糸井重里
・しみじみ、「お若い方々よ」と思い、そして呼びかける。
すっごいぞ、時間ってほんとに過ぎていくぞ、と。
いま30代の方々よ、40歳ぐらいの人よ、50歳とかの人よ、
うれしいことも、つらいことも、恥ずかしいことも、
車窓の景色のようにただ後ろに飛んでいくぞ、と伝えたい。
だって、学生だったみうらじゅんが68歳だぞ、
少年だった木村拓哉が53歳のおとうさんだぞ、
それを言ってるじぶんが77歳だから、不思議でもない。
お昼休みに弁当食べてたと思ったら、もう夕方だよ、
というような感じで年月も過ぎていくということを、
びっくりしながらごく自然に感じるようになるのだ。
ほんとに、教訓なぞがあるわけではないのだ。
「少年老い易く学成り難し」とか、その通りだけどね。
ただの事実なのだ、あせることはない、なるようになる。
何度か語ったことがあるのだが、ぼくは、
50歳くらいのとき、四柱推命という占いをしてもらった。
そこで「なにをやってもだめな運」であると告げられた。
本人としては希望を見つけたい時期だったのだが、
その反対のことを言われたので、少しは落ち込んだよ。
そして、その「なにをやってもダメ」から抜け出せるのは、
なんと15年も先、65歳からだというではないか。
そんときゃ、もう老人になってるよ、ひどいよと思った。
しかし、ちょいと話を急ぐようだけれど、
いつのまにか65歳になってしまっていたし、
それまでの間、つらくもなかったし、ダメでもなかった。
かといって65歳で運が開けたような気もしなかった。
ただ、時間が過ぎていっていつのまにか65歳だったのだ。
そういうことか、生きてることは時間が経つことなのか。
「どっちにしてもそのときはくる」と思えたのだった。
時間が過ぎていくことなど、考える必要もなかったのだ。
過ぎるものは過ぎる、老いるものは老いる死ぬものは死ぬ。
「悟り」なんかはないですよ、みんなそうなんだから。
そして、老人になってからも、わりとおもしろいのです。
では、今日の質問no.029「わたしの欠点はこれかな?」。
探してみましょうか、あるならある、ないならないと。
よかったら、それをメールに書いて送ってくださいね。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
今日の短文、若い人が読んだらどういう感じなんだろうか?
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