フランス生まれのスニーカーブランド
「VEJA(ヴェジャ)」のスニーカー、
2022年春夏モデルの12アイテムを
販売いたします。
ヨーロッパでは大人気の「VEJA」ですが、
日本でメジャーになるのは、まさにこれから!
「VEJA」の撮影モデルを務めたおふたり、
レ・ロマネスクTOBIさんと花梨さん、
スタイリスト轟木節子さんの3人で、
撮影終了後に座談会を開きました。
「VEJA」のやさしさってなんだろう?
- 轟木
- 「VEJA」のサイトを拝見して素敵だなと思ったのが、
スニーカーづくりをはじめる時に、
スニーカーを全部分解して、
それぞれの原料を探ってみたんですって。
- 花梨
- 手で触って調べたんですね。
- TOBI
- その考えは、すごくフランス人っぽいですよね。
- ──
- そうなんですか。
- TOBI
- フランスではみんな
高校卒業の時に試験を受けるんですが、
そこでは哲学が必修なんです。
自分はどこから来て、どこに向かうのか、
そういう思考のクセを問われます。
自分自身のこともそうだし、社会の仕組みとして、
たとえばスニーカーがなんのために作られて、
どういう所から来て、
どういう目的のためにあるのかっていうことを、
一つひとつ物事を考えるんです。
そういう力はね、すごく養われていると思います。
- 花梨
- 哲学って、みんなすごく話しますよね。
- TOBI
- 「自分が納得しないといけない」とか、
「自分らしく生きる」みたいな意識は強いです。
すごくフランス的な感じがしますよ。
- 轟木
- 食べ物にしても、
この部分はどこの畑で作られていて、とわかったら、
それぞれ作った人がいるんだって感謝できますよね。
- 花梨
- 物へのありがたみも全然違いますよね。
- TOBI
- フランスってお肉の売り方も日本とは違うんですよ。
たとえば、豚の胸肉っていうのは、
豚の乳首がついている状態で売られています。
- 轟木
- へえー、それは衝撃かも。
- TOBI
- ぼくもそれを見て、
「あっ、胸肉って、そっか、胸なんだ」って。
日本に暮らしていたら意識しないですよね。
部位で切られた状態でしか売っていないので。
- 花梨
- きれいに切られてパックにされてますから。
- TOBI
- フランスって、もうむき出しだから。
- 花梨
- たしかに、鶏もそうでした。
- TOBI
- そうそう、吊られてるんだよね。
お店の人に「胸肉は乳首をとってください」って
伝えていないと、自分で処理することになります。
日本人は加工されたものを受け入れるのが、
文化になっているんだと思います。
だから、気づかなかったのかな。
- 轟木
- わからないし、気づきませんよね。
- 花梨
- 私の友達はフランスに留学に行っている間、
ずっとお肉が食べられなくなったそうです。
今はもう帰ってきて3年目で、
その抵抗が全くなくなったって言ってました。
スーパーで見た鶏がショッキングだったそうで。
- TOBI
- そうかもしれない。
たとえば、レストランで
ジビエ料理を食べようと思ったら、
うさぎの肉から散弾銃の弾が出てきたんですよ。
- 一同
- ええっ!?
- TOBI
- 撃った弾が出てくるんですよ。
カリッとなって「えっ?」と思ったら、弾だった。
そうやって、散弾銃で撃つことを知らなかったから、
「何にも知らないで、おいしく食べてたんだ」
ということを思いましたね。
フランスに11年住んでいたので、
そうやって物事を見るクセはついてきたのかな。
だから、「VEJA」みたいなブランドは、
日本にも考えるきっかけを与えてくれますよね。
- 轟木
- ね、それぞれの国ならではのいい考え方があるから、
物を通して、ちゃんと伝わっていくといいですね。
- TOBI
- いいかと思いますね。
- ──
- 気に入って選ぶものなので、
できたら長く履き続けたいのですが、
お手入れはどうしたらいいですか。
- 二村
- 「ESPLAR」と「V-10」はリアルレザーなので、
ちょっとで構いませんので、
無色のクリームとかを塗ってあげるのがいいですね。
何の手入れもしない革のスニーカーは乾燥肌なので、
お肌に潤いを与えてあげると、きれいに経年変化します。
- ──
- どのくらいの頻度でケアをするべきですか?
