糸井 |
そろそろ、まとめに入りたいのですが。
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タモリ |
入りましょう。
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糸井 |
今回は「惜しい」をテーマに
いろいろと話し合ってきたんですが‥‥。
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タモリ |
ええ。そんなつもりはなかったんだけど(笑)。
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糸井 |
これ、ひいては「下ネタ」に行き着く。
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タモリ |
行き着きます。
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糸井 |
ぼくは「下ネタを否定してはならない」と
つねづね、思っているんですが、
「それ、NGだよな‥‥」って下ネタも
ほっといたら、出てしまうじゃないですか。
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タモリ |
出てしまいます。出てしまいますね。
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糸井 |
だから、今回の「惜しい」もふくめて
「オッケーな下ネタ」を探しに行く旅に、
ここらでちゃんと、出ておきたいなと。
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タモリ |
いいですね。
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糸井 |
それがまぁ、ことしのぼくらの夢であると。
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タモリ |
下ネタの旅。
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糸井 |
そう。
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タモリ |
シモニタの旅。
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糸井 |
下仁田。
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タモリ |
群馬県。
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糸井 |
ネギでもかじりながら(笑)。
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タモリ |
ダジャレの旅ってのも。
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糸井 |
ありますね(笑)。
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タモリ |
あのさ‥‥下仁田の町に入るときに、
「うちの母ちゃん コンニャク美人」って
すごいデカい看板が立ってんだよね。
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糸井 |
そうなんですか(笑)。
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タモリ |
どういう美人なのかと。
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糸井 |
コンニャクみたいにプリプリしてるとか。
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タモリ |
顔色がグレーなのかと。
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糸井 |
そこには「惜しい」気配がありますね。
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タモリ |
うん‥‥いや、それは惜しくないだろ。
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糸井 |
惜しくないか(笑)。
でも「惜しい」の思想が世間に広まったら、
ちょっと、やさしくなれそうですよね。
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タモリ |
なれるでしょうね。
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糸井 |
ギラギラと「いちばん」を狙うんじゃなくて
みんなが、それぞれの価値観で。
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タモリ |
そうそう、「いい二番手」が
本当は「いちばんいい」ということに
みんなが、気づいてくれれば。
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糸井 |
すごく表明しにくい意見なんですが‥‥。
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タモリ |
どうぞ。
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糸井 |
コネかなんかで出てきたと言われてるような
歌手や女優さんって
えもいわれぬ、妙な魅力がありますよね‥‥。
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タモリ |
あるねぇ(笑)。
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糸井 |
あれも「惜しい」の「抗しがたい魅力」のせいかも
しれませんね。
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タモリ |
このまえ、ヘンなウワサを聞いたんだけども。
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糸井 |
はい。
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タモリ |
あの「イナバの物置」のうえに
人がひとり増えていて
それが、社長の愛人らしいという‥‥。
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糸井 |
‥‥つまり101人乗っても大丈夫だと!(笑)
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タモリ |
いや、うん、まぁいいか、そういうことです(笑)。
根も葉もないウワサにすぎませんし‥‥。
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糸井 |
というか単なる冗談じゃないですか(笑)。
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タモリ |
あ、かなり「惜しい」の思い出した。
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糸井 |
なんですか?
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タモリ |
新幹線の車内販売。
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糸井 |
ああっ、いいとこ突く(笑)。
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タモリ |
これはね‥‥
かなりの「いい惜しい」が来るよ。
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糸井 |
向こうからやってきてくれる「いい惜しい」。
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タモリ |
そう、こっちは座ってりゃいいだけ。
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糸井 |
小銭で相手してくれる「いい惜しい」。
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タモリ |
うん、「さきいか」買うくらいで。
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糸井 |
オレ、いま「惜しい」のことがわかりました。
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タモリ |
ん?
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糸井 |
タイトスカートでしょう。「惜しい」は。
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タモリ |
ああ、そうかも(笑)。
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糸井 |
「惜しい」と「タイトスカート」は
かなり重なってますでしょう。
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タモリ |
たしかにそうだわ(笑)。
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糸井 |
ねぇ(笑)。
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タモリ |
で‥‥あれ、いったん通り過ぎても
反対側から戻ってくるじゃないですか。
あれで、後ろ姿も拝見できるんですよ。
足の太さとかね‥‥。
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糸井 |
あ、まだ車内販売の話(笑)。
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タモリ |
いや、むしろ太いのがイイんだよな‥‥。
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糸井 |
いま、急に思い出したんだけど、
吉永小百合が
ものすごく人気のあるときに
うちの親父が、
「こんななぁ、
足の太い女のどこがいいんだよって
思うんだけどさぁ‥‥」って、
まだ子どものオレに言ったんですよ。
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タモリ |
聞き捨てなりませんね。
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糸井 |
いや、自分の親だからわかるんだけど、
「どこがいいんだよ」って、
つまり「いいなぁ」ってことなんです。
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タモリ |
ああ、なるほど。「惜しい」の魅力ですね。
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糸井 |
吉永小百合には、「惜しい」があった。
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タモリ |
完璧な美貌のなかに「惜しい」もひそんでいる‥‥。
まったく希有な人です、あの人は。
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糸井 |
つまり「惜しい」というのは、それほどのものだと。
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タモリ |
吉永さんのなかにも、見いだされるほどの。
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糸井 |
すごい概念を発見したのかもしれませんね、
われわれは。
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タモリ |
2009年「惜しいの発見」。
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糸井 |
どうぞ今年も、よろしくお願いします。
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タモリ |
ぜひ、おたがい「惜しい年」に。
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糸井 |
ありがとうございました(笑)。
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タモリ |
ありがとうございました(笑)。 |
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<おわります> |