特集
そもそも、
自律神経ってなんだろう。
前回に引き続き、
私たちの顧問である、
快眠セラピスト・三橋美穂さんにうかがった
春によく眠るためのコツをおとどけします。
今号は「自律神経」についてです。
春は、寒暖差がはげしいこともあり、
自律神経のみだれがおこりやすい
季節なのだそう。
よく「自律神経」と耳にするけれど、
そもそも、どんな神経なの?
睡眠にどんな影響があるの?
そんな疑問に、たっぷりとお答えいただきました。
──
最近、ずいぶんとあたたかくなってきました。
三橋
そうですね。
──
「春眠暁を覚えず」というくらいですし、
春ってほんとうに眠りやすいです。
三橋
じつは、
一見、眠りやすそうな春の眠りにも、
気をつけたほうがいいことがあるんですよ。
──
えっ、そうなんですか。
三橋
そもそも、
「春眠暁を覚えず」は、
朝日が登ったことにも気が付かずに
眠りつづけてしまう、
というような状況から来ている言葉です。
つまり春は、
なんだかすっきり目覚められない、
ということが起こりやすい季節なんです。
──
なんと‥‥。
そうだったんですね。
すみません、
そうとは知らずに呑気なことを言ってしまいました。
三橋
いえいえ。
冬から急にあたたかくなり、
気温の変化が激しいので、
知らずのうちに
自律神経がみだれてしまうことが多いです。
──
自律神経が‥‥!
三橋
ええ。
ですので今日は、
自律神経をととのえて、
春でもすっきりと目覚めるためのコツについて
お話しましょう。
──
はい、よろしくお願いします!
そもそも、自律神経って?
三橋
まず、さきほどお話したように、
春にすっきりと目覚められない原因は、
自律神経のみだれからくることが多いです。
──
自律神経のみだれ‥‥。
三橋
はい。
ですので、自律神経をととのえる方法を
いくつかお伝えします。
──
‥‥あの、
お話の途中にすみません。
三橋
はい、なんでしょう。
──
ひとつ質問をしてもよいでしょうか。
三橋
ええ、もちろんです。
──
えーっと‥‥、
そもそも、自律神経って何なのでしょうか。
三橋
自律神経はですね、
今、じぶんがちょうどいいように、
自動的に調節してくれる神経のことです。
──
ちょうどいいように、自動的に?
三橋
ええ、
そのなまえのとおり自律している神経で、
わたし達の意志とは関係なく、
いま身体にとって必要なことを判断して、
調節してくれます。
──
ほう。
三橋
たとえば、
全力で走ったら、心臓がバクバクとするでしょう?
──
はい、しますね。
三橋
それも自律神経がはたらいている証拠です。
──
心臓のバクバクが?
三橋
ええ。
全力で走ると、ものすごく酸素を消耗します。
なので、全身に酸素を行き渡らせようと
自律神経がはたらいて、
心臓が活発にうごくようになるんです。
──
そうやって、瞬間瞬間で、
身体が必要としていることを見つけて
ととのえてくれる神経なんですね。
三橋
はい。
その自律神経は、大きく2つにわけられます。
「交感神経」と「副交感神経」です。
──
あっ、
すこし聞いたことがあります。
三橋
先ほど例にあげたように、
心臓を活発に動かすようなはたらきをするのが
「交感神経」です。
反対に、
身体をやすませてリラックスさせるはたらきをするのが
「副交感神経」です。
──
では、
よく眠るためには、
「副交感神経」に気をつけると良いんですね。
三橋
いえ、そうとも限りません。
──
えっ。
三橋
自律神経は、
「交感神経」と「副交感神経」の2つが
シーソーのようにうまくバランスを取り合っている
状態がよいとされています。
──
シーソー?
三橋
ええ。
「自律神経がみだれる」というのを、
耳にしたことはありませんか?
──
あります、あります。
三橋
それがまさに、
シーソーのバランスが取れなくなった状態のことを
指しているんです。
片方ばかりを気にしてしまっては、
うまくバランスをとれずに、
自律神経がみだれてしまいます。
──
バランス、なんですね。
自律神経に
いいことをしよう!
──
自律神経について、すこしわかってきました。
しかし、
みだれないようにするには、
いったいどうしたらよいのでしょうか。
三橋
自律神経にいいこと、をすればいいんです。
──
自律神経にいいこと‥‥?
三橋
はい。
さきほどお話しした、
「交感神経」と「副交感神経」の
それぞれにいいことがありますので、
その両方をバランスよく取り入れることが大切です。
──
と、言いますと?
三橋
まず、
「交感神経」にいいことからご紹介します。
──
おねがいします。
三橋
ずばり、運動です。
ふだんから意識的に、
身体をうごかすようにするといいですね。
──
どのくらいの運動をすればよいのでしょうか。
三橋
激しい運動でなくても大丈夫です。
20分程度の、かるいウォーキングでも
十分に効果があります。
──
春は気温もちょうどよくて、
さんぽをするにはぴったりの季節ですね。
三橋
そうですね。
外に出て
おひさまの光をあびながらのウォーキングは、
体内時計もととのうので、
快眠のためにもとてもいいです。
──
春のおさんぽ‥‥。
きもちよさそうです。
三橋
日中に身体をうごかしたら、
眠る前にはしっかりと
身体をやすめるようにしてください。
──
それは、
「副交感神経」にいいことなんですね。
三橋
はい、そのとおりです。
以前ご紹介した「筋弛緩法」が
大変おすすめです。
──
「筋弛緩法」!
わたしも、眠る前にやっています。
三橋
すばらしいです。
呼吸を落ち着かせて
筋肉をゆるめることは、
「副交感神経」にとって、とてもいいことなんです。
──
なるほど。
だいぶわかってきました。
三橋
もちろん、かるいストレッチや瞑想も、
「副交感神経」にとてもいいです。
ご自身にあった方法を
とりいれていただければと思います。
──
身体をうごかすことで「交感神経」に、
身体をリラックスさせることで「副交感神経」に
いいことができる、ということですね。
三橋
そのとおりです。
日中にしっかりうごいて、
夜はしっかりやすむ、
というように、
メリハリを意識することが大切です。
──
メリハリ。
三橋
ええ。
そうすることで、
自律神経がととのい、
朝すっきりと目覚められるようになりますよ。
──
いままで、
なんとなくで自律神経をととのえようとしていたので、
くわしく知ることができてよかったです。
三橋
気軽に取り入れられることも多いので、
ぜひ、ためしてみてくださいね。
──
はい!
三橋先生、本日もどうもありがとうございました。
(三橋さんへの質問は続きます)
眠りのなやみ、
おしえてください。
日ごろ、眠りについて気になっていること、
疑問に思っていること、困っていることはありませんか?
ささいなことでもかまいませんので、ぜひ教えてください。
「ねむくま」編輯部と、顧問の三橋美穂さんが、
いっしょに調べて回答します。
寝グルメじまん、
募集中!
「これをはじめてから調子よく眠れます」
「これを使うと目ざめが快適です」
そんなノウハウやグッズがあったら、ぜひ教えてください。
当マガジンで紹介したり、うまく取り扱いできたら
販売もしたいと思っています。
メーカーなどの企業のかたからの情報も大歓迎!