• 音楽ホールができました

    いそがしさにかまけて、
    更新がすっかりとどこおっちゃいました。
    すみません。
    でも「どうぶつの森」がおもしろいのは
    そういう忙しいときでも、
    ほんのちょっとでも「村に行こうかな」と
    思ったりすることです。
    実家に帰るには1時間以上かかるけど、
    みつぼし村なら、5分以内に帰れますから。

    みつぼし村には「キッズ」さんという
    パンキッシュなメイクをしたカンガルー母子が
    引っ越してきました。
    一気に住人がふたり増えました。
    こどもが外に出て歩いてるのは見たことないけど。
    このところ村の管理があまりできていないので
    花が枯れたりもしていますが、
    みんなあんまりキリキリせずに
    のんびりやってます。

    ハッピーホームデザイナーのほうは、
    「音楽ホール」ができましたよ。
    ホールというからには、
    こけら落としにオーケストラを揃えよう!
    と思っていたんですけれど、
    あんがい、コンパクトな場所で、
    楽器を詰め込んだら客席がなくなっちゃいそう。
    どうしよっかなと考えて、
    そうだ、この夏に、矢野顕子さんの
    ブルーノート公演を観た!
    あれは、ドラムとベースとピアノという
    トリオ編成だった、と思い出し、
    そんなふうにセッティングをしました。
    ステージにはなんとか
    ゲストにギタリストひとり呼べるくらいの
    余裕もできました。
    これで矢野さんのトリオの公演だ!

    ‥‥と、完成したホールに行ってみたら、
    リハらしきものをやってました。
    そして、かなりの迫力のある女性が中央に。
    えーっと、あなたは、矢野さん‥‥じゃないよね。
    アレサ・フランクリンみたいなど迫力。
    おなじ「あきこ」でも、和田さんのほうかも。
    ええと、お客さんがいっぱい入るといいですね。

    で、その、ステージに出ていた
    キャラの濃い女性ですが、
    「おさい」さんというかただとわかりました。
    ここが気に入ってくれたのでしょうか、
    旅暮らしをやめて、
    土地と家を買うことを決め、
    根をおろしてくださるとのこと。
    うれしいかぎりです。

    「おさい」さんは、
    空き地暮らしが長かったようで、
    コーディネートの要望も「空き地」。
    そう、彼女の原動力は、
    びんぼう時代の想い出なのでしょう。
    ハングリーなきもちを忘れないからこそ、
    迫力とかなしみのある音楽を
    つづけられているのかもしれません。
    得意なナンバーは和田アキ子の
    「コーラス・ガール」だと思います。

    ということで、
    部屋の中を空き地ふうにコーディネート。
    「おさい」さんは、じっと黙って
    目をつぶって、想い出にひたっておられました。
    ステージではラメ入りの黒いドレスでしたが
    プライベートではあんがいかわいい
    ワンピースをお召しになられていました。

    さらに、広い敷地は、駐車場と駐輪場として
    「小商い(こあきない)」ができるようにしました。
    まんがいち、音楽での実入りがすくなくても
    こっちでなんとかやっていけるようにという、
    わたくしのちいさな配慮でございます。
    ホールは空席が目立ったけど、
    駐車場も駐輪場も「満」でございました。

    2015/09/15 11:32

  • 飲食店をつくりました。

    公共施設づくり、第3弾は飲食店です。

    わたしには
    学校建設の大失敗という
    苦い経験があります。

    (ときどき学校を覗きにいくたびに、
    暗澹たる気持ちになります)

    そのため、第2弾の
    病院経営にはちょっと気合をいれました。

    そして第3弾は、
    「飲食店」をつくることにしました。

    では、さっそく完成した店内を
    ご覧ください。
    外観はたいへんメルヘンなんですけど‥‥
    室内は純和風です。

    めざしたのは、
    「天然温泉付き飲食店」です。
    だってね、ビールも食事も
    一番おいしく感じるのは、
    なんといっても、
    湯上がりではないでしょうか。