- 二村
- 乾燥の頻度は環境にもよりますが、
だいたい2か月に1度くらいでケアしておけば、
まったくケアしないよりはよっぽどいいなと思います。
ちょっとのケアでもいいから、
きれいなフェイスになると思います。
- TOBI
- スキンケアと同じなんだ。
- 花梨
- スエード系のスニーカーのケアも気になります。
- 二村
- スニーカーでヌバックのタイプだと、
みんな防水スプレーをしちゃいますよね。
- 轟木
- うんうん、しちゃう。
- 二村
- ま、何もしないよりは
防水スプレーをしたほうがいいです。
ただ、防水スプレーにはフッ素っていう、
水から逃げるための物質が入っているだけで、
革に対してのケアができていないんですよね。
防水スプレーするんだったら、同じスプレーでも、
スエードとかヌバック専用のスプレーがあります。
- TOBI
- あ、専用のスプレーがあるんですね。
- 二村
- 専用のスプレーだと
若干油分が多いので、革に浸透させるんです。
防水にもなるし、トリートメントも入っています。
- TOBI
- リンスインシャンプーみたいなこと?
- 二村
- はい、潤いも与えて汚れもはじきます。
スエード、ヌバック専用のスプレーがベスト。
で、ベターが防水スプレーです。
- 花梨
- 知らなかったなあ。
- 二村
- スエードとかヌバックって、
色が抜けちゃうって言われることが多いんですよ。
でも、髪の毛とかお肌が乾燥してパサパサになって
色がなくなっちゃうのと一緒なんです。
油分をちょっと足してあげれば色がキープできます。
- 轟木
- 私、白いスニーカーが好きで、
洗う時に、歯磨き粉も使っているんですけど、
それはいいですか?
- 二村
- はい、はい。それはいいです。
歯磨き粉の中に研磨剤が少し入っているので。
ラバーもきれいになると思いますよ。
裏技として、成立しています。
- ──
- 履く頻度で気をつけるべきことは?
- 二村
- 一日おきとか二日おきにってよく言われますよね。
その理由って、人間が汗をかくからなんです。
汗をかいたら、靴の中の汗が蓄積していきます。
放っておけば革だったら揮発しますが、
その時間を二日は置きたいんですよ。
そうすると、3足以上を履き回すことになります。
そのサイクルもっと早くするなら、除湿剤でしょうね。
- 花梨
- あ、靴の中に入れるんだ。
- 轟木
- 新聞紙を丸めたものでもよさそうですね。
- 二村
- そうそうそう。
そういったものを使えば、汗のリセットになるので。
革靴であれば水洗いをして
靴の中に蓄積している汗とかをリセットします。
そのままにすると革がバリバリになっちゃうから、
スキンケアしてあげるのがセットですけど。
スニーカーなら洗うことに抵抗がないでしょうけど、
一番のおすすめは、除菌スプレーですね。
あれはやっておいたほうがいいでしょう。
日本の場合、どうしても高温多湿ですから。
- TOBI
- そうですよね。
フランスは夏でも乾燥しましたもん。
- 二村
- 日本は高温多湿+下駄箱ですから。
カビの培養庫みたいな所に
汚れた靴を入れておくと、カビる。
- ──
- 10円玉を入れるといいよって
テレビで聞きました。
- TOBI
- 10円玉から出るイオンで除菌してくれるんですよね。
親がテレビで観たのか、
子どもの頃からやってた気がする(笑)。
- 二村
- はいはいはい。
銅を入れることで、菌の発生を予防できます。
これからの季節、女性からは
パンプスのお悩みも多いですよね。
パンプスって、汗がついたまま
放っておくと汚くなっちゃうので、
定期的に水拭きして除菌すれば、汚れないんです。
きれいな革なら飴色に育つし、
いかに菌が繁殖しないようにするかさえ
意識すれば長くきれいに履けますよ。
- 花梨
- なるほど、水拭きをして除菌。
- 轟木
- 「VEJA」のスニーカーも、
インソールは替えてもいいんですか?
