Grocery Gemellivo ジェメリーボ おいしいものまわりの店

Gemellivoの
「ビスコッティ」のこと。

「ああ、あの、すごく硬いお菓子!」
イタリア菓子のビスコッティ(biscotti)について
そんなふうに思う人も多いことでしょう。
たしかに、イタリアのビスコッティは、
おいしいけれど硬い、というのが一般的なイメージ。
なにしろ「ビス(もう一度)」と「コッティ(焼く)」が
由来の二度焼きのお菓子です。
かたまりで焼いて、切ってからもう一度焼き上げるゆえに、
水分がとんで、かちこちに硬くなるんですね。
(だから、エスプレッソに浸して
食べる人も多いんですって。)

でも、Gemellivoのビスコッティはちがいます。
「サクサク、ほろほろ、すぐ噛める」、
カリカリだけれどふしぎとやわらかな印象のある
ビスコッティなんです。
イタリア料理に詳しいお客さまが
竹内健さんのレストラン「Vicino」で
このビスコッティを食べて、
意外な食感とおいしさに驚いたことも
いちどや二度ではないといいます。
なかには「グラノーラを固めたみたいだね」
というかたもいらっしゃるそう。
なるほど。たしかにそんな印象も!

はじまりは「Vicino」から

竹内健さんのレストラン「Vicino」で
コースの最後のお茶菓子として出していた
このビスコッティ。
稔さんとともにGemellivoを立ち上げた当初から、
すこしだけ販売を行なっていた
「かくれた人気商品」でした。

健さんは、イタリアの文化のひとつとしての
硬いビスコッティはもちろん素敵だけれど、
日本に暮らす自分たちにとってのビスコッティを
あらためて考えてもいいんじゃないか、と思ったそう。
それで健さんと、パティシエールの粕谷祐姫さん、
そして健さんの双子の兄・稔さんが協力、
自分たちの思うおいしい方向で、
もっと食感がたのしく、子どもも食べやすくて、
栄養価が高い、そんなビスコッティを考えました。


Nuts Cioccolata
(ナッツショコラータ)

2024年秋の新作です。
アーモンド・カシューナッツ・マカダミアナッツ、
食感の異なる3種のナッツをたっぷり使い、
生地にカカオニブ(*)と
チョコレートを削って加えることで、
ナッツの香ばしさとともに
チョコの香りが引き立つビスコッティが生まれました。
甘さは控えめ。
隠し味に黒胡麻を入れることで、
コクのあるオトナっぽい味に仕上がっています。
また、チョコレートといっても、
あの、ねっとりした食感はなく、
Gemellivoのビスコッティの特徴でもある
サクサクとしたやわらかな食感はそのまま。
口いれるとまず焼いた生地がほぐれ、
かみ砕く中でナッツが香ってきます。
食べ進めていくうちに、
だんだんとチョコの香りがひろがって、
食べ終わったあとは、
すっきりとした苦みと甘みがかすかに残ります。
竹内稔さん・健さんによると
「カフェオレや少し甘めのドリンクなどと
相性がよいかと思います」。
おやつや、食後のデザートがわりににどうぞ。

(*)カカオニブは、粗く砕いたカカオ豆から、シェル(種皮)や胚芽を取り除いた胚乳部を醗酵や焙煎させてつくります。これをすりつぶしたものが「カカオマス」で、チョコレートの原料になります。


