お店づくり‥‥。
自分がもどって行くべきお店を、
自分のために誂えるコト。
まず「長いお付き合いをするのにふさわしいレストラン」
を探すことからはじめます。
その特徴は、3つあります。
無理せずお付き合いができるコト。
一度でお店のすべてが見渡せる程度の大きさであるコト。
家族、あるいは仲間でやっている、
だからいつ行っても働いている人が
あまり変わらないコト。
つまり、程よき値段で通いやすい場所にあり、
チェーン店じゃなく店長さんとか
シェフとかの目が行き届きやすい大きさの店。
遠くの名店よりも近くの気軽な飲食店‥‥、
というコトになりますか。
何度も何度もくりかえしたのしむことで、
レストランはどんどん馴染んでくれる。
お店の人とお客様である自分が、
長い時間をかけてちょっとづつわかりあい、
まるで肌着が体になじんでいくように、
自分の気持ちにピタッとよりそうようになる。
いて心地良い場所になるのですネ。
一年に一度だけ、とびきりの場所で外食をしても、
それは緊張するだけで
ココロおきなくたのしむようなコトにはならない。
そして、何度も何度もくりかえすコトが一番、
たやすくできるのが朝食。
比較的、気軽な値段でたのしめるというのも
理由のひとつ。
同じ時間帯にいけばおんなじスタッフさんに、
出会える確率がたかまるというのも理由。
けれど一番大きな理由は、
「朝食のメニューにはあまり変化がない」というコト。
季節によってちょっとづつ食材だったり、
調理方法が変わったりすることはあるけれど、
基本的にはだいたい同じ。
どんな料理があるのかを、
すぐに覚えるコトができるし、
それに対して自分の好みを伝えて
反映してもらうこともわりと簡単。
例えばニューヨークのボクのオキニイリの店。
さすがに多くても年に数回しかいけぬ店です。
毎回、ボクのコトを覚えてくれていて
「お帰りなさい、ひさしぶり」
と迎えてくれるかというとそんなコトはない。
いつも同じスタッフに出迎えられるということも、
確約されているわけじゃありませんし。
見知らぬスタッフ。
あるいは、たまたまボクを思い出してくれぬスタッフに、
ボクはこのお店のコトをよく知っているのですよ‥‥、
と伝える秘密の呪文がひとつあります。
「今日も、スクランブルエッグを食べに来たのだけれど、
ベーグルは何がオススメ?」
自然に聞けます。
季節でメニューが変わって当然の、
コース料理が売り物の高級レストランの
ディナータイムではこうはいかない。
毎回、行く度、
前の経験がリセットされるコトがほとんど。
だから、かなりの回数通わなければ
自分の店のようにふるまうコトが出来ない。
朝ご飯なら、半年前の、
あるいは一年前の経験を活かすことがたやすくできる。
それが近所の気軽にいけるレストランの朝ならなおさら。
レストランでおなじみになるとはどういうコトで、
どういう気分か。
それを比較的簡単に味わうコトができる場所がご近所で、
時間が朝‥‥、というコトなのです。
是非一軒、あなたの家の近く、
あるいは会社の近くに
朝をたのしむことができるお店をみつけてみましょう。
ステキなお店とのおつきあいの第一歩。
|