前回にも少しお話したように、
到着ロビーのある5階レベルでは
連絡ブリッジ通路で東側の東京ソラマチとつながり、
また、2、3階レベルでは
東西方向とも室内が一体的につながっています。
外部でのつながり方で言えば、
4階レベルでつながりがあります。
この高さには、タワーの東側に「交流広場」という
屋外の広場スペースがあり、
この広場からタワー内部の出発ロビーへ
出入りができます。
また、この交流広場は、
敷地の北東部へと延びており、
そこから屋外の大階段を下っていくと
押上駅上部にあたる広場に出ます。
この大階段の周りは植栽や屋上緑化を施し、
「緑の段丘」のようにデザインしています。
同じく、西側へも交流広場は延びています。
タワーの北側を回るかっこうで延びて、
西側の東京ソラマチのピロティ
(建物を柱などで持ち上げて吹き放しにした外部空間)
を抜け、
同じく屋外にある大階段によって、
地上部へとつながっています。
なお、南側の2階レベルでは
外部デッキにより各街区が結ばれています。
ここは、周囲の街と施設をつなぐ中間領域として
機能するとともに、
隣接して流れる北十間川と親和性の高い、
憩いの空間としています。
▲写真提供:東武鉄道(株)・東武タワースカイツリー(株)
こうした、デッキや各街区を巡る道は、
東京スカイツリータウンを街に対して開き、
人々を交流広場とタワーに誘うとともに、
賑わいと回遊を促す役割を担います。
東京スカイツリータウンは、
延床面積が約23万平方メートルの大きな開発ですが、
「街に対して開くこと」を大事に考えてきました。
タワー自体を鉄骨にして、
向こう側が透けて見えるレースのようにしたのも
そうした考えからでもあります。
全体の構成としても、
東京ソラマチや東京スカイツリーイーストタワーなど
各建物ヴォリュームの分節(各棟の分かれ目)を、
周囲の町割りの軸(街路)に合わせたり、
ヴォリュームの向きを、
同じく町割りの軸の角度に合わせたり、
といった設計にしています。
これはつまり、この地が持つ歴史を大切にし、
施設構成に組み込んでいるというわけです。
なお、東京スカイツリータウンの開業に合わせて
駅名が「とうきょうスカイツリー」に改称される、
業平橋駅とは、
東京スカイツリータウンの西端で接していて、
今ある、通り沿いの改札を出ればすぐに
地上の広場に面します。
駅リニューアルとして増設される改札口からも
スムーズにつながることになります。
押上駅とは、東京スカイツリータウンの東端、
地下3階でつながっています。
ここからは、エレベータや、
3層吹き抜けを結ぶエスカレータで、
地上のエントランスホールと結ばれています。
北十間川の護岸工事もずいぶん進んできました。
また、地元商店などの盛り上がりも
大きくなってきています。
タワーのある街がさまざまな出会いを
生み出していく場となり、
後世にも伝わっていけば何よりです。 |