    というわけで、店内に、
    露天風呂とまではいきませんが、
    窓をオープンにできる浴槽を用意。
    どこかから汲み上げた
    天然温泉が源泉かけ流し状態です。

    お風呂あがりには
    フレッシュジュースを。
    レジの下は、洗濯乾燥機になっています。

    メニューは和定食。
    いまが旬の、脂ののったサンマも
    七輪で焼いてます。
    じゅわ〜〜っと香ばしいにおいが、
    室内にたちこめて、
    「は、早くビールを!!!」
    という気持ちになれることまちがいありません。

    最初におとずれたのは
    たぬきハウジングのみなさんでした。
    ホンマさん‥‥なぜウェイターを?

    1日1組限定のお店で、
    ファミリーでも
    社内研修でも使用可。
    お風呂はパーテーションで
    仕切られていますが、
    外国のスパ風に、水着も着用可です。

    翌日ものぞいたら、
    2組の夫婦が来ていて、
    たいへん盛り上がっていました。

    きょうは金曜だし、
    わたしも早く仕事を終わらせて
    ここに来たい‥‥。

    2015/09/11 18:10

  • 打ち上げ‥‥?

    ホテルも作り終わったし、
    お役所のしごとも完了。
    さて、これからは、
    日常が続くのだとおもって出社。

    デスクワークのタクミと
    朝のおしゃべりをしていると
    どうも昨日は
    ホテル完成の打ち上げがあったようだ。
    あったようだと書かざるをえないのは、
    打ち上げをした記憶が無いからである。
    飲み過ぎたか?
    飲み過ぎて記憶が飛ぶのは
    まあ‥‥よくあることだから
    細かいことは気にしないわけだが、
    まるっきり記憶がないとは‥‥。

    まあいいや。
    ???ばかりが頭にうかぶが、
    さっさと仕事しよう。
    なんですと?
    スピリチュアルな空間ですと?

    ふむ。
    では。
    まず、スピリチュアルな
    空間というようなことをおっしゃる方は
    将来的に、
    手相、星占い、なにか占い、
    というようなことで、
    お客様を家にお招きする
    可能性がありますので、
    さっさとそのお部屋も
    つくっておこうと思います。

    そして、広い部屋のほうは
    みんなで集まって降霊会が
    できるようなしつらえにしました。
    きっと文献も
    たくさんおもちでしょうから、
    本棚も作っておきます。

    なんか‥‥違うなと感じはしましたが、
    お客様きにいってくださったし、
    まあいいか。

    次!

    2015/09/09 20:39

  • 本気の「ごっこ」。

    『どうぶつの森』シリーズを遊んでいると、
    つい、本気になって考えてしまう。
    いや、おもしろいゲームを本気で遊ぶという
    ふつうのことではなくて、
    思考として日常的な真剣さで
    事に当たってしまう、ということである。
    夢の中で、とても不条理な状況なのに
    すごく真面目に考えて
    ふつうの受け答えをしてしまう、というのと近い。

    たとえば、「こどもがのびのび遊べる家」
    というようなことをリクエストされて
    ひとつひとつの家具を選んでいるときに、
    どうしても「これじゃ危ないな」
    という考えが頭から離れない。
    テーブルひとつ選ぶにしても、
    安定していて、角のないものを選んでしまう。
    この電気スタンドはかわいいけど、
    ひっくり返しちゃうだろ、という気持ちが消えない。
    花も飾りたいけど、危ないよなあ、
    せめて机の上に乗せて伝い歩きのときに
    手に届かないようにしようか、などと考えてしまう。

    良識のある常識人を気取りたいわけではない。
    むしろ、ゲームの中の要素をたのしむために、
    いろいろはっちゃけたい、という欲すらある。

    けれども、どうしても、思考がふつうである。
    「学校」をつくれ、といわれると、
    掲示物は目に見える場所に貼りたくなるし、
    イスを置くならイスを引くスペースを確保したいし、
    文字を書くときに手の影がじゃまにならないように
    黒板は窓に向かって教室の右側に据えたくなる。
    だから、いつも、仕上がりが「ふつう」だ。
    たまに突飛な部屋もつくってみようとするが、
    やっぱりいつもの「ふつう」に落ち着く。

