かつて樋口可南子さんもハマり、糸井重里も挑戦し、
「あみぐるみコンテスト」まで開き、
第1回ホビー産業大賞の東京都知事賞まで頂いてしまった
“「ほぼ日」のあみぐるみ”が帰ってきました!
もちろん、あみぐるみの総本山、タカモリ・トモコ先生が
あみぐるみ好きの男たちを引き連れて!

この「男子あみぐるみ部」、
男子といっても、メンバーはおじさんばかり。
そのほとんどが子持ちの所帯持ち。
あみぐるみなんてしてていいんですかおとーさん?!
「いいんだもーん」「なーっ?」って‥‥
毎週集まってはあみぐるみをつくっているみなさんが
あまりに楽しそうなので、不定期に、
部員である山下哲さんにおねがいして、
ここでレポートしてもらうことにしました。
ええっ? 夢はパリで個展だって?


その17 卒業

ぼうた
できた!

トリ
できましたね。

きはら
ちょうど10パック。

タカモリ
「ハートからはじめよう」で完成した
ハートのあみぐるみがぜんぶで54個。

山下
ではみなさん、
当選者の発表をお願いします!

タカモリ
はい。私がひいたかたは、
渋谷区の高橋さんと、
同じく渋谷区の近藤さんです。

きはら
おいらがひいたのは、
横浜市の松本さんと、
川崎市の花田さん。

ぼうた
あ、僕も花田さんをひいたよ。
こちらは、立川市の花田さんですね。
それと、目黒区の高良さん。

トリ
えー、僕は、
世田谷区の似鳥さんに、
横浜市の原さん。

山下
最後のおふたりは、
横浜市の児玉さんと
練馬区の瀬尾さん。
以上の10名様に当たりました。

全員
おめでとうございます!

タカモリ
たくさんのお客様の
心がこもったハートです。
かわいがってあげてくださいね。

山下
ええと、
これで卒展のあれこれは
すべて終了しましたでしょうか。

きはら
‥‥終わり、かな。

トリ
ええ、終わっちゃいました。

山下
‥‥いかがでしたかみなさん、卒展は。

全員
たのしかったです!

山下
ですよね(笑)。

ぼうた
僕は念願だったシャケをつくれたし、
卒展として思い残すこと何もなしですよ。
みんなも、出しきったよね!

トリ
はい、面白かったのひとことに尽きます。
ほんとにいろんな人と話をして、
自分がやりたかったこともできて。

きはら
そうだねー、
今回はそれぞれの個性が爆発だったよね。
グループ展として、すごく成功した
催しだったんじゃないでしょうか。

タカモリ
ひとりでやったら、こうはならないです。
私もみんなとやることで、
気持ちをラクにして自由に編めました。
そしてやっぱり、
みなさんとお話できてうれしかったです。

山下
たくさんご来場いただきました。
ちなみにギャラリーtrayさんの
最高動員記録だそうです。

全員
おおー。

山下
行列ができたのも初だそうです。

全員
おおー。

山下
あと、展示会というものはふつう
作家の作品を見にくるものなのに、
自分の作品を持っていらっしゃるお客様が
こんなに多い展示会は
ちょっと考えられないそうです。

ぼうた
たくさん見せていただきましたよね。

きはら
ほんと、お客さんの作品を集めれば
それで展示会開けちゃうくらい(笑)。

山下
すこしだけご紹介いたしましょう。
まずこのかた、
初日いちばんのりのお客様です。

タカモリ
このかたは、
クリスマス会もいちばんのりでしたね。

山下
うれしいですよね。
パンダと、それからクリスマス会のときの
キットを完成させてきてくださいました。

トリ
こちらの女性ふたりは、
昔編んだのを持ってきてくれました。

きはら
このコンテンツを読んで
昔やってたあみぐるみを
またやりたくなったって人、
わりと多いんだよね。

ぼうた
このかたは、かなりハイレベルでしたよー。

トリ
このクマも、かわいかったなあ。

山下
うさぎのキットを買ってくださって、
すぐにその編み図をアレンジして
ワンちゃんを編んでいらしたかたも!
こちらの女性です。

ぼうた
ずっと前からタカモリ先生のファンで、
先生デザインのちびくまちゃんを
編んできてくれたお客様はこちら!

