#44 デジタル写真もプリントしてみたい!その1 パソコンで「現像」ができるの?!

講師

菅原一剛 「おっ、新入部員ですね。
 歓迎です。ことしもよろしく!」

今回の部員

ナカバヤシ 「はじめて参加します。
 プリントをちょっとしてみたいって
 思ってます。
 よろしくおねがいしまーす」
シェフ 「もう松の内を過ぎましたが
 あけましておめでとうございます。
 ことしもよろしくお願いしまーす」
ナカバヤシ 私、プリントをしてみたいんです。
それで、家で、というよりは、
外に出すのがいいんでしょうか。
デジタルデータをネットで送ると、
たとえば富士フイルムのお店で
受け取りができますとか、
いろんなパターンがあるんです。
どういう形で出すのが一番いいんですか。
シェフ 宅配便で届けてもらうのサービスも
ありますよね。
菅原一剛 プリントってね、
二つ目的があると思うんです。
ネガの時代は、現像といっしょに
プリントをしてもらう、
同時プリントってありましたよね。
もちろん今でもあるけど、
何枚かプリントして
写っている仲間にあげたり、
アルバムに貼ったりするために
そうしていました。
その目的だったら、
いまはデジタルデータだけれど、
必要なデータだけを
ネットで送ったり、
お店に持っていったりして
好みのサイズでプリントしてもらう、
という方法でいいと思うんですよ。
でもね、面白いのは
家で、インクジェットプリンターを使って
プリントすることだと思うよ。
 
シェフ へぇー?!
ナカバヤシ はー、意外!
すごく意外です!
そうなんですか!
菅原一剛 いまや、コンパクトデジタルカメラも
それに十分応えてくれる解像度です。
もちろん、面倒くさいとか、
ぜんぜん興味がなかったら
おススメしないですけど、
僕は写真って、オブジェだと
思ってるところがあって、
「プリントが写真だ」と
思い続けてきたとこがあるんです。
シェフ 液晶モニターに映っているのではなく、
紙に写って、「もの」になってこそ
「写真」だと言えるってことですよね。
菅原一剛 近ごろのインクジェットのプリンターが、
前よりもよくなったことがあって、
それは用紙を選べることなんです。
昔はモノクロはいっぱい選べたんですけど、
カラーは本当に選べなくて、
ペラペラの紙しかなかった。
でも今は、エプソンにしてもキヤノンにしても
各社すごくいい紙を提供してる。
安い紙で練習してテストして、
ここぞという時にはいい紙を使って、
という楽しみ方をするといいと思う。
ナカバヤシ はー!
菅原一剛 ぼくら、デジタルは便利だって
思っているけれど、
その便利な感じのままでは、
楽しみが浅いですよね。
だから、デジタルをゆっくり
丁寧に扱っていくということが、
実はすごく大事というか、
そうじゃないと面白くなくなっちゃうと思う。
家でインクジェットのプリンターで
ウイウイウイってやるっていうのは、
面倒くさいけど、楽しいよ。
ナカバヤシ そのプリンターも
おススメの機械があるんですか。
菅原一剛 何がいいんだろうな。
ぼくはエプソンのプリンタを
普段は使っています。
シェフ 写真のエプソン、
ドキュメントのキヤノンみたいに
言われたりしますよね。
ナカバヤシ ああ、そうですね。
菅原一剛 ただ、同じエプソンでも複合機と呼ばれてる
何でもできるタイプのプリンタが
あるじゃないですか。
ああいうものが今売れていて、
もちろんそれでもいいんだけれど、
A3ぐらいまでプリントできる、
顔料インクが使えるタイプだと
面白いと思いますよ。
シェフ ちなみに「染料」が紙に染み込むインクで
「顔料」は紙の表面に残るインクですね。
ナカバヤシ 高額なんじゃ‥‥。
菅原一剛 そんな高くないんじゃないかな。
シェフ えーと、ネットで調べると、
A3対応の顔料インクのプリンタ、
2万円台からあるようです。
ただ、A3まで印刷できるのは、
家に置くと相当でっかいですよ。
菅原一剛 だったら複合機でも
もちろん、いいんだよ。
ぼくがこのあいだ買った複合機って
1万いくらだった。
スキャナーもついて。
ただ、染料インクだけれど。
ナカバヤシ 顔料インクは何がいいんですか。
菅原一剛 顔料インクはね、
フレスコ画と一緒ですから退色しない。
100年経っても200年経っても
色が変わらない。
シェフ

そんなに長く生きませんけどね。

菅原一剛 そうですね(笑)。
プリンターはね、面白いよ。
 
ナカバヤシ 面白いですか!
シェフ 僕もこのあいだ親に買わされたんです。
2万円台の、スキャナーとかついてる複合機だけど、
いいんだよね、やっぱり。
今どきのプリンターって
メディアを入れると直接、
プリントできちゃったりする。
まあ、それはパソコンで
色味を調整して出力したほうが
絶対いいんだけど。
ナカバヤシ へぇー、そうなんだ。
菅原一剛 そうだね、ゆっくり丁寧に写真を作る、
というのは手間がかかるけど、
撮影するときにRAWデータで撮って、
カメラに付属していたソフトで「現像」して、
それをプリントして、
とか、やってると、とっても楽しいですよ。
シェフ RAWデータ。
生のデータってことですよね。
ふつうは、デジカメが自動的に
jpgなどのフォーマットに変換して
見せてくれるんだけど、
それをしないで、撮ったままを保存して
あとから、パソコンで「現像」する、
ということですね。
ナカバヤシ へぇー、すごい!
「現像」とかって、フイルムを液に浸して、
乾かして、印画紙に焼き付けて、
みたいなことを想像するんですが。
菅原一剛 それを、デジタルデータをもとにして
パソコン上で行なうことができるんですよ。
ナカバヤシ いいことを聞きました(笑)!
デジタルカメラってウェブにのせるとか、
人に配るとかだけが便利だと思ってました。
菅原一剛 それも一つあるんですけど、
でも、それだけじゃないんです。
ナカバヤシ フイルムの時に
現像まで自分でする人って
そんなにいなかったじゃないですか。
でも、カメラに興味ある人は
一回暗室にこもってみたいな、
やってみたいなというのが、
あったと思うんです。
自分で、それなりに
こだわりながらできる。
写真を出す楽しみがあるなぁって。
菅原一剛 多分、ナカバヤシさんにも
できると思いますよ。
ナカバヤシ ああ、いいなあ!
やってみます!
  (つづきます)
  最新のページへ その2へ
2010-01-14-THU