いい眠りをサポートする「三種の寝器」のひとつめ、
まくらについて学んだところで、
「ねむくま」顧問の三橋美穂さんから思わぬ提案が。
なんと、「ねむれないくま」の顔のかたちが、
まくらにぴったりだというのです。
よくわからないけど、それはおもしろそう!
ということで、三橋さんご指導のもと、
「ねむくま」オリジナルまくらをつくっちゃいました。
よろこびいさんで、みなさんに紹介します。
──
「ねむくま」オリジナルのまくらを開発するにあたって、
実際の設計や製造を引き受けてくださったのは、
株式会社ディーブレスさんです。
増田さん、石井さん、松浦さんにお越しいただきました。
増田
ディープ・ブレス=深呼吸を略して「ディーブレス」、
寝て、リラックスして、深呼吸しよう、いう会社ですわ。
完成品のサンプルができたので、お持ちしました。
──
関西ご出身らしい、
ぬかりないアピールをありがとうございます。
さっそくですが、拝見できますか?
石井
はい、これです!
一同
わあ、パチパチパチパチ!
──
ほんとにくまの顔になってる。かわいい。
「ねむくま」をご覧になっている人にもわかるように、
あとで正面からの写真も入れておきましょう。
三橋
できましたね!
こんなまくらは、みなさん見たことがないと思います。
──
くまの顔を逆さにして使うから、
「くまのさかだちまくら」と名づけました。
オリジナリティなら、ほかのまくらに負けません(笑)。
三橋
でも、機能としても、かなり理想的なまくらなんですよ。
・ちょうどいい高さ
・首から頭にかけてのラインにフィットする
・寝返りして横向きで寝やすい
という3つのポイントを、
まずわたしがくまさんの顔のかたちに合わせて設計して、
それをディーブレスさんがうまく実現してくれました。
──
カバーをとってみると、縫い目が入っていたり、
かたちも思った以上に立体的です。
三橋
首から頭にかけての凸凹に合わせて、
後頭部がのる中央(くまの顔の真ん中)は低めに、
首がのるところ(くまの頭の部分)は、
それより高めにしています。
両サイド(くまの耳)は、寝返りをして横向きに寝たときに首や肩を圧迫しないよう、いちばん高くしてもらいました。
──
なるほど、横から見るとかなり高低に差があります。
三橋
なかが3つに仕切られているんですよね?
石井
はい、くまさんの顔でいうと、
両耳から頭にかけてと、顔の真ん中、口からアゴのあたり、
3つの部屋に仕切られています。
──
なぜこうしているんでしょう?
増田
よう聞いてくれはりました。
なかに詰める樹脂製のパイプで、
お好みの高さに微調整できるようにしてるんですわ。
石井
それぞれの部屋に入れた樹脂パイプを、
裏がわのファスナーから出し入れして、
量を調節できるようになっているんです。
──
ファスナーが、くまの口みたいに見えますね。
あれ? でも、顔の真ん中とアゴのほうは、
どうやってパイプをわけるんでしょう?
増田
よう聞いてくれはりました。
ファスナーを開けると出てくるパイプの出し入れ口、
これが真ん中のやつは二つに分かれていて、
パイプを別々に入れられるんですわ!
──
ああ、なるほど!
石井
このへんの構造がありつつ、
高さの差を出すのがなかなかむずかしくて、
試作モデルをつくって、すこしずつ改良していきました。
三橋
たしかに、首と頭がのる部分の高さの差は、
なんどか調整をくりかえして決めましたね。
松浦
事務所のすみに積んであった試作品を見て、
同僚が「あれなに?」と訊いてきたこともあります。
まくらには見えなかったみたい(笑)。
──
「自分に合ったまくらを使えている人は2割だけ」と、
三橋さんは以前おしゃっていました。
このまくらは、どれくらいの人をカバーできそうでしょう?
三橋
高さの設定をかなり綿密に、じっくりやりましたので、
100人のうち100人とは言いませんが、
8割くらいの人には合うと思います。
残りの2割は大柄の男性ですが、そういう人でも、
まくらの下にたたんだバスタオルをしくことで
高さを調整できます。
――
そうか、低いものを高くはできますもんね。
実質、だいたいの人をカバーできると。
三橋
はい、そのはずです。
もちろん、樹脂パイプを出し入れして、
部分的に高さを微調整することもできます。
ただ、ほとんどの人は必要ないと思います。
――
さわらなくていいんですね。
正直、そのほうが気がらくでいいです。
三橋
例外は、頭を横から見たときに後頭部が丸く出ている人。
アメリカ元大統領のオバマさんみたいな人です。
そういうかたは、中央部分のパイプをすこし減らして、
低くするといいと思います。
――
気にしたことなかったけど、
たしかにオバマさんは後頭部が丸いですね。
山下
オバマさんみたいな後頭部の人は、
日本人にはすくないので(笑)、
まずはそのまま使ってみてください。
――
「オバマさん以外はだいたい合うまくら」を
キャッチフレーズにしましょうか(笑)。
あ、増田さん、何か言いたそうですね。
増田
よう聞いてくれはりました‥‥いや聞いてないか。
なかに入れたパイプのことなんですけどね、
実はこれ、長年かかって行き着いた自信作なんです。
やわらかすぎず、かたすぎず、
弾力感のバランスが絶妙なんですわ。
──
なるほど、高さやフィット感がよくても、
感触がよくないと、うれしくないですもんね。
──
実は、ぼくらからもリクエストしたことがあって、
それは「家で洗濯できるように」ということでした。
三橋
はい、そのために、頭や首が接するまくらの上面は、
洗濯ができるポリエステルの綿シートにしています。
もちろん樹脂パイプも、洗濯できる素材です。
松浦
うちは息子がいるのですが、
まくらカバーとまくらパッドをしているのに、
かいた汗が2重のバリアを突き抜けて、
まくら本体に達してしまうんですよ(笑)。
まくらが丸洗いできるって、衛生的でいいと思います。
──
いざというときに洗えると安心ですよね。
洗う頻度のおすすめはありますか?