ぼうた
かわいいんです、これがまた。
ほおずりしちゃいましたよ。

きはら
アブない!
ぼうちゃん、この写真はアブないよ(笑)。

ぼうた
いやいやいや、そんなことないでしょう。

山下
(笑)とにかく、
すてきなお客様が次々に
やってきてくださいました。
こちらは「ブタフィーヌさん」
たかしまてつをさんです。

タカモリ
たかしまさんは準部員ですからね。

ぼうた
たかしまさん、
いつかブタフィーヌさんを
編んでくださいねー。

山下
そして「フォト絵」でおなじみの
福田利之さんも。

山下
さらに「味写」の仕掛け人、
天久聖一さんもこんな状態に!

山下
おふたりとも、
すばらしいお写真ありがとうございました。

タカモリ
「おしゃれ工房」でお世話になった
NHKのアナウンサー山本志保さんも
来てくださいました。

トリ
山下さんの巨大うさぎは、
みんなが一緒に記念撮影してましたよね。

山下
ありがたいことでした。
とくに、ちびっこが横に並ぶともう‥‥。
ひそかに感動してましたよ。
ほら。

全員
おおー。

トリ
絵になります。

ぼうた
女性やお子さんだけじゃなく、
今回も男性がうれしそうでしたよね。
こちらは、おとうさんと白虎。

きはら
おとうさんとうさぎ。

山下
外国の男性with白虎。

山下
このかたはイギリスのお生まれで。

タカモリ
はい。

山下
なんでも、タカモリ先生の本が
アメリカで出版されることになって、
そのスタッフだというではありませんか。

タカモリ
はい。

全員
おおー。

山下
さて、
ここまで会場の様子をお伝えしてきて
みなさんお気づきだとは思うのですが。

きはら
ん? なに?

山下
なんだか僕のうさぎの写真が多いですよね。

ぼうた
ああ、でもそれは。

山下
はい、当日はどうしても
自分のコーナーにはりついてましたので、
みなさんの撮影ができなかったのです‥‥。
ですが、そうなることはわかっていました。
わかっていたので‥‥。

ぼうた
ちゃんと準備をしておいた。

山下
はい。

きはら
えらい。

山下
カメラマンの加藤アラタさんに、
じっくり撮影していただきました。

タカモリ
来られなかった読者のかたにも
作品をみていただけるように。

山下
そうです、
「卒展 プチ・ギャラリー」
ご用意させていただきました。
こちら↓から、ご入場ください!


▲クリックするとスライドショーがはじまります。
次の写真にすすむには画面の右側上をクリック、
もどるには左側上をクリックしていってくださいね。


タカモリ
最終日に撮った記念写真、
みんな満足そうですね‥‥。

きはら
‥‥これで、ほんとに卒展のことは
終わりだね。

トリ
‥‥はい。

ぼうた
‥‥終わっちゃいました。

山下
‥‥さて。
それではこれから、
卒業式をはじめましょう。

きはら
卒業式‥‥‥。

山下
みなさんから、ひとことずつ、
部活動ぜんたいを振り返っての感想と、
いちばんたのしかった想い出を
発表していただきます。
では、ぼうたさんから順に。

ぼうた
‥‥はい。
まず、先生と部員のみんなに出会えたことを
心からうれしく思っています。
自分は何を編むか、自分の個性は何なのか、
ずっと悩み続けて苦しんで、そして、
答えを見つけられた活動だと思っています。
これからも、僕は編むと思います。
主に、自分の子どものために。
たのしむことを基本に編みたいですね。
で、ええと、いちばんたのしかったのは、
材料の買い出しで苦しんだことです(笑)。
ああでもないこうでもないと考えて
毛糸やボタンを探すのがたのしかったです。

トリ
あみぐるみにはずっと薄く興味があったので
部活への参加が決まった時には、
「時がきた!」と興奮しました。
実際活動をはじめてみて、
ものをつくるとはこういうことか、と
先輩方を見ていてとても勉強になりました。
本業のイラストにも、ここで得たものは
フィードバックされていると思います。
自分の絵に愛着がわくようになったんです。
これからも、編みます。腕を磨くために。
それがまた絵に帰ってくると思うので。
‥‥なのできょうも、
編みかけのものを持ってきました。

全員
おおー。

トリ
自分を、編んでみています。
‥‥部活でいちばんたのしかった想い出は、
夏に公園で撮影会したことです。
あれは、純粋にたのしかった‥‥。

きはら
たくさんの人が見てくれる場がある
ってことには、ほんと感謝ですね。
締め切りがあるっていうのも大切でした。
ほかの部員はどんなのつくってくるんだろ、
おいらはこれでいくぞ!って持ってく興奮。
見せ合う瞬間のドキドキ。
それが、この部活の醍醐味だったかな。
そうきたか! ならこっちはこうだ!
っていうのが、ほんとにたのしかった。
‥‥おいらもきょう、つくってきたの。