Banana & Cacao Nibs
バナナ&カカオニブ

こちらも2024年秋の新作です。
もともとバナナを使ったお菓子が好きという
竹内稔さん・健さん兄弟。
ビスコッティにもバナナを使いたい、
と考えたものの、
完成までの道のりは長かったそう。
使うバナナを、当初はドライにしようと、
セミドライから完全なドライまで
乾燥具合を変えてみたり、
その熟成度合を変えてみたりしたものの、
なんだかピンとこなかったそう。
けっきょく、生のままのバナナを
常温で1週間ほど追熟させ、
独特の甘い香りを可能な限り引き立たせたうえで、
無添加のバナナチップを混ぜてペースト状にし、
カカオニブ(*)と、
アーモンド・カシューナッツ・マカダミアナッツの
3種のナッツを手切りで細かく形をそろえて加え、
生地と合わせて焼き上げました。
口の中で最初にナッツの香ばしい香りが広がり、
やがてカカオ、そしてバナナの優しい風味がひろがります。
「香料は一切使用していないので、
それぞれの自然な風味を感じていただけるかと思います。
ミルク系の飲み物と相性が良いので、
カフェオレ、ミルクティ、チャイなど、
ぜひお好みで合わせてみてください」

(*)カカオニブは、粗く砕いたカカオ豆から、シェル(種皮)や胚芽を取り除いた胚乳部を醗酵や焙煎させてつくります。これをすりつぶしたものが「カカオマス」で、チョコレートの原料になります。


Roasted nuts & Dried Fruit
(ローストナッツ&ドライフルーツ)

Gemellivoでさいしょにうまれたビスコッティです。
ナッツの量と大きさを調整することで
たのしい粒々感、カリカリ感のある生地になっています。
粒のばらつきを出すため、アーモンド、カシューナッツ、
マカダミアナッツ、そしてヘーゼルナッツを、
包丁を使って、手作業でザクザク刻み、
すばやく生地と合わせてから二度焼き。
油は、香りと製法の異なる2種類のごま油をミックス、
くせのない香ばしさをうんでいます。
サルタナレーズンとオレンジピールは
いちど茹でて柔らかくし、シロップに浸け、
それを生地と合わせて焼きました。
全体の糖度を調整することで
硬くなりすぎないように仕上げています。
このRoasted nuts & Dried Fruitが、
ほかのふたつの味のベースになっています。
ちなみに、ドライフルーツが入っているので、
ほかのふたつよりも、ほんのすこし、甘みがつよめです。


Coffee & Coconuts
(コーヒー&ココナッツ)

細かく砕いたコーヒー豆とともに、
ココナッツを加えたCoffee & Coconuts。
ちょっと大人っぽい印象のビスコッティです。
コーヒー豆は、細かさをいろいろと実験し、
焼いた時に香りが一番引き立つように、
中煎りに焙煎し、粗めに挽いたものを使用。
直接生地に練り込むことで、
食べたときにコーヒーの「ちょうどいい香り」が
鼻に抜けていくのが、このビスコッティの個性です。
このココナッツ、いちど砂糖水と、
粉糖をまぶしてコーティングをし、
低温で焼いたものを生地に混ぜて焼いています。
火の入り加減を調整することで、
食感のよさを出しているんですって。
カフェオレやミルクティーなどマイルドな飲み物との
相性が、とてもいいんですよ。
ナッツ類は、包丁を使って、手作業で刻んでいるので、
粒に大小があって、
それがたのしい食感につながっています。


Darjeeling & Vanilla
(ダージリン&バニラ)

ダージリン紅茶の茶葉とバニラビーンズを加えた
Darjeeling & Vanilla。
一般的に、こういうお菓子には
アールグレイを使うことも多いのですけれど、
それではすこし強すぎる印象に。
そこでダージリンで試作をしてみると、
紅茶の香りの中に甘みが感じられるのが印象的で、
この茶葉を採用することになりました。
バニラは「二度使い」。
バニラビーンズを加えて焼きあげた生地に、
乾燥させて細かくした自家製のバニラパウダーを
ほんのちょっとふりかけています。
口に入れたときの最初のホワッとした印象だけでなく、
食べ進めるなかでもバニラの香りがのこります。
そのなかにダージリンのいい香りが合わさり、
手刻みでまぜた粒のばらばらなナッツとあいまって、
とてもゆたかなイメージがうまれています。
紅茶やミルクといっしょに、
もちろんほかのいろいろな飲みものとも
合わせてみてください。

2024-10-11-FRI

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