 |
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うむ、それがふつうのひとだ。 | |
あたし、せっかち? | |
全員 | たぶん。 |
(笑)でもまあ、理由にもよるけど、 理由のわからないままのときは、 待たされすぎて嫌なときが、 きっと、あるでしょうね。 |
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そういえば、わたし、GRを買う前は、 糸井さんによく言われてました。 「とみちゃん、遅い!」って。 それは、カメラじたいが、 のろまだったんです。 それでGRにしたら、 電源の立ち上がりがすごく早いので、 言われなくなりました。 |
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わたしもGRに決めたきっかけがそれなの。 人を待たせないで済むっていうのが すごくいいなと思って。 せっかちとしてはね。 |
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ただ、「あえて、ゆっくり」ということが 必要なこともあるんじゃないかな。 ぱぱっと行くのがすべて、 というわけではないから。 |
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人によって撮りかたが違っても いいんじゃないかなあ。 それぞれ「その人の写真」になる気がしますよ。 ただ、糸井さんだけは、早く撮った方が いいかもしれないけど(笑)。 |
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わたしが糸井さんにカメラ向けると、 遅いとは言われないけど、逆に、 「はやすぎる!」「いつ撮ったんだ!」 「もっとちゃんと撮れ!」とか言われる。 どっちにしても何か言われるのよ。 (ぶつぶつ) |
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その、怒られるのも含めて モギちゃんの写真でいいんじゃない? 菅原さん、今回で「はじめてカメラ」編は 最後になりますが、 なにか、さらなるアドバイスはありますか。 |
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そうですね、こうして全部見ると、 ちゃんとプリントして見たら、 またいいんじゃないかなと思います。 |
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デジタル写真でも? | |
デジタル写真でも。 | |
それ、わかります。 ちょっといいなって思う写真が撮れると プリントしたくなるんです。 |
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じつはぼくも、 MacのiPhotoのプリントサービス、 ときどき使ってます。 |
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なんですかそれ? | |
iTunesの兄弟ソフトです。 インターネットでプリントが注文できるんですよ。 なんだろうね、形に残るのが、 いいのかな。 |
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「もの」になるんですよね。 元々はデジタルってデータなんだけど、 プリントになって初めて「もの」になる。 ロマンティックな言い方すると、 目に見えないものは 写らないはずじゃないですか。 だけど分からないじゃないですか。 でもこれが「もの」になることによって、 たとえば「雰囲気」だとか、「思い」が ちゃんと写る、あるんだってことが、 プリントになってはじめて 確かめられるような気がするんです。 |
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前に、ぼくが、 おいしそうに撮れなかった写真が あるじゃないですか。 パリに住んでいるともだちが遊びにきたので、 なにかおいしいものを食べようよって 集まったときの写真。 |
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わっ‥‥ | |
なんだか‥‥ | |
たしかに‥‥ | |
このときぼくは、撮るべきではなかった、 撮らないと決めて、 おいしい印象を思い出にするほうが ずっとよかったと言いました。 |
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はい(笑)。 | |
後日、このとき一緒にいたともだちから、 写真が送られてきたんです。 日付が88年で止まってるような、 フイルムのコンパクトカメラで撮ったもので、 しょうじき、おんぼろだったんです。 でもね、その写真がこれで。 |
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ああー。 | |
これ、いいでしょう? すくなくとも、ぼくが最新型の デジタル一眼レフで撮った ヘタな料理の写真より、 格段にいいんです。 別にね、ピントも合ってないし、 たぶん、プリントも技術的には いいとは言えないですよね? |
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うーん(笑)、これ、手焼きかな? | |
いや、パリの、カメラ屋に出した 機械のプリントだと思います。 |
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だとしたら、これ、現像液がもう へたっちゃってると思います。 |
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ありゃ。 | |
定着液を使い回してて、 もう力がないのに、 まだ使ってるんだと思う。 |
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ありゃりゃ。 でも、それもこれも なにもかも含めて、 「いい」って思ったんですよ。 |
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うん、そうですね。 これは、いいと思う。 たまたま、こうなったんだと思うけど、 でも、やっぱり、いいですよ。 |
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すごく嬉しかったんです、この感じ。 パソコンでデジタル写真を送ってもらうのと、 エアメールでこれが届くのとでは もうぜんぜん、意味がちがってた。 なんか、この感じ、 忘れてたなあって思って。 |
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この大きさもいいよね。 プリント・イコール・サービス判ていうのは 日本だけだものね。 これはキャビネサイズより大きいですね。 |
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うん、うん。 | |
ああ、大きいですよね。 | |
(測る)126ミリ×190ミリです。 えーっと、(調べる) APSフイルムを現像するときの 「2LW」っていうサイズのようですね。 |
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キャビネサイズ(12センチ×16.5センチ)に するだけでも、かなり印象が変わりますよ。 あるいはポストカードサイズとかも。 |
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やってみようっと! | |
あの、デジタルカメラの画面って、 比率が4:3ですよね。 フイルムは3:2ですよね。 えっと、12:9と、12:8か。 印画紙は、フイルムサイズだから、 デジカメのデータをプリントすると はしっこが切れちゃうってことですか? |
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ええ、トリミングされちゃいますね。 でも最近は、3:2の比率の画面で 撮れるデジタルカメラもありますよ。 |
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ぼくのは‥‥だめか。 あと、おききしておきたいんですが、 このごろ、家庭用の写真プリンタって すごくいいじゃないですか。 あれと、カメラ屋さんの現像と、 どっちがいいんですか? |
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たしかに家庭でのプリンタも、 すごくよくなってますよね。 くっきりきれいにプリントできるし、 すぐに見られる楽しさもあるし。 それで、家庭用はインクジェット、 お店は現像液という違いがあるんですが、 デジタルでも、現像液を使って プリントした写真は、 なにかちょっといい感じになると思ってます。 |
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ははぁ。 | |
いちど、やってみてください。 どちらにしても、いちど、 気に入った写真をプリントしてみると いいと思いますよ。 それくらいかな、言いわすれたことは。 |
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ありがとうございました。 ということで「はじめてカメラ」編、 これでいったんおひらきです。 また、あらためて、教えていただきましょう。 |
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ありがとうございました! | |
こちらこそ。 |