フランス生まれのスニーカーブランド
「VEJA(ヴェジャ)」のスニーカー、
2022年春夏モデルの12アイテムを
販売いたします。
ヨーロッパでは大人気の「VEJA」ですが、
日本でメジャーになるのは、まさにこれから!
「VEJA」の撮影モデルを務めたおふたり、
レ・ロマネスクTOBIさんと花梨さん、
スタイリスト轟木節子さんの3人で、
撮影終了後に座談会を開きました。
「VEJA」のやさしさってなんだろう?
- ──
- 朝からの撮影、おつかれさまでした!
TOBIさんは初のモデル業でしたね。
「フランスからやってきたスニーカー」
ということでお願いしたわけですが、
いつものピンク色の厚底ブーツを脱いでの
スニーカー姿、すっごくお似合いでした。
- TOBI
- 落ち着いた色の服を着る機会もないから、
撮影中はもう不安で不安で。
所在なく、いろんなことを言ってましたよね。
「高級トゥクトゥクの運転手」とか。
- 轟木
- 気を使っていただいて
「高級」ってことになってた(笑)。
- TOBI
- 「金田一耕助のコスプレを注文して、
Sを頼んだのに、XLが来ちゃった人」とか。
もうなんか、地味ハロウィンみたいになってました。
- 花梨
- 体育教師みたいな時もありましたよね?
- TOBI
- 上だけ着替えて朝礼に出た時みたいな。
それから、大学教授もありましたよね。
「自分が出した5000円する教科書を
買ってくれさえすれば単位をあげる大学教授」。
- 轟木
- アートディレクターとも言われました!
- TOBI
- 「コルビュジェのことをよく知らないくせに、
コルビュジェについて語るアートディレクター」。
不安でしょうがないから、
バックボーンが全部必要なんですよ。
せっかく用意していただいた服にごめんなさい。
- 轟木
- いえいえ、意図してなかったけれど、
言われてみればそう見えました。
- 花梨
- でも、全部お似合いでした。
私はああいう服がおしゃれだと思って
生きてきてたから、
違う視点がおもしろかったです。
- TOBI
- あははは!
最初、このスタジオに着いたとき、
「えっ? これを着るんですか?」って
ちょっとびっくりしたんです。
でも、「これがスタンダードな世界もあるんです」と
轟木さんがおっしゃったじゃないですか。
ぼくがいままで生きてきたものとは違う、
パラレルワールドなんだと思ってびっくりしました。
ずっと、騙されているのかなって。
- 花梨
- 「VEJA」って初めて履きましたけど、
いやあ、かわいかったです。
高級感があって、洋服が締まる感じでした。
- TOBI
- すごく履きやすかったね。
色も大人っぽいから、いつの季節にも合うね。
どんな格好にも合わせやすいのかな。
- 轟木
- 「VEJA」はもともと
生産背景が大好きなブランドさんで、
まだ自分で買ったことはなかったんだけど、
お仕事でよくリースさせていただいていました。
エシカルなブランドということで、
今、スニーカーを選ぶんだったら
「VEJA」かなっていうのが私の中にあって。
スニーカーとTシャツは、
自己主張というか、アイデンティティというか、
それが現れるアイテムなんじゃないでしょうか。
- 花梨
- たしかに、そうかもしれません。
- 轟木
- ロゴとかアートTシャツとか、
バンドTシャツだったり。
自分らしさが出せるんですよ。
- 花梨
- スタンダードなアイテムですもんね。
おしゃれの上級者というか、
ちゃんと気をつかっている人は、
スニーカーとかのアイテムは
絶対にはずしていない気がします。
こだわりを持って履いているのかな。
- ──
- 行き届いている気がしますね。
みなさんは普段、スニーカーは履きますか?
- 一同
- 履きまーす。
- 花梨
- でも、いつも同じアイテムから離れられないんです。
というか、まだスニーカーのことを知らな過ぎて
どれを選べばいいかわからなくて。
今日「VEJA」を履いてみたら、
白にもレパートリーがあるんだって知れました。
靴ひもの白と、革の白と、ソールの白の違いが
おしゃれでいいなあって!
