ようやく日差しが暖かくなってきた、4月末。
斉吉商店の和枝さんのご紹介で、
和枝さん、斉吉商店さんをお手伝いしている
ともづなプロジェクトの藤野さんと
ほぼ日の、
新人乗組員は、
気仙沼湾の入り口にある大島の
「わかめの天日干し」を見学に行ってきました。
大島へは、フェリーで向かいます。
朝6時40分発のフェリーに乗りこむと、
早速、和枝さんからお弁当を頂いてしまいました!
この美味しそうなお弁当は、
和枝さんのお母様、
貞子さんが作って下さったものです。
フェリーに乗って海を眺めながら、
おいしいお弁当を食べると、
気分はまるで遠足。
大島にフェリーが近づくにつれ、
なんだかワクワクする気持ちが高まっていきました。
今回お邪魔したのは、わかめの天日干しをしている
「かおるさん」のお宅です。
ご自宅の前には、りっぱなわかめが干されていました。
今朝とってきたわかめも、早速干すとのことで、
私たちも天日干しを
体験させていただくことになりました。
天日干しの手順についてご紹介します。
まずは、わかめの茎のぶぶんを
大きな洗濯バサミのようなものでシッカリとはさみ、
棚に吊るしていきます。
次に、わかめの芯からのびる
葉のヒラヒラした部分の風通しを良くし、
天日に当たりやすくするため、
一枚一枚丁寧に手でとかすように、
やさしく広げていきます。
すべて干し終えたら、
吊るしてあるわかめの中心を竹串で割き、
2本にします。
これは、乾燥をより早めるための作業だそうです。
初心者には茎を割くのがとても難しいのですが、
みなさんは慣れた手つきで、
一瞬にしてわかめが真っ二つになっていきました。
雨天時は、ボイラー室にわかめを移動させ、
乾燥を促します。
ボイラー室の隣の部屋には、
毛布がたくさん積み重ねてありました。
ここで休憩するためのものだと思ったのですが、
出荷用のわかめにかけておく毛布だそうです。
海から取ってきたわかめを天日で干す、
いたってシンプルな手法ではありますが、
天候に左右される天日干しは、
手間ひまがかかります。
ですがその分、
いったん湯通しして塩蔵処理をしたわかめよりも、
磯の香りが豊かなまま、
販売することができるそうです。
かつては、大島の多くの家庭で作られていた、
天日干しわかめですが、
今では5、6軒ほどになってしまったそうです。
作業を一段落終える頃には、
わかめのカーテンが、一面にひろがりました。
今回、取材に同行していただいた藤野さんは、
この景色を見て
「女神のようなわかめ様」
と言いました。
丁寧に髪の毛をとかすように撫でられ、
雨が降ったら暖かい部屋に、
出荷前にはやさしく毛布をかけられる。
大事に大事に育てられてきたわかめが、
ゆらゆらと風になびいて揺れるさまは、
藤野さんの言う通り、
なんだか女性的で、とても綺麗でした。
わかめの収穫は5月頭には終了となるそうですが、
寒い時期に取れるわかめの新芽は、
とても柔らかくて美味しいのだとか。
ぜひ来年、食べてみたいです。