- 二村
- はい、大丈夫です。
- TOBI
- サイズによって横幅は合っているけど、
微妙に合わないことがあるから
インソールは入れたいなとは思いますね。
- 二村
- 「VEJA」のロゴを見せたいかたは
インソールを下に敷くとかでもいいし。
きれいなままにしておきたいかたは
上に重ねることもできますよ。
- 轟木
- えっ。スポッて取れるんですね。
- TOBI
- だいたいどのスニーカーもとれますよ。
ぼくは、めっちゃとってます。
インソールとひもは、わりとすぐに替えるタイプ。
やっぱり、自分に合うインソールって絶対あるから。
ペタンとした靴でもインソールを足して、
クッション材みたいにしたら歩き回るのにいいですよ。
- 花梨
- 私もけっこうインソール替えてます。
偏平足対策用のインソールを
使いまわしていますね。
- 轟木
- そっか、土踏まずをカバーするものですね。
- 二村
- 「VEJA」のスニーカーでも、
インソールの選び方はそれほど気にせず、
お好きなもので大丈夫です。
- TOBI
- ところでピンクの「レ」は、
「レ」じゃないんですよね?
- ──
- 「レ」じゃないです。
「V」です。
- TOBI
- 「レ」キャップとか「レ」ピアスとか
「レ」スカーフとか、カタカナの「レ」だけで、
アーティストグッズを作ってるんですけれど、
ピンクの「レ」は、ぼくのためにあるようなもの。
レ・ロマネスクの物販に並んでても、全然いいよね。
- ──
- 「レ」じゃないけれども。
- 轟木
- ほんと、ありそう!
- TOBI
- レ・ロマネスクのファンといっしょに
これを履いて集合できますよね。
- ──
- TOBIさんにオファーした時に、
真っ先に「レに見えた」と
言ってくださったんですよね。
- TOBI
- だって、いきなり「レ」が並んだスニーカーの
写真が送られてきたんですから。
「うちの物販の商品とコンセプトが同じ。
なんで知ってるんだろう」と思いました。
しかも、フランスとか言ってるし。
だからちょっと、運命的なものを感じましたよ。
- 轟木
- ひもの色だけ替えて、
レ・ロマネスクの物販にしたらいいのに(笑)。
- TOBI
- そうですよね。ほんとですね。
靴がベーシックなデザインなんで、
蛍光グリーンとか黄色とかも合いそう。
ただ、不動産屋さんとか会計士の人とかと合う時は
きちんとした白いひもにしましょう。
- ──
- それこそ「VEJA」が誕生した頃には、
TOBIさんはフランスにいたわけですよね。
- TOBI
- いたはずですね。
2011年までは住んでいたから。
ちょうどフランス国内で売れてきた頃だったのかな。
フランスはもうオーガニック意識の浸透も
早かったですよ。
- 花梨
- フランスにいた友達がアプリで登録して、
田舎の農場とか牧場を手伝いに行ける
アルバイトみたいなのがあるって言ってました。
バカンスを兼ねて3人とかで行くんですって。
観光もできて、お金ももらえるんです。
- 轟木
- 収穫には人手が欲しいもんね。
- 花梨
- その友達が言っていたのは、
家のおばあちゃんがお皿とかを作っていて、
それを一緒に手伝ったそうです。
手伝っているうちに上達もするんですって。
そういう仕事が身近にあるのっていいなあ。
- 轟木
- それは日本でもマネしていいよね。
- 花梨
- お米の収穫とか、やってみたいじゃないですか。
- 二村
- 20代の子たちはそうやって、
選択肢の中に「サスティナブル」があるんですよね。
考え方が進んできているなって感じます。
- ──
- じゃあ、ここで座談会はお開きにして
余った時間で好きなだけ試着しましょうか。
モデル撮影、お疲れさまでした!
- 一同
- ありがとうございました。
- 轟木
- 1日すごく楽しかったです。
- TOBI
- なんか失礼なことを言ってしまって、
大丈夫でしたか?
- 轟木
- えっ、いまになってですか!?
あはは!
(おしまい)
2022-05-26-THU
撮影:山根悠太郎
(C) HOBONICHI