- ──
- デザインや型によって、
ソールの柄もそれぞれに違うんですよね。
二村さん、説明していただけますか。
- 二村
- 「VEJA」の販売代理店の二村です。
フランスでブランドが立ち上がったのが2005年で、
いま、2022年で17年の歴史があります。
立ち上がりの当初は、
アマゾンの原生林でゴムを採取して現地で加工し、
オーガニックコットンのキャンバス地と組み合わせて
ものづくりをするところからはじまりました。
適切な賃金で、現地の雇用を生み出したんです。
年を重ねていく中で注目度が高まって、
ブランドとしても成長していきました。
アッパーの素材が革になったり、
リサイクルのペットボトルになったり。
ローテックスニーカーだった「VEJA」から、
ファッショナブルなモデルが出てきたり、
ランニングシューズが開発されたりしたんです。
- TOBI
- へぇぇー。
- 二村
- 日本ではまだ、メジャーなお店で
並ぶことがわずかな状況なので、
こうしてご覧いただける機会はすごく珍しいです。
- ──
- ずらーっと並ぶと、かわいいですね。
- 花梨
- ねっ! いろいろ欲しくなっちゃう。
- 轟木
- 私、「VEJA」との出逢いはひとめぼれで、
買い逃してしまったのですが、
シルクのピンク色、欲しかった!
スタイリングのはずしの部分で、
ロングスカートに
スニーカーを合わせることもあるんだけど、
「この靴を選んでいる人物像が好き」ってこともあって、
「VEJA」さんのスニーカーを選んでいます。
だからこうして関わることができて、
すごくうれしかったんです。
- 二村
- スタイリストさんやセレクトショップのバイヤーさん、
グローバルな目線で見られている方ですと、
「VEJA」のことを知っていただいていますね。
ファッション誌なんかを読んでいると、
日本はファッションにサスティナブルを取り入れるのが
10年遅れていた、なんてよく言われています。
「VEJA」は象徴的なブランドで、
グローバルでは人気があるんだけど、
日本では、ようやく知られるようになってきました。
- 轟木
- 日本だと、最近ですよねえ。
おしゃれな友達に会うと、
新しい「VEJA」を履いていたりします。
- ──
- TOBIさんは私服から
派手な色使いのイメージですけど、
スニーカーはどんなふうに選ぶんですか。
- TOBI
- スニーカーってもともと、
いろいろなスポーツから来ているじゃないですか。
山登り、ランニング、ハンドボール、バスケットボール、
いろいろ由来があるでしょう?
自分がどういうものを求めているのか、
どういうスポーツが自分の生活に合うのかなって、
なんとなく考えていますね。
- 花梨
- 深い。すごい。
- TOBI
- ぼくはバスケットボールシューズを履くような
暮らしをしてないので、合わないんですよ。
もうちょっと歩くことが多いから、
負担がないものとか、軽いものとかで考えます。
そんなにたくさんは持っていなくて、
お気に入りの靴は長く履くかなあ。
あっ、気に入った靴があったら
ぼくはよく靴ひもを替えるんですよ。
みなさん、そんなに替えないみたいですけど。
- 轟木
- 靴ひもは替えないなあ。
- TOBI
- 買った時の靴ひものまま履いて、
「汚れちゃったの~」ってみんな言うんですけど、
「替えればいいじゃないですか」って思うんです。
その日の気分とか、スタイリングに合わせればいい。
ぼく、“ちょっとピンクの恰好”をすることが多いから、
市販のスニーカーだと、靴ひもの色があわないんです。
「これが欲しいんだけど、黒か‥‥」と思ったら、
すぐに靴ひもを外して替えちゃってますね。
今日も気分で蛍光ピンクに替えています。
▲TOBIさんの私物のスニーカー。
- 轟木
- かわいい!
- TOBI
- こんな感じでいつも替えています。
真っ白とかだとちょっとこう‥‥、
派手なズボンとかに合わなかったりするので。
- 轟木
- 自分にしっくりくるようにして履くんですね。
- TOBI
- ちょっと法事に行かなきゃいけないとか、
不動産屋さんと会うとかっていう時は、
ひもを茶色とかに替えて真面目な靴にもできるんです。
ひもの面積って人が思うよりけっこう広いんですよ。
この靴だって、ひもを替えただけなのに。
- 轟木
- 目立ちますよね。
- TOBI
- これを履いてきただけで、
「ピンクの靴履いてましたよね?」って言われるんです。
すごくピンクな部分ってひもだけなのにね。
靴ひもって正面にあるから、
みなさん、けっこうひもの色で見てることが多い。
- 花梨
- 正面で、見えている場所ですもんね。
- TOBI
- 長く履きたいんで、
土台になる部分はしっかりしたものを選びます。
あとは、その日の気分とか、その日の恰好とか、
あと季節感みたいなものは、
ひもでけっこう出せるのかなって思っています。
- 花梨
- ひものトライはしていなかったので、
やってみたいです。
- TOBI
- ぜひぜひ、やってみてください。
どのスニーカーにも、ひもは付いてくるでしょ?