三橋
本体を洗うのは3ヵ月から半年に1回でいいと思います。
まくらカバーは、顔がじかにふれるので、
週に1回以上を目安にして清潔に保ってください。
ちなみにわたしは、1日おきに洗っています。
──
ありがとうございます。
増田さん、さいごになにかアピールはありますか?
増田
まくらカバーについて言わせてもらっていいですか?
これね、すごく肌ざわりがいい、
ぜいたくなパイル地を使ってるんですわ。
弊社じまんのタオルがありまして、
それと同じ糸でできてます。
──
へえ、それは、どんなタオル?
増田
めちゃめちゃ吸水性が高くて、
ものすご、ふわっとしてるんです。
ふつうのタオルは、
洗濯くりかえすとペタンコになっていくけど
これは、なんど洗濯しても、ふんわりしてる。
むしろ洗うたびに、ふんわりするんですわ。
これについては、また別の機会に語らせてもらえたら。
三橋
増田さん、目が真剣すぎてこわい(笑)。
石井・松浦
(笑)
──
あの、いまだからうかがいますが、
「くまの顔のかたちをしたまくら」というプランに
抵抗はありませんでしたか?
増田
ぜんぜんだいじょうぶです。
うちは、まくら、毛布、肌掛け布団、敷きパッドなど、
軽寝具が得意なメーカーで、フットワークもかるいんです。
三橋
わたしとは、もう15年くらいのつき合いで、
考えをわかってくださっているので安心でした。
いいまくらができたと思いますよ。
──
たくさんの人に使ってもらえたらいいな。
きょうはありがとうございました!
山下(ネムレンジャー1号)
さいしょは、こんなに低くてだいじょうぶかなって、
やや批判的な気持ちだったんですけど、ちょうどよかった。
わりと横を向いて寝るほうなのですが、
そのときの高さも、とてもよかったです。
真ん中の低さと、両サイドのこんもり具合が新感覚でした。
ふつうのまくらだと、端が断崖絶壁になっているから、
崖の向こうで、ついスマホいじったり本読んだりしちゃう。
このまくらはもう、そういうことをするなってことですね。
崖でおわらずに、その先がひろい丘陵になっているから、
まくらから落ちる心配もありません。
寝てる途中で目がさめたら、まくらがどこかに行ってて、
また位置をととのえて、みたいなことがない。
それってあんがい重要なことで、
まさに丘の上にいる気分で、のびのびと寝られます。
ぼく、これは買うと思います。
稲村(ネムレンジャー2号)
いろんなまくらを試したけど、どれもしっくりこなくて、
まくらじゃ眠りは変わらないんだと思っていましたが、
これは、なんかいい気がします。
すごく低くて、まくらをしている感じがしないから、
なくても同じなのかと思って外すと、ぜんぜんちがう。
「まくらをしてないと感じるほど自然」だったんです。
スーパーで売ってるうなぎの蒲焼きって、ほんとうは、
家で焼いたあとタレをつけるほうが、おいしいんですって。
でも白いままだと見栄えわるくて、たぶんみんな買わない。
なんの話かというと、まくらも、
ふわふわ、ふかふかしてるほうが見栄えがいいけど、
それは「タレがついてるうなぎ」なんじゃないかと。
このまくらは、「白いままのうなぎ」っていう気がします。
まくらもうなぎも、ほんとうにいいものが
ちゃんと売れる世の中になるといいいですね。
(編注:うなぎについて真偽のほどはわかりません)
清水(ネムレンジャー3号)
おおげさでなく、人生ではじめて熟睡できました。
このまくらを試しているあいだの一週間くらい、
毎晩ふとんに入るのがたのしみでした。
ちいさいころからずっと使っている自分のまくらが
マウスパッド並みにぺちゃんこなので、
はじめは「高すぎないかな?」と思ったんですけど、
実際はちょうどよかったです。
あお向けに寝たとき、首と肩がしっくりおさまって、
頭の両がわ(くまさんの耳)にボリュームがあるおかげで、
包まれているような安心感があるのも、うれしいです。
変なたとえかもしれないですが、
ジェットコースターに乗るときに安全バーが降りてきて、
座席にホールドされるときみたいだなと思いました。
あのフィット感が、わたしはけっこう好きなんです。
眠りのなやみ、
おしえてください。
日ごろ、眠りについて気になっていること、
疑問に思っていること、困っていることはありませんか?
ささいなことでもかまいませんので、ぜひ教えてください。
「ねむくま」編輯部と、顧問の三橋美穂さんが、
いっしょに調べて回答します。
寝グルメじまん、
募集中!
「これをはじめてから調子よく眠れます」
「これを使うと目ざめが快適です」
そんなノウハウやグッズがあったら、ぜひ教えてください。
当マガジンで紹介したり、うまく取り扱いできたら
販売もしたいと思っています。
メーカーなどの企業のかたからの情報も大歓迎!