で、その餃子屋さん。
一時期、夏は営業しないと決めていた。
けれどどうしても夏の間も餃子が欲しいという
お客様の声に後押しされる形で、
日本全国、キャベツを求めて産地を回った。
すると、産地を変えることで
年中、おいしい餃子を提供できることがわかった。
一年を通して日本のどこかに
キャベツの旬があるというコトなんです。
これはある意味「ご馳走」になる。
そう思って、餃子を一年を通して作りはじめる。
キャベツ以外にも、ネギを使って練り上げるあん。
その配合もその日その日の天気の状態に合わせて
変えていくことで、
年中変わらぬレベルの餃子を提供できるようになる。
ところがこんなことを言われます。
宮崎県の餃子屋なのに、
なんで県産品以外の素材を使うんだ。
キャベツ王国の看板を使えばもっと販売先も広がるのにネ。
県民としてこれじゃぁ、応援できないね。
‥‥、って。
なんでいろんな産地のキャベツを使うんだ?
と問われて、「おいしいキャベツにこだわったから」。
そう答えると、それじゃぁ、買い手に伝わらない。
宮崎産といえばそれで十分おいしさが伝わるから‥‥、
と言うコンサルタントまでいたりする。
一体どうしたことなんでしょう。
おいしいものを一生懸命作る努力と
工夫をしている人たちを、信じることができない貧しさ。
その一方でブランドだとか産地だとかを、
無邪気なほどに無防備に信じてしまえる愚かさが、
日本の食をある面、
「過ぎて極端」なものに
してしまっているのかもしれいないんだなぁ‥‥、
と思ったりする。
なやましい。
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