あしかけ２年ほどかけて、 ようやくできあがりました。

惠谷 できあがりましたね。

最終的なアイテムを何人かで試着して、 みんなで「すごい」と興奮して。 はやく買いたいと、待ち焦がれています。

惠谷 ああ、よかったです！

アンケートでも声が多かったんですよね。 つきのみせのシグネチャーラインのような リラックス感のある下着もいいけれど、 たとえばタイトスカートを履いたり、 ドレスアップしたりしたときは、 身体のラインがきれいに見える下着が 着たいなあって。

惠谷 リラックスしたいときと、 人に会うときや出かけるときは 下着を変えると気分も変わりますもんね。

お出かけする機会も増えたじゃないですか。 ひさしぶりにおしゃれをするのが楽しくって。

惠谷 あとは、スカートやパンツも、 タイトめなものが流行っていますし。 スタイルが変わってきたなって思うので、 ちょうどいいタイミングだと思います。

でも、補正下着ほど苦しくないというか、 つきのみせらしさをいかして、 「毎日無理なく着られる、 つきのみせらしい補正下着」をつくりたいと 惠谷さんにご相談しました。

惠谷 つきのみせらしさは、大事にしました。 着心地がいいけれど、 ほどよく身体のラインをきれいに見せてくれる。

何度もやり取りさせていただきましたよね。 最初はナイロンやポリエステルなど THE補正下着な生地を提案いただいたのですが、 あんまりピンときていなくて。 そのあとに、惠谷さんが興奮気味に、 「いい生地がありました！」と持ってきてくださって。

惠谷 綿混で肌あたりがよくてパワーバランスもいい、 まさに理想的な生地があったと、うれしくって。

どんな生地なんですか？

惠谷 補正下着の多くが化繊の生地で、 強力なものを使うことで補正力を高めています。 でも、つきのみせに関しては肌ざわりを なによりも大切にしているので、 綿混、タテ編み（トリコット編み）の無縫製で、 リラックス感のあるフリーカットでつくりました。

縫い目がないんですね。

惠谷 まったくないんです。 なので、モールドといって熱で型をつくって、 カーブを立体的にしました。

アンケートで縫製を気にされている方が多かったので、 無縫製のアイテムはよろこばれそうですね。

惠谷 着心地は抜群にいいですね。 あと、縦横によくのびてくれるのに、 ピタッとお肉の位置を止めてくれる トリコット編みにしています。 肉質がやわらかい人は、 「ととのえる」を着るとわかりやすく 身体のラインが変わると思います。

タンクトップとショーツの上下をつくりました。 タンクトップは、最初のサンプルでは もう少しおなかまわりがキツかったですよね？ ごはんを食べることが好きな人も多いので、 「おなかは引っ込めたいけれど、食べたい」という バランスを調整いただいて（笑）。

惠谷 気持ちはよくわかります。 最初はボンディングといって、 おなかをおさえる補正を入れていたのですが、 きつすぎるという意見をいただいて調整しました。 ウエストの脇のカーブを強めに立体裁断することで、 自然と腰回りとおなかがシェイプするようにしています。

脇肉や背中のお肉が気になっているんですけど、 これはノンワイヤーですし、ゴムも入っていないので、 そのあたりはどうですか？

惠谷 これは、アンダーの接着部分が ワイヤーやボーンの代わりになっているので、 そこですっきり見せてくれます。 あとは、おすすめの着方がありまして、 できたら上から被るのではなくて 下から履いてもらいたいんです。

タンクトップに足を入れて、 上に持ち上げるってことですか？

惠谷 そうすると、下腹のお肉ですとか、 いろんな部位が胸に集まってきて、 「あれ‥‥全部胸だったかな？」となる 魔法の商品なんです。

それは、魔法ですね（笑）。 わりとフラットなデザインですけど、 接着部分がボーン代わりなんですね。

惠谷 はい、そこでラインをすっきり見せるんです。 あとは、ブラをしなくても大丈夫なように、 パッドを入れています。

胸のお肉がたくさんやってきたら、 カップも変わりますか？

惠谷 それで、見頃に対してカップは ワンサイズ大きくしたんです。

Mサイズのタンクトップだと、 カップ部分はLサイズってことですか？

惠谷 そうです、そうです。 お肉がやってきますから。

すごく惠谷さんらしくて素敵だなと思ったのが、 着たときの襟ぐりのカットラインがきれいなんです。

惠谷 気づいてくださって、うれしいです。 私の好みではありますけど、 シャツを第二ボタンまで開けるスタイルが好きなんですね。 なので、そこまで外しても見えないくらい、 襟ぐりをカッティングしています。

