「落語をまったくきいたことのない人が
最初に聴くにはこの人が最適!」と
春風亭昇太さんと糸井重里の
意見が一致したのが立川志の輔さん。
世の中が「クリスマス」と騒いでいる12月25日、
昨年開催された『はじめての落語。』に続いて、
「ほぼ日」は、こんどは志の輔さんと、
落語の会をやります。
落語のおもしろさを知りたい! という方に
胸をはっておすすめします!

「続・はじめての落語。」の
イベントの詳細をすぐに知りたい方はこちらをどうぞ
志の輔×糸井重里対談! イベントについてはこちら!
最終回 当日がたのしみですね!
糸井 落語とラジオは、
ほんとはものすごく
相性がいいと思うんだけど、
あまりやらないですよね。
志の輔 そうなんですよ。


糸井 ラジオが焦ったのか、
落語がうまく乗れなかったのか。
ただ追い出されてしまった、
という感じですよね。
志の輔 うん、ほんとに一時期は
毎日、落語番組があったんですものね。
糸井 ぼくが子どものころは、そうでした。
じゃなきゃ、落語なんて知らなかったもの。
どうしてなくなってしまったんでしょうね。
志の輔 それはきっと、いつの間にか
落語が「ライブ」じゃ
なくなったからじゃないですかね。
つまり、いつ聞いても同じものであるなら、
レコードで聴けばよい、
CDで聴けばよい、と。
どこかの時点で、落語は
「いつ聴いても同じものがよい」
とされちゃったんです。
たとえば、文楽師匠の逸話で、
「どのネタをやっても
 プラスマイナスの誤差が15秒だ」
っていうのがあるんです。
20分の落語をやって
誤差がプラスマイナス15秒ということは、
セリフが1個も変わっていない。
「お運び様で厚く御礼申し上げます」
というところからはじまって、
最後のオチまでプラスマイナス15秒。
それはすごいことですけど、
その「誤差15秒の世界」を
たのしめる人というのは
多くないと思うんです。
糸井 それは、おもしろいなぁ!
で、そんな文楽さんの落語がつまらないなら
話はわかりやすいんだけど、
‥‥つまんなくないんだなぁ。
おもしろいんだよ。
イヤんなっちゃいますよねぇ。
志の輔 そうなんです。
たしかに、そこにおもしろさもあるんです。
あの、六本木に、
ビートルズのコピーバンドが
売りの店があるじゃないですか。
あそこへ行くと、
コピーバンドが演奏しているときは、
演奏も、仕草も、
ぜんぶいっしょにしてくれないと
イヤなんですよ。
糸井 そうですよね(笑)。
志の輔 いっしょにしてもらいたいんですよね。
だから、「ライブ」ならではの
落語もいいし、
「誤差15秒以内」の落語もいい。
‥‥複雑ですねぇ。
糸井 複雑ですねぇ(笑)。
いやぁー、イベントの当日、
「こたつ」で
こういう話がお客さんの前で
できるかと思うと
めちゃくちゃたのしみですね!
志の輔 ああ。でも、まだ、思ってますよ。
こういう話は‥‥
たのしんでもらえるのかな?
糸井 それは、虫博士が、
「おれのアリジゴクの話は
 おもしろいのかな?」
って不安に思うようなものですね。
志の輔 あはははははは。


糸井 でもまあ、「こたつ」は
おまけといえばおまけで、
メインはやっぱり
志の輔さんの落語ですからね!
こういう話をうけて、
さらに志の輔さんの落語が
聞けるわけですから。
志の輔 こういう話をしたあとで
自分の落語をやるなんて、
それ‥‥
やりにくいだけじゃないですか?
一同 (笑)

(立川志の輔さんと糸井重里の対談は
 これにて終了します。
 「続・はじめての落語。立川志の輔ひとり会」についての
 情報は随時こちらのページ
 掲載させていただきます。)

2005-12-05-MON
 
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いままでのタイトル
2005-11-24 第1回 クリスマスに「こたつ寄席」?
2005-11-25 第2回 志の輔さんの落語を
    iTunes Music Storeからダウンロード?
2005-11-28 第3回 ソフトを生み出す人が強い
2005-11-29 第4回 デジタルも、アナログも。
2005-11-30 第5回 落語家がいちばんの落語好きなんだよ。
2005-12-01 第6回 その人だけの落語。
2005-12-02 第7回 落語の著作権は?
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