    『ハッピーホームデザイナー』だけでなく、
    『どうぶつの森』シリーズ全般において、
    いつもぼくはこのあたりの
    「ふつう」と「突飛」を
    ゲームの序盤に何回か行き来したあと、
    やっぱり、どうしても、
    「ふつう」にしみじみとした喜びを感じて
    そちらを選ぶことになる。
    自分はこちらがいいのだ、と。
    それは、「シンプルで無難」というような
    デザインとしての「ふつう」ではなく、
    思考の筋道としての「ふつう」である。
    「ふつう」だから選ぶというよりも、
    違う道を目指すと「ムリ」をしなければならない。
    「ムリ」は心地よくない。

    けっきょく、ぼくは、どのゲームにおいても、
    「その世界にのめり込みたい」のである。
    その世界にのめり込むということは、
    「その世界のなかで
     本気で自分として振る舞う」
    ということであると思う。
    たとえば『MOTHER2』であれば
    裏庭に隕石が落ちてびっくりした少年として
    どう行動するだろうか、ということが軸となる。
    『ストII』であれば、気合いを入れれば
    両の手から波動のかたまりを打ち出すことができる
    努力の空手家としてそこに立っていたい。
    いや、笑い話みたいだけど、そうなのだ。
    だからこそ、マリオで予期せぬ奈落に落ちたときは
    お尻のあたりがヒヤッとしてしまうのだ。

    究極、それは、「ごっこ」であるのだろう。
    このゲームに限らず、ビデオゲームというのは
    だいたいぜんぶ「ごっこ」である。
    いや、ゲームに限らず、
    感情を移入してたのしむということでいえば、
    映画もマンガも小説もだいたいぜんぶ
    「ごっこ」としての側面を強く持っている。

    あらゆる「ごっこ」は、
    入口の垣根を跳び越えてそこへ入ったからには、
    本気で「ごっこ」をしないとおもしろくない。
    鬼ごっこは、本気で鬼に追いかけられている
    と思うからこそおもしろい。
    背後から、角を生やし、金棒を持ち、
    いくらはいても破れない虎のパンツをはいた‥‥
    いや、これは違うぞ、
    「鬼ごっこ」の「鬼」は
    「オニ」であって断じて「鬼」ではない。
    「鬼ごっこ」の「鬼」を
    日本マンガ昔ばなし風の「鬼」にした場合は、
    「ごっこ」の根本の世界観が変わってしまう。
    否! 「鬼ごっこ」の話をしたいわけではない。

    またやってしまったという感じで
    盛大に脱線しつつあるが、
    脱線ついでに寄り道して
    そこを経由しつつ本道を目指すとすると、
    ほぼ日刊イトイ新聞のコンテンツに、
    「気まぐれラジお」というものがある。
    これは、弊社の乗組員、山下とぼくが
    (あと、乱入してくる糸井重里が)
    ユーストリームの配信システムをつかって
    擬似的なラジオ風生中継をお届けするというもので
    ずばり、ページのド頭にも
    「ラジオごっこ」と名言してある。

    この企画を練り上げていく段階で、
    ぼくと山下はしばしば
    「ほんとにこれはラジオごっこだね」と話し、
    だとすれば、本気でラジオ風にすればするほど
    遊びとしてはおもしろくなると確認しあった。
    だから、合間に曲を流すようにしたし、
    メールを募集してそれを読み上げ、
    特別なステッカーをわざわざつくって、
    リスナーにプレゼントすることにした。
    あと、とくにコンテンツには表れてはいないけれど、
    じつはぼくらが放送室としてつかっている会議室は、
    生放送中、照明を蛍光灯から
    天井に吊すタイプのLEDライトに切り替えて、
    ラジオブース風にしている。
    そのLEDライトをどうしているかというと、
    放送前にわざわざぼくと山下が
    会議室の天井に取りつけているのである。
    なぜなら「ごっこは本気がおもしろい」からである。

