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ほぼ日手帳

糸井重里

・いわゆる「お盆やすみ」をどうするかを考えて、
 あるところに来ている。
 ぼくも、家の上司も、両親は他界しているから実家はない。
 いわば、おれが実家だ。
 そんな人間たちが、お盆をどこで迎えるのか、自由である。
 いやいや、そんなに大仰に構えることでもないな。
 「この町は第二の故郷です」みたいな言い方があるが、
 そういう場所が、あったら幸せなことだと思った。
 ああ、なくはないな、とやってきた。
 なにがあるわけじゃないけど(というのも失礼だけど)、
 なんだろう、ほっとするのだ。
 たぶん、観光をするわけでもなく、ちょっと移動したり、
 あの店で食事をしたり、あの人の顔を見たりするだけだ。
 宿には温泉があるから、それはもちろん入ります。
 着いて、誘ってくれた人たちに挨拶して食事して、
 もう満足である、用事はもちろんない。
 明日も、ちょっとだけ行く「観光地」はあるけれど、
 それほど気合いを入れるような意味合いはない。
 よかったら、よかった、というだけのことだ。

 娘の一家といっしょなので、もちろん娘の娘がいる。
 ぼくは、新幹線に乗っているときから、
 後ろの席の娘の娘をチロチロと見てたのしんでいた。
 市川動植物園のパンチくんを見ているような感じだ。
 ただ見物していておもしろいのだ。
 ごめんよ、もう大人みたいにいろんなこと考えてるのにね。
 子どもあつかいしたり、おさると同じみたいに言って。
 もちろん「ちいかわ」についての会話もすることになる。
 そこにいる他の誰よりも詳しいのが、
 7歳の彼女と、77歳のぼくなのである。
 70歳の年齢差を越えて、ちいかわばなしは成立する。
 この夏休みの時期に、この映画があってよかった。
 そして「第二の故郷」みたいなこの町があってよかった。

◆正解なんかないし、考える時間も大切な思い出になる。
 no.010「おとうさんの思い出は?」です。
 いる、いない、好き、好きじゃない、なんでも。
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今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
東京はとても好きなところだけど、兎にも角にも狭すぎる!

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