全員
おおー。

きはら
雪男。
そいつも、きょうみんなに会うから
完成したんだよね‥‥。
これからどうしよう(笑)、
自分で締め切りを設定しないとヤバイよね。
でも、とにかく今後も編みますよ。
というか、ここからがスタート。
あみぐるみはまだまだ面白いからね。
‥‥ええと、いちばんたのしかったことね。
それは、怒られたことです(笑)。
撮影会で公園のおじちゃんに怒られたり、
ほかにもまあいろいろと。
この歳になって怒られること、
そうそうないもんなあ(笑)。

山下
イラストレータさんにデザイナーさんという
ビジュアル系の部員に混じって、
不安でいっぱいの入部式でした。
そんな中、ことばを使って
自分のありふれたあみぐるみに
物語をふきこむようなことが
それなりにできたのではないかと、
今はたいへん満足しています。
おおげさな言いかたになりますが、
編み物ができるようになって
人生がひとつ豊かになった気もしています。
男なのに編み物‥‥
そういうテレも今はまったくありません。
これからも時間の許すかぎり、
堂々と編んでいこうと思います。
いちばんたのしかった想い出は、
部活のあとにみんなで
パフェを食べにいったことです(笑)。

タカモリ
あ、私もそれがいちばんだと思ってました。

山下
部活のあとに、パフェ。
ありえないですよね、40代の男が(笑)。

きはら
でもあれはすごく部活っぽかったよね。

山下
ええ。
‥‥というわけで先生、
このあたりで先生から我々部員に
贈る言葉をいただけますでしょうか。

タカモリ
‥‥はい。
とにかくみなさんにお礼が言いたいです。
男性にも編んでほしいっていうのは
ずっと思ってたことなんです。
私の教室に来る男性は何人かいたのですが
女性ばかりの教室なので
みんなやめちゃって‥‥。
この部活で、男性も編み物にハマるという
立派な証拠ができました。
立派すぎる証明です。
みなさんほんとうに優秀な生徒さんでした。

全員
‥‥‥‥‥‥‥‥。

タカモリ
きはら部長、トリちゃん、
ぼうちゃん、山下さん、
これからもそれぞれのスタイルで
編み物をたのしんでください。
‥‥最後に、伝えたいことがあります。
毛糸は「我」が入ることを嫌うと、
私は思っています。
毛糸のおかげ、毛糸を使わせてもらっている
という気持ちで編んでくれると
私はとてもうれしいです。
‥‥みなさん、ありがとうございました。

ぼうた
こ、こちらこそ、

全員
ありがとうございました!

山下
‥‥あの、先生。

タカモリ
はい?

山下
この連載の最初に、
「目標はパリで展覧会」と掲げましたよね。

タカモリ
はい。

山下
じつは、それについてのお問い合わせが
友人、知人、読者さんからのメールで
けっこう寄せられているのですが‥‥。

トリ
パリは、どうしましょう‥‥。

タカモリ
‥‥行きますよ。

きはら
行く‥‥。

タカモリ
もちろん。

ぼうた
あきらめてはいない‥‥。

タカモリ
私、あきらめたことなんか
いちどもありません(笑顔)。

山下
わ、わかりました!
じゃあ、パリ行きが決まったら
また僕らはここに集まりましょう!

タカモリ
はい。
でも、パリが決まる以外でも、
良いことやたのしいことがあったら、
またいつか、集まりましょうね!

全員
はい!

山下
一同、起立!!

全員
(すっくと立つ)

山下
部長から先生に花束の贈呈です。

タカモリ
わあ、ありがとうございます‥‥。

全員
ありがとうございました(拍手)。

きはら
先生先生、お花を持って写真!

タカモリ
あ、はい‥‥。

山下
すばらしい‥‥。
よし、みなさん、
ほぼ日の事務所に向かいましょう!

全員
向かいましょう!
(バタバタバタと向かう)

ぼうた
‥‥あ、いたいたいた!

きはら
シェフさんシェフさん!

シェフ
はい?

山下
シェフ武井さんに花束の贈呈です。

シェフ
ありゃりゃ、ありがとうございます。

タカモリ
私たちのページを担当してくださって、

全員
ありがとうございました!

シェフ
いやいやいや、お疲れさまでした。

山下
‥‥シェフさん、
シャッター押してもらっていいですか?

