特集
夏の快眠のコツ
まいにち、まいにち、暑いです。
2024年も、猛暑がしっかりとやってきました。
今年の夏も、あらためて、
私たちの顧問である、
快眠セラピスト・三橋美穂さんに
この季節の快眠のコツをうかがいました。
※2023年の夏、三橋先生にうかがった、
基本的な夏の快眠術については、
ぜひこちらをお読みください。
三橋 美穂(みはし みほ)
快眠セラピスト、睡眠環境プランナー。
これまで1万人以上の眠りの悩みと向き合い、
いまや頭をさわっただけで、その人に合うまくらがわかる。
『オトナ女子の不調と疲れに効く眠りにいいこと100』(かんき出版)
ほか著書も多数。
三橋さんのInstagram >
体温のコントロールが
大切
──
暑いですね‥‥。
三橋
そうですね‥‥。
すこし外をあるいただけで、汗がふき出してきます。
──
こういう暑い日には、
他の季節よりも寝付きがわるくて‥‥。
三橋
夏に眠りにくくなる方は、多いですね。
──
やっぱり。
三橋
ええ。
──
あらためてのストレートな質問ですが、
どうして夏はこんなにも、
うまく眠れなくなってしまうのでしょうか。
三橋
まず言えるのは、
体温のコントロールがうまくできなくなってしまうからです。
──
体温のコントロール。
三橋
ええ。
睡眠中は、体温の調節がかかせません。
睡りの質を上げるために、
深部体温をうまく下げてあげる必要があるんです。
──
あ、以前くわしく教えていただきました。
深部体温が下がることで熟睡感が増すと。
三橋
はい、そのとおりです。
汗を蒸発させることによって、
体温をうまくコントロールするのですが、
夏は湿度も高く、とても蒸し暑いので
体温のコントロールがうまくできなくなってしまうんです。
──
そうか、
ただ気温が高いだけではなくて、
湿度も高いんですね。
三橋
そうなんです。
──
では、以前梅雨の時期に教えていただいたように、
除湿機を使ったほうが良さそうですね。
三橋
いえ、
夏にはエアコンを使いますよね。
冷房には湿度を下げてくれる効果もあるので、
エアコンを付けるだけで十分です。
──
なるほど!
三橋
エアコンを使って、
室温と湿度、両方しっかりと
コントロールしてあげることが大切です。
夏でもパジャマは
長袖長ズボンがおすすめ
──
エアコンは使ったほうがいい、
というのはわかりつつも、あの冷風が苦手で‥‥。
なにかいい方法はないかと、探していたんです。
そんなときに、以前三橋先生がおっしゃっていた
「冷風が苦手な方は
夏でも長袖長ズボンのパジャマを着るとよい」
というのを、試してみたんです。
三橋
おっ、いかがでしたか?
──
これがもう、とーっても快適でした!
三橋
わぁ、良かったです。
やはり、冷風が直接身体にあたらないので、
疲れにくいんです。
──
まさにそのとおりでした。
はじめは正直、
「えー、夏に長袖長ズボンか‥‥」
と思っていたんです。
でも、実際に試してみると
朝の身体のだるさがなくなって、
ほんとうに良かったです。
先生、ありがとうございました。
三橋
効果があったようで、なによりです。
──
エアコンの冷風が苦手、という方には
ぜひ試していただきたいです!
腸と脳は
つながっている!?
三橋
あと、
体温のコントロールの他に、もうひとつ
夏に眠りにくくなってしまう大きな原因があります。
──
なんでしょう。
三橋
冷たいものを、
食べたり飲んだりする機会がふえることです。
──
冷たいものが?
三橋
ええ。
冷たいものを食べると、
どうしても内臓に負担がかかってしまいます。
「脳腸相関」と言って、
脳と腸はつながっている、と言われているんです。
──
えっ、腸と脳が?
三橋
ええ。
たとえば、
テストの前や、大事な仕事の前などに
お腹が痛くなってしまうこと、ありませんか?
──
あります、あります。
三橋
それが「脳腸相関」です。
強いストレスがかかると、
胃腸の調子がわるくなってしまったり、
逆に便秘になると、
気持ちが重くなってしまったり。
──
はー、なるほど!
思い当たることがありすぎます。
ですが、「脳腸相関」と睡眠は
どんな関係があるんでしょうか。
三橋
睡眠は基本的に、脳が管理しているんです。
ですから、腸を整えることによって、
脳にも良い影響があり、
睡眠の質を上げることができます。
──
そうだったんですね。
三橋
旅行先でなかなか眠れない、
ということありませんか?
──
あります。
三橋
旅行先で、お腹の調子も乱れてしまったり。
──
それもあります。
‥‥あっ、
もしかしてそれも「脳腸相関」ですか?
三橋
そのとおりです。
もちろん、
いつもと睡眠環境がちがうから、
という原因もありますが、
移動や環境の変化でストレスを感じたり、
食事のちがいや食べ過ぎなど、
腸の調子がみだれてしまうことが多いんです。
なので、旅行先で眠れない、
ということが起きてしまいます。
──
腸ってほんとうに重要なんですね。
腸の調子をみだれさせないためには、
どうしたらよいのでしょうか。
三橋
いちばん大切なのは、
冷やしすぎないようにすることです。
──
冷やしすぎないように。
三橋
ええ。
少なくとも眠る前の水分補給は、
常温の水がおすすめです。
──
常温。
暑いので、つい氷をたっぷり入れてしまっていました。
三橋
氷水!
それはあまりよくないですね。
──
やはり、そうでしたか‥‥。
これからは、常温の水を飲むようにします。
眠る前には、
コップ1杯の水を
──
眠る前の常温の水は、
どれくらい飲むのがよいのでしょうか。
三橋
口の乾きが和らぐぐらいで、十分です。
常温のお水を、コップ1杯くらいがいいですね。
──
そんなにたくさん飲まなくてもいいんですね。
三橋
ええ。
寝ているときにはたくさんの汗をかきますから、
睡眠前の水分補給はとても大切です。
ですが、
あまり水分を取りすぎてしまうと、
眠っている途中にトイレに行きたくなってしまいますから、
すこしで大丈夫です。
──
途中で目が覚めてしまっては、元も子もないですものね。
三橋
ええ。
──
今日はたくさんのコツを教えていただき、
ありがとうございました。
三橋
こちらこそ、ありがとうございました。
ほんとうに暑い日が続いています。
ご自分の生活にあわせて、
取り入れやすそうなものから
ぜひ、ためしてみてくださいね。
(おわります)
眠りのなやみ、
おしえてください。
日ごろ、眠りについて気になっていること、
疑問に思っていること、困っていることはありませんか?
ささいなことでもかまいませんので、ぜひ教えてください。
「ねむくま」編輯部と、顧問の三橋美穂さんが、
いっしょに調べて回答します。
寝グルメじまん、
募集中!
「これをはじめてから調子よく眠れます」
「これを使うと目ざめが快適です」
そんなノウハウやグッズがあったら、ぜひ教えてください。
当マガジンで紹介したり、うまく取り扱いできたら
販売もしたいと思っています。
メーカーなどの企業のかたからの情報も大歓迎!