いろんなひもを持っていると、すごく楽しいですよ。
- 花梨
- 家を出る前に、どれだけ余裕を持っているんですか。
- TOBI
- 前の日に、この恰好をしようって考えてますね。
服から考えて、だったらこの靴かなって。
- 花梨
- 私、朝になってから考えてました。
- TOBI
- 朝だと、時間がなくなっちゃうじゃないですか。
もう、ひもとか言ってる場合じゃない。
- 花梨
- すごい余裕があるんだなって、
ちゃんと意識されていて素敵ですね。
- 轟木
- 洋服に合わせてネイルを替えるような感じだよね。
- 花梨
- そうそう。
靴ひもを気分で替えるのって、
すごい生活の豊かさを感じます。
- TOBI
- んなこたぁない(笑)。
- 花梨
- 靴ひものお話を聞いて
「VEJA」のラインナップを見たら、
スニーカーにひもがなじんでいますよね。
よく見ると、けっこう違っているんです。
- 轟木
- ピンクとか生成りの色もあるもんね。
- 花梨
- 真っ白だと洋服に合わせるのが難しくて、
ちょっと浮いちゃう感じがするんです。
- TOBI
- そうそうそう。
ぼくも、真っ白のひもはすぐ外しちゃう。
ちょっと色が付いているとね、
なんか洋服と合わせるイメージしやすいから。
- 轟木
- 私、10代、20代の頃に
スニーカーを探しまわっていた時期があるんですよ。
サイズが小っちゃいからレアなものも残っていて、
古着屋さんとかでデッドストックのものを
探していたんだけど、
ひもも経年劣化でいい感じに
生成り色っぽくなっているんですよ。
日に焼けて黄ばんでいるっていうか、
それがまたよかったんですよね。
- 花梨
- そういうほうが履きやすいですよね。
私も真っ白なひもは、
一回洗ったりとか汚したりしてるなあ。
きれいにするために洗うんじゃなくて、
ちょっと水に浸して乾かすと
パキッとしているのがしなしなになって、
ちょっと色がついたりするから。
- 轟木
- うんうん、おしゃれでね。
みんなが汚して履くって聞いて安心しました。
私はよく真っ白い服とか
真っ白い靴を履くんですよ。
だから、汚れていると気になって洗ってました。
多少汚れたままでもOKなんだね(笑)。
- TOBI
- 美容院に行きたての髪だとちょっと恥ずかしくて、
外に出てからちょっと崩したりします。
- 花梨
- だから私、スニーカーを買ったら
雨の日とかに履いて勝手に汚れるようにしています。
- TOBI
- うーーん。
その汚しは、若いからかもしれない(笑)。
- 一同
- (笑)。
- TOBI
- 勝手に汚れる‥‥。
うーん、そう。
でも、そうだったかもしれない。
もしかしたら自分も20代の頃は、
真新しいのがちょっと恥ずかしくて
わざと汚していたかもしれない。
でも、そうすると職質に合うんですよ。
- 轟木
- 出ました、職質(笑)。
- TOBI
- ちょっと汚れた服装をしていると
職務質問に遭いやすくなるんだけど、
きれいな靴ひもをしていると、
職質に遭いにくいんですよ。
けっこう、靴で見られるから。
靴のひもの汚れ具合で、
その人を見るみたいなことはあるかも。
- 花梨
- 革靴とかなら、私もちゃんときれいに履きたいな。
スニーカーなら、汚れていても気にしないかも。
- TOBI
- 職質に遭うようになったら
考えが変わってくると思う。
- 花梨
- 逆に、お酒を飲んでいて
年齢を聞かれるほうが多いです。
ちゃんと二十歳超えているのに。
- TOBI
- 大人ぶるために汚した感じにしてるんだ。
「二十歳超えてますよ」
「ちゃんと汚してますよ」って。
- 花梨
- こなれ感を出すために(笑)。
(つづきます)
2022-05-24-TUE
撮影:山根悠太郎
(C) HOBONICHI