不景気だねぇ‥‥、という人がいる。
たしかに街の景気はパッとしない。
けれど、こういう考え方もできるんですよ‥‥、
と静かなクリスマスをむかえてぼやくお店の人たちに、
そっということにしています。
プロの手助けがなくても、
自分たちでクリスマスという特別な日をたのしめる人が、
それだけ増えたと思えば
ステキなことじゃないですか? って。
飲食店とは人の生活になくてはならない場所である。
人は食べなくては生きていけない。
そういう大切なコトに関与している外食産業は、
すべての人にとってなくてはならない産業なんだ。
すべての人に必要な産業に自分たちは従事していると、
それを誇りに一生懸命、
飲食店の人たちは日々がんばっている。
たしかにそうで、たしかにそういう努力は尊い。
けれどその一方で、必要なんだと思い込むことで、
誇りがいつしか奢りになってしまうコトもある。
それはすごく哀しいコトだと思うんです‥‥、と。
飲食店は必要悪。
もし、すべての人が
おいしい料理を作ることができたとしたら。
窮屈なレストランより、
居心地がいい家でのびのび食事ができたら。
毎日おかぁさんの機嫌がよくて、
気をつかいながらサービスをしてもらわなくちゃいけない
レストランに、もう行かなくてすむよね! って。
そんな生活をみんなができたら、
飲食店っていらなくなっちゃう。
でもそれって、なんてステキな日本でしょう‥‥、と。
怪訝な顔をする飲食店の人たちにボクはこうも伝えます。
コンサルタントが必要悪なのと同じです。
日本中の飲食店の経営が、
上手くいっているならコンサルタントなんて必要はない。
ボクみたいな人間が、こうして仕事ができてるコトは、
申し訳ないって思いますもの。
社長だってある意味、必要悪かもしれませんよ。
会社にすべての人が自立して、
自分の仕事がただしくできれば、
社長の仕事なんてなくなっちゃう。
それとおんなじ‥‥、って、そう言うと、
たいていの人はそうだねぇって笑ってくれる。
だから家族や仲間が年に一度、
シアワセな気持ちになりたいと思うときに、
かつてのように忙しくないというコトを、
よろこぶココロの余裕を持ちましょう。
そして、それでも「なくなってしまうと寂しいねぇ」って、
お客様から言ってもらえるためには
何をしなくちゃいけないか、考える日にしましょうよ‥‥、
って。
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