読みなおす土曜。
2003/05/03
今週の一言

毎週土曜日はレビューの日!
・・・ということで、「ほぼ日」に登場した
あんな言葉やこんな言葉を、ご紹介します。
興味があったら、モトのページも読んでね!
今週は、次の3つの言葉を、お届けします。


み始めて気づいたことには、
 このウエルバ市で、どうやらぼくは、
 ただ一人の日本人であるらしいこと。

 体ひとつと思い込みだけで
 日本からやって来てしまったこのぼくが、
 数年後、闘牛界の中心地から
 遠く離れたこのウエルバから、
 スペイン中を
 お騒がせすることになるのを
 その当時のぼく自身はもちろん、
 誰ひとりとして
 予想すらしなかったに違いありません」

(※「サムライ闘牛士登場?!」で、
  ついに闘牛の練習がはじまる時に、
  著者の濃野さんが感じたことがコレ)


が病気で亡くなったのは、7年前。
 やっぱり、とても大きな事件です。
 それまでは専業主婦でずっと家にいて
 のんびりと暮らしていた母が、
 突然、焼き肉屋の社長として、
 会社を継ぐことになりました。
 そして、右も左もわからない母を
 手伝うために、同じく
 右も左もわからない私も、
 一緒に会社で働くことになりました。
 
 働きはじめてしばらくすると、
 父が、何を目指して進んできたのか、
 ちょっとずつ、わかりはじめてます。
 父は、究極のサービス業を
 やりぬくことを
 強くのぞんでいたんだと思います」

(※「焼き肉が好きだ!」のなかで、
  亡くなった父の焼き肉屋を継いだ
  女の子が、将来の夢を考えた時の言葉)


まり、フカさないし、
 とにかく広げないんだけども豊か、
 っていうような表現の系統があるんです。

 いくら、いっぱい言葉を使っても、
 あちこちに電灯はともるけれど、
 まぶしくて見たいものが見られない。

 やっぱり言葉も、信号だから、
 細い道を一緒に渡ってでもいいから、
 宝物にたどりつく道であって欲しい。

 自分でも、なかなか
 そんなことができない時もあるけど、
 『そういうのが、いいなぁ』
 と思う心で、
 いつもぼくは何かを書いてる
 つもりではあるんです。
 どんなに、
 ムダなおしゃべりをしていても」

(※「ラストワルツを聴きながら」にて、
  darlingが、こうありたいと思い続けた
  その志のようなものを語った言葉です)


上記の3つのコメントは、
どれも、これから何かがはじまるぞ、
みたいな予感と期待がまざった、
とてもさわやかなものだったので、
ぜひ、ご紹介したいと思ったんです。


今週のこぼれ話

【『MOTHER』の気持ち】
【あなたの、『MOTHER』の気持ち】
『MOTHER』といえば「赤」。
よせられたメールのなかにも、
「真っ赤なCMを見た瞬間、鳥肌がたった」
といった声が多く寄せられました。

現在、『MOTHER1+2』の
商品パッケージやディスプレイの計画などが
編集部に届いているんですけど、
やはり基本は「赤」。
いわば「マザーレッド」。

14年前に、しっかりとした
イメージづくりをしていたからこそ、
送り手にとっても受け手にとっても
「赤」がキーワードとなり、
それを利用した
アピールが可能なのでしょう。

取材中、糸井重里という人は
こんなふうに言っていました。

「当時は、
 パッケージを赤一色にすることって、
 周囲にはけっこう反対されたんだよ。
 ゲームっぽくないし、
 内容がわからないって。
 でも、ぼくはふつうの人に向けて
 つくってるつもりだったから
 これでいいんだ、って。
 というより、
 こうしたいんだ!と強引に推した。
 たしかに、ゲームのパッケージとしては
 「変」だったかもしれないけど、
 その成果がいま出てるじゃないですか」

いま私たちが『MOTHER』をめぐる
大きな意味での「遊び」を
楽しむことができるのは、14年前に、
つくった人たちが、自信と自覚をもって
種を蒔いておいてくれたからなのでしょう。

その象徴が、たとえば「赤」。
ちょっとくらくらしながらそう思いました。
そうそう、最後に、
「赤」の秘密をひとつお教えしましょう。
糸井重里という人はこう言ってました。

「あの、「赤」はね、
 エルビス・コステロのアルバムの
 ジャケットからヒントをもらったんだよ。
 『なんとかチョコレート』ってやつ」

それが下のアルバムです。
ミンナニハナイショダヨ、
……ってゲームが違う。
(担当者N)

Elvis Costello
『Blood And Chocolate』(1986年)


【ぼーっとした青春・浜松編!】
ご機嫌いかがでございましょうか?
麗しゅう。
いやはや4月4日に無事、
浜松修行を卒業させていただきました、
ゆーないとでございます。
はあー気付けば卒業して、
もう1か月がたったのね〜
でもまだ1か月?みたいな。
不思議よねー時間の流れってー。
あたしはこの不思議を説こうとはしないで、
一生不思議ね〜って
不思議と付き合っていくんだろなー。

そんなことはさておき、
いやはやいやはや、
浜松で2か月を過ごし、
「土の似合う女」の称号を
ほしいままに頂戴マイセルフ!だったから、
東京帰ってきても土が、緑が、
なにより野菜が恋しい!
今日この頃なわけですよ。
野菜をとるように心がけてはいるものの、
やっぱ難しいもんよねー
でも今まで以上に
「体が野菜をほしがってる!」
っていう情熱が高くなったから、
万歳万歳だよね。
健康な証拠!?
永田家からいただいたトマトを
俺特製ミネストローネや、
俺特製トマトソースにして
パスタにかけたり、
超贅沢なことをしていますわ。
これまた、甘いんだわ。
やんなっちゃうくらい。

読者のみなさんのエールには、
励まされたものでした。
とりあえず、わたしは達者です。
ご心配なくです。
今後も一皮むけちゃった
21歳のあたくしを、
よろしくおねがいいたすます!
クリスマス!(季節はずれ御免!)
(ゆーないと)



【ラストワルツを聴きながら】
一見、「マニアな音楽対談だろ?」と
敬遠された人もいるかもしれないですけど、
そうとう、オススメの新連載なんです。

ドラマー沼澤尚さんとdarlingの会話には、
技術を蓄積してものを作るという職業に
就いている方へのヒントが、溢れてるから。

あるひとつのバンド、
あるひとつのドキュメンタリーを通して
ふたりが語るのは、技術と表現の関わり。

「『いままでなかったもの』なんてない。
 すべて、誰かがどこかでやった技術を
 必死に研究して学ぶところがはじまり。
 ・・・でも、
 確固たる技術を身につけた上で、
 自分の骨格やクセを通した、
 生きてきたぶんだけのゆがみを反映した
 『うわぁ、なかったものじゃないか!』
 と思わせる瞬間だけは、作れるんです」

ちょっと、哲学的なこの言葉は、
あと数回したら登場してくるので、
どうぞ、たのしみにしていてくださいね。

沼澤さんが、くりかえし、
「完璧にコピーできてこそ、
 『この人の影響を受けた』と言える」
と、技術があってこその表現だと
主張しているところが、印象的でした。

・・・今日は、対談現場の様子というより、
対談原稿を作っているときの、
今の自分の気持ちを、ぶつけてみました。
(メリー木村)

2003-05-03-SAT


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