糸井 |
でも、つい目が行っちゃうんですよね。
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タモリ |
「男好きのする」ジャンルに?
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糸井 |
そう、たとえそれが戦略だと知っていても‥‥。
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タモリ |
シンボリックなところでは「叶姉妹」とか。
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糸井 |
行きますね、目は。
そんな自分が「どうなのか」ということは
さておき。
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タモリ |
ま‥‥さておき。
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糸井 |
でも「だって行くじゃん!」という
言いぶんは
かなり本音なわけじゃないですか。
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タモリ |
本音です。
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糸井 |
まったくその真逆なんですけど、
ちょっと「ひょろひょろっとしたタイプ」にも
目が行きがちなんです、ぼくは。
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タモリ |
いろんなとこに目が行くなぁ(笑)。
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糸井 |
でも、その気持ちっていうのは、
「つきあいたい」とか
そういう感情でも、ないんですよね。
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タモリ |
うん、わかる。でもね、行くんだよ、目。
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糸井 |
タモリさんも‥‥やっぱり。
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タモリ |
この歳になっても。
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糸井 |
目の行くところは、変わりませんか。
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タモリ |
うん、変わんないよね‥‥そこは。
いや、変わってきてるね。
なんか変わってきてるね。
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糸井 |
変わりますか!
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タモリ |
なんか変わってきてる。
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糸井 |
それは‥‥。
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タモリ |
若いときは完璧さにあこがれるんですよ、
たぶん。
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糸井 |
ああ、なるほど。
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タモリ |
いまオレ、キンパツにまったく興味ない。
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糸井 |
ああー‥‥。
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タモリ |
ある時点から、ぜんぜん興味なくなったんです。
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糸井 |
正直なご発言で。
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タモリ |
そりゃもう、メッキリと。
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糸井 |
外国の人の悪口を言うつもりなんて、
ぜんぜん、ないんですよね。
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タモリ |
まったくない。
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糸井 |
ただ、ある時点から「ちがうな‥‥」と。
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タモリ |
そう、「完璧」に魅かれなくなるだけ。
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糸井 |
いや、それは深い発言だなぁ‥‥。
つまり「惜しい」に魅かれるようになったと。
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タモリ |
そう‥‥なんと言いますか、
ものごとには「陰影がついてる」ということを
わかるようになってくるんです。
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糸井 |
ははぁ。
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タモリ |
ま、外国人に陰影がないという言いかたも
おかしいんだけれども。
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糸井 |
つまり、表面的な美では、ダメだと。
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タモリ |
あ、そうそう。
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糸井 |
だって、単純にしゃべっている言葉が
わからないだけで、
その人の奥行きがわかんないですよね。
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タモリ |
うん、うん。
そいつの「陰影」がわからないんですよ。
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糸井 |
おたがいにわかる言葉を
しゃべってると思うだけでさ‥‥
なんだろう、
奥底から抱きしめられるというかね。
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タモリ |
ありますね。
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糸井 |
若いときって、気付かないんですけどね。
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タモリ |
「ショバニシマスカ、
ウトンニシマスカ」って聞かれて。
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糸井 |
はぁ(笑)。
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タモリ |
ソバにもウドンにもできないときって
ありますから。
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糸井 |
たとえがずいぶん具体的ですね。
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タモリ |
具体的に言うこともなかったけれども。
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糸井 |
でもその感じ‥‥わかるなぁ。
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タモリ |
逆にいうと「ショバニシマスカ」に
ビンビンくる人もいるわけですよ。
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糸井 |
ああ、そうか。若い人とかね。
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タモリ |
どんなヘンタイビデオでも
500本は売れます。
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糸井 |
ようするに、タモリさんが言いたいのは
「どんなジャンルにも
最低500人のファンがいる」‥‥と。
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タモリ |
そう。
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糸井 |
以前、テレビ局のプロデューサーで、
同窓会から帰ってきた翌日、
ぼくに名言をはいた人がいるんですよ。
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タモリ |
ほう。
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糸井 |
「糸井さんねぇ、
歳とるっていうのは、いいもんだねぇ。
自分より年下の女が
ぜんぶ、オッケーになるんですから」。
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タモリ |
ああ、オッケー範囲が広がるってことか。
なるほどなぁ‥‥その考えはイイよね。
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糸井 |
発想の転換ひとつで。
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タモリ |
転換ですね、へぇ、そういう考えがあったか。
‥‥って、こんな話でいいのか?
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糸井 |
例年以上にグダグダでお届けしています(笑)。
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タモリ |
グダグダ過ぎるだろうコレは。
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糸井 |
いくら正月とはいえ(笑)。
<つづきます> |