シェフ
ほいほい、もちろん(カメラを受け取り)、
‥‥ん? もっと寄りましょうか。
もっともっと近くに集まって‥‥。
はい、じゃあ撮りまーす。

カシャ。
みなさま、
約10カ月のあいだ、
ご愛読いただきありがとうございました。
やりたいことを思う存分
心を込めてやらせていただいた
「タカモリ・トモコと男子あみぐるみ部」は、
これにて解散させていただきます。

もしかしたら、
またお会いできる機会があるかもしれません。
でも、今は何も決めず、
僕らは青山の交差点で散会いたしました。

タカモリ先生は、
もちろんあみぐるみ街道を突き進みます。
部員たちも、
相変わらずカバンに毛糸を忍ばせて
日常業務に戻るのでありましょう。

5本の糸が、
何かのタイミングでまたふわりと重なったら、
僕らはここに戻ってまいります。
その日まで、
みなさまも良き編み物生活を。
チャオ!


お し ら せ

Webマガジン幻冬舎にて、
タカモリ先生と愛猫・福ちゃんの
やさしさにあふれた愛情日記の連載がスタート。
側で話してくれているようなあたたかい文章。
先生はエッセイも、面白くて切ないんです。



「卒展プチ・ギャラリー」の
写真を撮ってくれたフォトグラファー、
加藤アラタさんのブログ「Kesiki」。
きれいです。ぜひ、みてください。



お わ び

「卒展」でハートの編み図を
お持ち帰りになったお客様へ。
7段目の編み式に誤りがございました。

 誤→7-16 (▲+□×4)×4
        ↓
 正→7-16 (▲+□×3)×4

 ※▲=減らし目 □=こま編み


ハートができずに「?」となってしまったかた、
ほんとうに申し訳ありませんでした!!


先 生 & 部 員 プ ロ フ ィ ー ル
タカモリ・トモコ
職業/あみぐるみ作家・かぎ編み研究家
 言わずもがな、僕らの先生。
 「アメとムチ」ではなく「アメとアメ」で、
 やさしく指導してくださいます。
 「amigurumi.net」
きはらようすけ
職業/イラストレータ(1958年生)
【あみぐるみスタイル/目玉重視派】
 わが部の、部長です! 頼れます!
  「ポンキッキーズ」のコニーちゃんを
 描いたその腕で、あみぐるみと格闘中。
 HP「kerokeroBRAND」
 編みメーションはコチラ
ぼうたたかし
職業/ウェブ・デザイナー(1965年生)
【あみぐるみスタイル/なりゆき重視派】
 自転車と釣りを愛する
 アウトドア派のあみぐるみスト。
 きはらさん&タカモリ先生とは旧知の仲。
 HP「ボウタデザイン事務所」
トリバタケハルノブ
職業/イラストレータ(1975年生)
【あみぐるみスタイル/へんなフォルム重視派】
 静かに燃える最年少部員。
 ひっそり溢れる闘志に感銘した山下が推薦。
 そのポテンシャルはきっと計り知れません。
 ブログ「コブラクロー」
山下哲
職業/文筆業(1962年生)
【あみぐるみスタイル/手ざわり重視派】
 このページを執筆するレポート係です。
 でも、可能なかぎり編む所存!
 こちらもよろしくお願いします。
タイトルロゴ&似顔絵/きはらようすけ

 

タカモリ・トモコさんと男子あみぐるみ部への激励や感想などは、
メールの表題に「あみぐるみ」と書いて、
postman@1101.comに送ってね。

2007-03-23-FRI

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いままでのタイトル
2006-06-09 その1 男子の部発足式
2006-06-23 その2 コンベンション参加レポート
2006-07-07 その3 反省会(前編)
2006-07-14 その4 反省会(後編)
2006-08-04 その5 ゲスト
2006-08-25 その6 夏休みの宿題
2006-09-22 その7 編みメーション
2006-11-03 その8 クリスマス会をやります
2006-12-01 その9 クリスマス会ってどんなイベント?
2006-12-15 その10 「きっと編めるキット」ってなに?
2006-12-22 その11 「クリスマス会」開催中です!
(テキスト中継もあります)
2007-01-19 その12 「クリスマス会」を振り返って
2007-02-02 その13 「卒展」のおしらせ
2007-02-16 その14 「卒展」ってどんな催し?
2007-02-23 その15 3月1日から「卒展」!
〜「キット販売」と
 「ハートからはじめよう」ってなに?!〜
2007-03-02

2007-03-03
その16 「卒展」開催中です!
(3月3日は1日だけのテキスト中継!)




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