    この「ラジオごっこ」に限らず、
    ほぼ日のコンテンツは、わりと多くのものが、
    構造として「ごっこ」を含むとぼくは思っている。
    もちろん、そのひとつひとつの「ごっこ」に
    本気で取り組むからこそ、
    お客さんに「ごっこ」を超えて
    おもしろがってもらえるのだと思う。

    余談の余談だけれども、
    つくるにしても、遊ぶにしても、
    「ごっこ」に「本気」で取り組むには、
    自分と同じ純度の「本気」を持った
    「ごっこ仲間」の存在が欠かせない。
    だって、「本気のごっこ」の最中に
    「所詮、ごっこじゃん?」という人が混ざると
    ややこしいし、娯楽の効率が落ちてしまう。

    さて、逸れた放物線をゆるやかにもどしながら
    もうひとつつけ加えるとすると、
    自分がなにかをはじめるときに、
    あるいは、そこに参加する人を集めるときに、
    「ごっこ」というのはとても都合がいい。
    いきなり本気で「野球の大会に出よう」というよりも
    「キャッチボールっておもしろいよ」と誘うほうが、
    言うほうも言われるほうも摩擦が少ない。
    同様に、『どうぶつの森』や
    『ハッピーホームデザイナー』も、
    入口で人々に呼びかけるときのテイストが
    「コミュニティ構築シミュレーション」
    というようなことではなく、
    「お店屋さんごっこ」だったり、
    「スタイリストごっこ」だったりするから、
    こんなにもたくさんの人が
    この世界に入り込んでいるのだと思う。
    (もっというと、
     「おもしろいゲームですよ!」という入口だって、
     ゲームをしない人にとっては高い敷居だ)

    つまり、入口や表層においては、
    「丁寧なごっこ」として振る舞い、
    いったん、「ごっこ」をはじめてからは、
    「本気」で取り組むことによって、
    本質的なおもしろさが深まっていく。
    いいゲームって、
    いつの時代も、どの規模のものも、
    そういうかたちをとっているんじゃないだろうか。

    ああ、すみません、長いですね。
    『どうぶつの森』や
    『ハッピーホームデザイナー』における、
    「いつもふつうなオレ」は
    「いつも本気」だからこそ、
    こうなっちゃうんだよなぁ、と思って、
    そのことを書こうとしただけなのです。

    あ、そういう意味では、今回、
    『どうぶつの森』の二度目のプレイを
    女性の自分としてはじめたというのは、
    ちょっとばかし反省点なんだよなぁ‥‥。

    それでは、また。
    今度はみじかく書きます。

    2015/09/09 18:00

  • ついに、ホテル完成。

    次々とお役所から許可がおりた施設を
    つくってきたわたくし。
    ついにとうとうホテルにたどりつきました。

    もちろん! もちろんやりますとも。
    イメージは金谷ホテル的な
    和洋折衷な明治維新なやつです。
    資材が微妙にたりないのでは、
    と不安になりましたが、
    ロビーには、和風の照明をつけて切り抜け、
    宴会場には、緋毛氈と障子でどうにか。
    とにかく障子には
    助けられることが多いのです。
    いつ穴が空くかと
    ハラハラする建具ではありますが、
    とりあえず、和風になる、と。

    しかし「どうしても和室が」という
    おばあちゃんのために、
    客室は一部屋は和室にしておきました。
    たぶん、
    ここには温泉も湧いてるはずなので、
    大浴場もあるとおもわれるので、
    客室にバスルームをつけたのは、
    洋室だけにしました。

    ふう。
    やったったぜ!

