糸井 |
お忙しいところすいません。 |
志の輔 |
いえいえいえ。 |
糸井 |
いよいよ、志の輔さんと「ほぼ日」で
落語のイベントをやろうじゃないかということで
まあ、いろいろと考えているんですけれども。 |
志の輔 |
よろしくお願いします。 |
糸井 |
よろしくお願いします。
じゃ、まず、うちの西本のほうから、
いま考えているプランを出してもらって
それをここで検討していこうと。 |
志の輔 |
はい。
|
西本 |
じゃ、ざっと内容のを説明させていただきます。
いま、会場をおさえているのは
12月25日、クリスマスの日でございます。
べつに「クリスマスにやろう!」と
考えたわけじゃないんですけど、
まあ、そこがたまたま空いてたっていうことで。 |
糸井 |
クリスマスだと空いてるっていうのが
不思議だよなあ。 |
志の輔 |
この前のあそこでしょ?
『はじめてのJAZZ』をやったところ。 |
糸井 |
そうなんです。
六本木のラフォーレミュージアム。 |
西本 |
はい。で、いま考えているのが、
志の輔さんが以前、
糸井のラジオに出てくださったときに
ふたりで話して盛り上がった
「こたつ寄席」というコンセプトで。 |
志の輔 |
ああ、はいはい。 |
糸井 |
高座のほかに「こたつ」があって、
「こたつ」で落語について
だらだらとしゃべったりしながら、
落語は落語できちんとやるっていうやつですね。 |
西本 |
はい。で、それをふまえて
こちらの図面を見ていただきたいんですが、
ステージの正面、客席の真ん中に、
「こたつ」を置くスペースを設けます。 |
糸井 |
デベソに。 |
志の輔 |
ほお。 |
西本 |
で、お客さんは四方を囲むのか、
ステージとこたつを花道でつなぐのか、
そのあたりはご相談させていただきたいんですけど
いまのところは、こう、
高座とこたつを花道でつないで
行ったり来たりするっていう
見せ方にするとおもしろいかなと思ってます。 |
志の輔 |
これ、花道の幅はどれくらいですか? |
西本 |
幅ですか? ええと、座席で4つ分くらいですね。 |
糸井 |
けっこうあるね。これで見るとね。 |
志の輔 |
2メートル以上ありますね。
この、こたつと高座をつなぐ花道の幅が。 |
糸井 |
うん。たぶん。と思いますね。 |
志の輔 |
うーーーん。 |
西本 |
いえ、花道はなくてもかまわないんですが、
個人的に、この花道を歩いて高座に向かう
志の輔さんの姿っていうのを
見てみたいなと思って‥‥。 |
糸井 |
志の輔さんが「うーん」って言ったのは、
つまり、高座で落語をやっているときに、
自分の正面が花道になっちゃうわけで、
目の前が何もない空間だっていう状態が
どうなんだろうということですか。 |
志の輔 |
そうです、そうです。
あの、地方で落語をやるときなんかに、
歌舞伎用の花道が会場に据え付けであって、
それが外せないんで
そのまま落語をやったっていう経験はあります。
ところが、不思議なことに、
それは気にならないんですな。 |
糸井 |
あ、なるほど。 |
志の輔 |
それが、本来の花道としてあるならば。
だから、その、ようするに
「ミニ歌舞伎小屋」でやってると思えばいいじゃん、
みたいなことで済んじゃうんですけども。 |
糸井 |
ああ、はいはい。
それに、歌舞伎の花道は正面じゃないですよね。 |
志の輔 |
そうなんです。
だから、正面っていうのは
ほんとに経験がないもんで、
どんな感じになるのかなあ‥‥。 |
糸井 |
いや、でも、
絶対に正面を花道にしなきゃいけない理由なんて
なんにもありませんからね。
そうですよね? |
西本 |
はい、やりやすい形で
やっていただくのがいちばんです。
もともとこの図面も、
会場のレイアウトサンプルとしてあった
「ファッションショー」用のやつなので。 |
志の輔 |
うん、わかりますわかります。
このかたちが、
おもしろそうだというのもわかります。
わかりながらも、ですね‥‥。 |
西本 |
いえ、正面の花道はない方向で考えます。
実際の問題として、花道を設けると、
正面のいい場所をつぶさなきゃ
いけなくなるっていう問題もあったので。 |
糸井 |
そうしましょうかね。
客席の中央に「こたつ」がドンとある。
そこだけ残して考えましょう。 |
志の輔 |
中央に「こたつ」の
ステージを作るってことになると、
前のほうに座っているお客さんたちは
「こたつ」をどうやって見るんですかね。
パイプイスを自分で向きを変えるんですか? |
西本 |
向きを変えるようにするか、
イスを回転できるようなものにするか、
そのあたりはこれから考えていきます。 |
志の輔 |
ま、うしろのほうの席になっちゃった人が、
いちばんいい席になっちゃう
瞬間があるっていうのはおもしろいですね。
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糸井 |
音声は平気かな?
前のほうの人たちが振り返ってみるとなると、
スピーカーの向きが真逆になるんじゃない? |
西本 |
それは大丈夫です。
スピーカーをこことここに、
こういうふうに‥‥。 |
糸井 |
はあはあ、なるほどね。
思えば、この、会場の真ん中にある
「こたつ」をお客さんが囲んで
四方から見ているというのは、
国技館じゃないですか。 |
西本 |
ああ、そうですね。 |
糸井 |
ね。だったら、上から
簡単な屋根を吊るしてもいいかもね。 |
西本 |
(ヒソヒソ声で)や、それはちょっと‥‥。 |
糸井 |
おもしろくない? |
西本 |
いや、その、やねを吊るす予算が‥‥。
入場料を1万円くらいにすれば‥‥。 |
糸井 |
ああ!
じゃ、吊るさないほうがいい!
吊るさないことにしよう。
吊るさない!
ぜったい吊るさない!
ぜんぜん吊るさない!
誰だ、屋根を吊るすなんて言ったのは! |
西本 |
はい、ぜひ吊るさない方向で。
で、いちおう、昼と夜の2回公演ということで。 |
糸井 |
すいませんね、ご無理をお願いして。 |
志の輔 |
いえいえ、がんばります。 |
西本 |
クリスマスの日に。 |
糸井 |
しっかし、クリスマスの日に、
わざわざ落語を観にきてくれるという
お客さんは‥‥バカだねえ(笑)。 |
一同 |
(笑) |
糸井 |
バカだけど、
そういうバカな人たちは
好きだなあ(笑)。 |
志の輔 |
うんうん(笑)。 |