深呼吸したくなる香り、「kokyu」ができるまで。

草場妙子さんがOSAJIとつくった
ヘアケアシリーズとボディゲル

kokyu

昨年6月の「第3回生活のたのしみ展」で大人気だった
「草場妙子化粧品店」のボディゲル「kokyu(呼吸)」は、
ヘアメイクアーティストの草場妙子さんと、
スキンケアブランド「OSAJI(オサジ)」が
コラボしてうまれたアイテムです。

いつか「ほぼ日ストア」でもご紹介したいなあと
思っていたところ、
昨年12月にシャンプー、コンディショナー、
ヘアオイルが加わってシリーズ化されました。
メイクやコスメが大好きで、いつもキラキラした目で、
国内外のアイテムをおどろくほどいろいろ試して、
お気に入りを探している、あの草場さんが手がけた
はじめてのシリーズ。
これを機会に、2019年7月9日より、
シャンプー、コンディショナー、ヘアオイル、
ボディゲルの4アイテムを
「ほぼ日ストア」と「TOBICHI」で販売開始します。

販売に先立ち、
草場妙子さんと、開発者の茂田正和さんが、
「OSAJI」のこと、「kokyu」のこと、
スキンケアの大切さについて、語り合いました。

草場妙子さんのプロフィール
茂田正和さんのプロフィール

第4回 スキンケアで「自分を慈しむ」時間を。

草場
以前、茂田さんがオーガナイズされた、
ブラインドメイクの会に呼んでいただいたんです。
その会では、視覚障害者の方々がご自身で
自分にメーキャップを施すんですね。
茂田
目の見えない方々が、指先の感覚だけで
メイクができるようになることによって、
外に出かけようと思えるようになる。
恋をしたいとか、結婚を考えるようになるとか、
いろんな心理的なことが生まれていくんです。
このブラインドメイクって、
化粧品の役割として本質的だなと思って、
それを広めるお手伝いを
今、一緒にやらせていただいてるんです。
でも、その中で僕、本当に思ったのは、
化粧品を、シャンプーとかコンディショナーとか、
メーキャップも、スキンケアすることも含めて、
ただ単に洗う作業とか、
ただ単に保湿する作業、塗る作業じゃなくて、
自分を慈しむ作業なんだ、っていうことなんです。
草場
本当にそうでしたね。
貴重な体験でした。
拝見できたかできないかで
私のこれからの人生が全然違うんじゃないか
と思うぐらいでした。

メイクしたあとの自信みたいなものが、
見ていても感じられました。
「もうメイクせずに外に行きたくないんです」
っておっしゃってましたし、
きちんときれいにメイクして出かけると、
周りの人たちの反応が違うとおっしゃってましたね。
やさしく声をかけてくださる方、
手伝ってくれる方もいたりとか。
ご自身の気持ちが前向きになっていると、
周りの人たちも
感じるものが違うんじゃないかなと思うんです。
茂田
そこが大事なんだなって思いますね。
草場
私、103歳の方をメイクしたことあるんです。
もともとピアニストでいらして。
そのときは介護施設に入居されていて、
ふだんはお化粧をされないんですね。
その方が、口紅を塗ったときにもう、
テンションが上がったのが私にも伝わってきて、
すごく楽しくお話ししてくださいました。
なんかやっぱりあるんだなと思いました。
気分の高揚というか、心が満たされてるというか、
感じましたね、こちら側も、
化粧品って、そこを担ってるものでもありますよね。
茂田
今、化粧療法医学会という学会が
新たにできようとしてて、
その評議に僕もお声がけいただいてるんです。
化粧療法医学会って、
ブラインドメイクというのも一つだし、
例えば認知症の脳の萎縮のスピードが
遅くなるとか、萎縮しなくなるとか、
精神障害を持ってる人が、スキンケアをすることで
服薬量を減らせるようになったとか、
脳科学レベルでそういう変化が起こっていくという、
それを追究していく学会なんですね。

今まで化粧品って単なる嗜好品であったりとか、
ファッションの一部、美しくなるためだけのもの、
って言うと語弊はあるのかもしれないですけど、
そういう位置づけから、
自分を慈しむ行為としてとらえてみよう、と。

これからの少子高齢化で、
認知症や介護の問題が大きくなっていく中で、
自分を慈しむという行動が、
社会においていかに価値があることか。
そういう新たな視点でとらえることで、
化粧品の価値とか役割というものが、
新たな時代を迎えるのかなと思っているんです。