    2015/09/09 10:38

  • ヒポクラテスびょういんと、その別棟。

    要望の多かった病院をつくりました。
    私は、ギリシャ村出身なので、
    病院の名前は「ヒポクラテスびょういん」にしました。
    西洋医学の父といわれる古代ギリシャ人、
    ヒポクラテスがいる病院です。

    ヒポクラテスは約2500年前に実在した人で、
    体質や風土にあった食事をとることで、
    からだの自然治癒力を高めることを大切にした、
    伝説の名医です。
    ハーブやアロマや温泉浴を取り入れるという
    当時としては画期的な療法も
    取り入れたといわれています。

    診療室はカウンセリング形式で、
    ヒポクラテス先生が、その人にあった食事法や
    治療法をおしえてくれます。
    診療室に生えている薬草を、
    その場で調合してくれることも。
    診療室の床は、紀元前のギリシャで使われていた、
    美しいモザイク仕様にしました。

    長い時間を過ごす入院ベッドは、
    大きくて素敵なものがいいですね。
    隣のベッドとの仕切りは、
    簡素なカーテンではなく、
    背の高い植物で仕切りました。

    しずえからはベッドを3つ置け、と言われましたが、
    快適さを優先したいので2人部屋が限界です。

    そこで、もう1つの小さなベッドは、
    お見舞にきた方用にしました。
    患者さんをささえる人たちが、
    看病疲れでつらくならないように、
    疲れたら横になれる場所です。

    壁紙は目にやさしい色を、
    音楽はロマンティックなものを。

    あとは、日光浴や温泉浴ができる
    大きな庭がひつようです。
    しかし、どこにも庭がありません。
    ヒポクラテスは温泉療法や日光浴健康法も
    提唱しているので、庭はかかせないのです。

    こまった私にアイデアがうかびました。
    そうだ、住民に土地を提供してもらおう。

    ちょうどリスのミントさんが
    「アイスクリーム屋をつくって、
     みんなの喜ぶ顔がみたい」とおっしゃっていました。

    そんな、やさしいミントさんに頼み込み、
    そのご自宅の庭を、
    「アイスも売っている ヒポクラテスびょういん別棟
     天然温泉つき日光浴センター」
    にさせていただきました。

    病院からはシャトルバスで
    往復できるようにしたいと思います。

    2015/09/08 23:00

  • 椅子

    大変ごぶさたしてしまいました。
    多忙は怠惰の隠れ蓑。
    お客さまのお家をプランニングするのも大切な仕事の一つです。

    といいながら、今回はおもいっきりサボりまして、
    いろんな椅子に座ってみました。
    働いているふりをしつつお届けします。

    いつもお客さまのご要望をお伺いする椅子にすわって、
    「はいはい、お客様のご要望はなんですか。」
    と言っている気分だけを味わいます。

    今度はお客さまの側に座りなおしまして、
    「実は、リゾートな部屋に住みたくて…」
    と、お客さまの気持ちになってみたりします。

    うーん、これはなかなか働いている感じがでたなぁ。
    さて、だいぶ働いた感じが出たところで、
    そろそろ休憩しようとおもいます。

    2階のパイプ椅子にすわって、
    「ああー、変な客の相手はつかれるなぁ。まいっちゃったよ。」
    と愚痴っている気分を味わいます。

    1階に戻りまして、極めつけの社長イスに座ります!
    「オカムラくん、よく働いているねぇ。
     来月からは給料倍にしてあげるからねー。
     ハッハッハ。」

    おおー、ありがとうございます。社長。

    2015/09/07 20:05

  • 青色につつまれたい?

    今日は2案件を担当しましたが、
    どちらもなかなか
    納得のいく仕事ができた日でした。

    おひとりめ、カエルのクワトロさまから
    受けた依頼は
    「青色につつまれたい」というものでした。

    いや〜〜、これはもう、
    よくぞこのギリシャ村出身の
    私に頼んでくださった、という感じ。

    クワトロさまは、はじめ、
    青い家具を揃えることで
    希望を叶えようとしていたようです。

    もちろんそれはそれでいいのですが、
    私はつい、こんなことを
    言ってしまったんです。

    「もっと‥‥究極の‥‥
    ほんものの青色につつまれたくありませんか?」

    そして、コンセプトとなる写真を
    1枚用意し、お見せしました。

    椅子が2脚、空と海に面しています。
    これは実際に
    ギリシャのイカリア島で撮ったものです。
    (秋の写真なのが残念です。
    真夏なら、空も海ももっと青いんですが)