あと、胸の形もきれいですよね。

惠谷 カップにはすごく力を入れました。 バストが見えないくらい覆っているものが多いんですけど、 これは大きめのカーブにして丸みがきれいに出るように。 手でも整えてもらえたらと思います。

ショーツはどんな特徴がありますか？

惠谷 シグネチャーラインのショーツは 立体裁断でおしりの丸みにあった かたちをつくっていましたが、 ととのえるシリーズのボトムは モールドで立体的なかたちにしました。 ヒップラインがきれいに見えるように、 ボーン代わりの接着部分を丸く入れています。

着たときに、おしりのトップの位置が キュっと上がった気がしました。 太ももの段も気にならないですし。

惠谷 あとは、こちらもおなかですよね。 自然におさえられるように、 背面に二重で接着部分をつけて、 脇に丸くカッティングを入れています。 横からおなかまわりをおさえることで、 すっきり見せています。

こちらも、タンクと同じ生地ですよね？

惠谷 そうです。 同じように縫い目があたらないのですが、 おしりはより身体の厚みがある部分で 立体的ではないと履きづらい。 なので、マチのところで厚みを出しています。

長さはおなかをカバーできるくらい、 しっかりあります。

惠谷 おなかまわりのシルエットを引き締めたいので、 ハイウエストですね。 トリコット編みで縦伸びしやすく 履きやすいと思うのですが、 いい位置で止まってくれるように カッティングしているんです。 でも、たくさん食べられますよ。

チームのメンバーが、 試着して中華街の食べ放題にチャレンジしていました。 どれだけ、着心地がいいかたしかめるために。

惠谷 チャレンジャーですね（笑）。 でも、一切ゴムを使わずに、 生地のパワーだけで補正するので 意外と食べられますよね。

補正下着のイメージって、 息も吸いにくい苦しい印象があったので、 ほどよく引き締めてくれる着心地が、 あたらしいなと思いました。

惠谷 私の時代は補正下着がものすごく流行ったんですけど、 もう、どうにも動けないくらいキツイもので。 私の母親なんて、苦しくて倒れてしまって、 何万もする高い補正下着を病院で裁断されてしまって。

わあ、それは悲しい‥‥。

惠谷 そういう頃を考えると、 楽してボディメイクできるアイテムが ずいぶんと増えてきましたよね。 その中でも、かなり楽な部類だと思います。 綿混なので汗を吸い取ってくれますし、 パッドも通気性のよいものを採用しました。

最近、毎日ゴムパンを履くようになってきて、 お気に入りのデニムがイマイチになってきたんです。 でも、これなら合わせやすそう。

惠谷 そうですね。 身体に沿うような服には、 ぜひ合わせてもらいたいです。

タートルネックにも合いそうだなと思って。 ぴったりと体に沿うタートルネックに ワイドパンツを合わせるスタイルが 若いころから大好きで、 最近は脇や背中のお肉が気になって 着られなくなっていたんですけど、 もう一度自分の好きだったスタイルを試せそうです。

惠谷 ニットは体のラインがどうしてもでちゃいますからね。 それはうれしいです。

シンプルなデザインですけど、 海外の下着をまとっているような 大人っぽい色味も気に入っています。 サイズの選択は、 ふだん選んでいるサイズで大丈夫ですか？

惠谷 そうですね。 あと、ぽっちゃり体型の方で必要としている方も、 私は3LですがLLサイズが入るくらい伸びがいいです。 逆に、ぴったりとした補正下着に慣れている方にとっては ゆるいかな、と思われるかもしれないです。 イメージで話すと、はじめての補正下着を ほしいなと思っている方に向けてつくったので。

ああ、そうかもしれないですね。 お肉がなくなってしまった、というより きれいにラインをととのえてくれるものなので。

惠谷 着用の仕方としては、 上下買っていただいた方はまずボトムを履いて、 おしりがきれいに入っているかチェックをしてください。 はみ出ていたら、胸のように手で調整して。 それからブラタンクを下から履いていただくと、 全体がすっきりすると思います。

「毎日無理なく着られる、 つきのみせらしい補正下着」をつくりたい と話していましたけど、 ほんとにその通りになったなと思います。

惠谷 これまでフリーカットの下着を たくさんつくってきましたけれど、 これはかなり自信を持っておすすめできます。 一番よくできた、と言ってもいいくらい。

惠谷さんにそう言っていただけると心強いです！

惠谷 ほら、みなさんも中華街に行ったりだとか、 すごく真剣に商品をチェックしてくださるし、 ダイレクトにコミュニケーションを取らせてもらえるので、 ものをつくりやすいなと思います。 あとは、デザイン面も大事にされているので、 機能とデザインを両立しているもので 満足いくものができました。

（つづきます。）