2014/10/24 22:07
辞表
松家さん
「いっしょにやりましょうよ、と
声をかけたのはぼくです。
そのときにはすでに岡戸さんを編集長とした
雑誌を作ろうと考えていました。
岡戸さんも、雑誌を作りたいって、言ってましたよ」
岡戸さん
「うーーーん、言ってたんでしょうかねぇ。
そうでしたかねぇ。
そうだったとしたら、忘れてるんですね」
糸井
「うん、だって、そのあとこうして作ってるからね。
こうしてちゃんと作ったときには、
最初の気持ちは忘れちゃうものなのかも
しれないと思います。
おふたりのほかに、代表の佐藤真さんが
いらっしゃるわけですが、
こういう事業をはじめるときって、たいてい
もっと組織だってやればいいのに、とか
どういう要素がこの会社を食っていかせるの?
ということを問いかける人が
あちこちにいるものです。
たくさんややこしいことを指摘されて
そんなんだったらもう辞めた! と
言いたくなっちゃう。
でも、3人で、そこを乗り越えられたということは
雑誌を作りたいという気持ちが強かったのでは
ないでしょうか。
自動車を好きな人が、とりあえず
運転はじめちゃった! みたいな感じかな?」
松家さん
「きっと、『ほぼ日』もそうですよね」
糸井
「ええ、はげしく、野蛮にはじめました。
若い人が夢を語るときでさえ、
もっと頭を使っていると思います。
『つるとはな』は3人ですが、
ぼくはひとりではじめたので、
いつも自分に出す辞表を持ち歩いている気分でした」
松家さん
「あ、それはぼくらもです。
ぼくらも、辞表を懐に入れてますよ」
岡戸さん
「辞表、ありますね」
糸井
「わははは。それ、貧乏な人のコツかもしれないね」