    夏のギリシャの島々は、
    青い空と青い海が美しいため、
    それをイメージして、
    大自然が織りなす「青」を
    常にクワトロさまの目に映しつづけることが
    できるような家にしたいと思いました。

    仕事はわずか3分で終了しました。

    エーゲ海と気候が似てそうな土地を選び、
    その庭の、海に面した場所に、
    写真と似た2つの椅子を置きました。
    これが、すべてです。
    家の中などどうでもいいのです。
    ここに座るだけで、空と海、
    ほんものの青につつまれるのです。

    (え、手抜き? ちがいますよ。
    デザイナーには引き算もひつようなのです)


    クワトロさまは大喜びで、
    この場所に、
    いつまでもいつまでも
    座りつづけてくださいました。

    (カエルだから、そのまま
    海にジャンプもできて好都合ですね)


    おふたりめの依頼者は、
    猫のちょいさまでした。

    「猫の集会場所」を
    ご希望されていたのですが、
    これもおやすい御用です。
    なぜなら私はリアルワールドで、
    猫2匹と暮らしているので、
    猫の習性を日々観察しているのです。


    まず、猫は上下運動が好きなので、
    高低差のある土地を選びました。
    暑くもなく寒くもない、
    春の土地がいいですね。


    猫がのぼるための木(街灯)をたて、
    庭に、猫がくつろげるための席、
    つまりバケツとカゴを、
    たくさん用意しました。


    猫は自分の体がちょうどおさまるサイズの
    箱や容れ物が大好きですから、
    この席は、集まってきた猫たちで、
    すべて埋まることでしょう。

    (ちょうど、この器に入った猫の
    写真のように! これもギリシャの猫ですね)

    ぜんぶで16匹がこの庭に集まって、
    思い思いにバケツやカゴのなかで
    まるまって、集会ができるのです。

    魚を捕って遊ぶための
    水槽も用意しました。

    裏の砂場は猫のトイレになります。

    どうでしょう、
    猫が寄ってきそうな家になりましたよ。


    こんな依頼ばかりなら、
    毎日たのしいのになぁと思います。

    2015/09/04 23:06

  • くさの日

    最近、現実世界で
    急な仕事が入ってきたときには、
    「秘書のしずえを通してくれますか」
    と言ってしまう、ギリシャ村の村長です。

    きょうもギリシャ村へ帰ったら、
    しずえが言いました。

    「あさみ村長、きょうは9月3日、
    くさの日ですよ!
    園芸屋のレイジさんが広場でお待ちです」

    え?
    くさの日?
    9(く)3(さ)ってこと?

    それは草むしりを何が何でもやらせたい
    レイジの陰謀じゃないだろうか‥‥
    と、若干おもいつつ、
    言われたとおり、広場に向かいました。

    すると、レイジが待ち構えていて、
    案の定
    「みんなで草むしりをしましょう!」と
    持ちかけてきました。


    レイジはすでに
    この村の雑草を数えた、と言います。
    その数69本!
    数えるときに抜いてくれたらいいのに‥‥。


    でもまぁ、過去にも雑草を放置しすぎて、
    レイジを気絶させちゃってるし、
    大変だけどがんばろう、と思い、
    黙々と、草抜きをはじめました。

    しかしなかなか終わりません。
    なぜ、花々は、その上を走っただけで
    はかなくも消えてしまうのに、
    雑草は手で抜かないと、なくならないのだ!

    うーん、やはりここは村のみんなと
    一緒にやったほうが早いでしょう。

    みんな、レイジからすでに、
    今日は草むしりの日だって
    聞いているはずだけど‥‥。

    まず、うさぎのミラコちゃんに会いました。
    どうやら積極的に
    草むしりをしてくれているようです。
    ありがたいなぁ。
    思わずミラコさま、と拝みたくなりました。


    次に会ったのは、コアラのロッキーです。
    なんと彼は、
    草むしりの話は完全無視で、
    例のひよこノースリーブ自慢をしてきました。
    (一度、ひよこを脱いで
    白いシャツに着替えているのを
    目撃したのですが、
    またひよこノースリーブに
    戻っていました)

    「ソデのあたりが気に入っている」って、
    その服「ソデなし」だからね‥‥!