これから子どもたちが生きていく社会、
自分たちが生きていくこれからの世の中、
自分を育ててくれた両親が余生を過ごす社会が
よりよいものであってほしいと思うし、
そういうもののために自分は仕事をしていたい。

自分たちがずっと抱えていたテーマが、
今、化粧療法医学会ができることによって
大きく舵がバッと切られるのかなと思うんです。
日本はやっぱり
化粧品に対しての価値観が進んでる国だなって、
日本の化粧品ってやっぱり素晴らしいなって思える。
そういう考えかたができる日本人って、独特ですよ。

極端な話言えば、正直、僕自身、
化粧品がなくてもいい社会が
できたらいいんじゃないの? 
みたいに思ってた時期もあるんです。
例えば紫外線が強くなるから
肌が荒れやすくなるとか、
日本の相対湿度って
どんどん下がっているんですけれど、
そういういろんな外的要因があるために、
スキンケアの重要度が増してきてるけれど、
ケアなくてもいい環境であれば、
それがベストなんじゃない?
みたいなふうに思ってて。

でも、やっぱり化粧品を作りたい
という思いもあリますし、
仕事だからやらなきゃいけないっていう、
自分の中でずっと葛藤があったんですよね。

草場
そうなんですね。
茂田
その中で、「自分を慈しむ」ということによって、
社会に与えられる価値があるってわかって。
草場
化粧品は、毎日使うものだからこそ、
できることもきっとあると思うんです。
状態が悪くなったら薬っていう手もありますけど、
そこまでにならない、
できるだけ揺らがない肌にしていく、
日々のケアのための化粧品というのもあるし、
何か冒険をしたとしても、これを使えば安心できる、
というものを持っておくといいなと思う。
それに「OSAJI」が入るなと私は思ってます。
茂田
予防医学ですからね、化粧品というのは。
なにか問題が起こっちゃってから
薬で叩くではなくて、
問題が起こらないように事前にやっていくもので。

江戸時代、将軍や大名に仕えるお医者さん、
「御殿医」という人たちがいましたよね。
殿様の体のコンディションを考えながら、
日々日々、生薬をお匙で量っていた。
その姿から、彼らを「御匙」とも呼んだんです。
草場
それが「OSAJI」の由来なんですよね。
茂田
そうなんです。
草場
私、最初に聞いたとき、ピッタリと思って。
茂田
私たちは現代の皆さまの
「御匙」でありたいという思いから。
草場
インパクトがありますよね、
まず「OSAJI」という名前が。
私にとっては、信頼が置けるブランドです。
茂田さんのお話を何度か聞く機会があって、
よりいい製品だなって。
どれも「慈しむ」という言葉に
つながるアイテムですよね。

(おわります)

2019-07-08-MON

販売は、7月9日(火)午前11時からです。
どうぞおたのしみにー。

販売ページはこちら

草場妙子(くさば・たえこ)

ヘアメイクアップアーティスト。
熊本県出身。
雑誌や広告、CMなどを中心に幅広く活躍。
自分で使っていいと思ったスキンケアや
メイクアップのアイテムを紹介するインスタグラムが人気。
書籍に『TODAY’S MAKE-UP 今日のメイクは?』
(アノニマスタジオ)がある。

・草場妙子さんのインスタグラム

・『TODAY’S MAKE-UP 今日のメイクは?』
amazonでも販売中です。

茂田正和

1978年生まれ。化粧品技術者、スキンケアアドバイザー。
2002年より化粧品開発に従事。
東北大学皮膚科・相場節也教授に師事し、皮膚科学を学ぶ。
2010年にスキンケア、ボディーワーク、フードなど
トータルライフスタイルから築く真の美容を広く提唱すべく
「バランスケア・アソシエーション」を発足。
多くの美容関係者とともに
セミナーやワークショップを開催。
ファッション雑誌等でも美容に関わる情報を執筆する。
2013年「子供を紫外線から守る会」を発足。
現在は化粧品開発業務と合わせ、
美容関係従事者への皮膚科学、
化粧品学分野の講師を務める。
以降、肌トラブルに悩む様々な方々に寄り添った
スキンケアブランドや専門店を開発し、
世に送り出している。
日本皮膚科学会正会員、
日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会、
日本化粧品技術者会、日本香粧品学会所属。

・日東電化工業の紹介ページ

・OSAJIのページ