    ひよこノースリーブ愛が止まらない
    ロッキーを後に残し、


    続けて、ワニの
    アルベルトに会いました。
    すると‥‥

    「ざっそうの、
    おいしい食べかたを、
    けんきゅうするんだぁ〜」‥‥と。

    そうだよね。
    キミはそういうタイプだよね。
    だまってその場を離れました。


    最後に、狼のツンドラちゃんに
    会いました。
    頼りにならない男たちと違って、
    姉御肌の彼女ならきっと
    手伝ってくれるはず。


    ん? 釣りをしてるの?
    草むしりのことをたずねても、
    それには一切こたえず、
    釣りを続行するツンドラちゃん。
    恋の駆け引きがどうとか
    言い出したので、

    これはだめだ、と、
    その場を去りました。


    しょうがないので、
    自分でひたすら
    抜きに抜いたのですが、
    「まだあるよ、あと15本!」と
    レイジに言われてしまいました。


    そんなこと言ったって、
    もう見つけられないよ〜〜。
    けっこう雑草って、
    探しにくいんですよね。
    木の影とかに生えているものもあるし。


    ‥‥あれ、
    だいたい、雑草が
    少しくらい生えていたって、
    いいではないか。


    植物をこよなく愛された昭和天皇は、
    「雑草という草はないですよ。
    どの草にも名前があるんです」
    というようなことを、おっしゃったそう。
    (私はこのエピソードがすごく好きです。
    いい言葉ですよね)


    レイジには申し訳ないけれど、
    しばらくボーボーでもいいかと
    開き直りました。
    ギリシャ自体が野生植物の宝庫ですし、
    ギリシャ村も、
    その路線でいきたいと思います。

    2015/09/03 18:51

  • スタイリッシュで都会的

    スタイリッシュで都会的なお部屋には、
    まいりました。
    考えれば考えるほど、
    「スタイリッシュ」「都会的」という言葉を
    具体的なイメージに、
    落とし込んでいくことができません。

    スタンリー・キューブリック監督の
    『2001年宇宙の旅』の
    ディスカバリー号の内装みたいなことかなあ。
    (50年くらい前の映画だわー)
    マンガでいえば、江口寿史先生だろうか。
    (25年以上前の連載開始だわー)
    スタイリッシュで都会的、という言葉は、
    よくきくけれども、
    いままで考えないで生きてきてしまった‥‥
    と気がつきました。

    そんな反省をしつつも、
    このタンスは都会的か否か、
    このいすはスタイリッシュか否か‥‥と
    ひとつひとつ検討し、
    それらしきものを
    いっしょうけんめい選びました。
    どんなにがんばっても、
    「っぽい」ものにしかならないことは、
    作った自分が一番よくわかってます。
    完成後、お客さまによろこんでいただいて、
    もうしわけない気持ちにさえなりました。

    なんと! と思ったのは
    お披露目タイムです。

    お客さんは、
    すかさずマラカスを取り出し、
    自分の肖像写真をご満悦で眺めながら、
    シャカシャカと演奏をはじめました。

    マラカスはスタイリッシュで
    都会的なアイテムだったのか!?
    まったく思いつかなかったです。
    キャパが広いというか、
    奥が深いというか、
    自分はまだまだ未熟だなと痛感です。

    2015/09/03 17:16

『とびだせ どうぶつの森』とは?

どうぶつたちの暮らす森の一員となって、毎日、たのしく過ごします。じぶんの部屋を広くしたり、家具をそろえたり、着替えたり、釣りをしたり、化石を掘ったり、おしゃべりしたり、ほかの人の住む村に電車で遊びに行ったり‥‥。1年365日、リアルタイムに時間が流れるなかで、のんびり過ごすもよし、目的に向かってがんばるもよし。ニンテンドー3DS用ソフトとして2012年に発売されて以降、長く売れ続けているゲームです。

とびだせ どうぶつの森

発売日:2012年11月8日
希望小売価格:4,571円(税別)
プレイ人数:1人(通信プレイ時2〜4人)